18禁「春画」展、京都で執念の開催

2016.2.5 23:27

これよりも赤裸々な描写のものがほとんど

(写真4枚)

昨年東京で20万人以上が来場した『春画展』が、「細見美術館」(京都市左京区)で2月6日から開催。今回の実行委員会代表の淺木正勝さんを含む関係者の記者会見が5日に行われ、実現に向けての困難を語った。

「春画」とは、江戸時代の人々の「性事情」と「笑い」が同居した芸術性の高い肉筆画や浮世絵版画。欧米では特に高い評価を得ており、2013年にロンドンの「大英博物館」で春画展が行われている。しかし、日本では「わいせつ」と考えられているということもあって、春画そのものをテーマにした展覧会はこれまでになかったそう。

「青少年に与える影響が大きくチラシを置くことができない、親子で見に行けない。そういうわけで、都内の美術館20カ所以上と交渉したが、どこも受け入れてくれなかった。日本で生まれたものが、海外で展示できて、なぜ日本でできないのか。それに出版物として無修正で25年ほど前から世に出ているにも関わらず、本物の展示ができないのはおかしい。私はそこに風穴をあけたかった。東京で受け入れてくれた永青文庫、そして今回は細見美術館で開催することができて本当にうれしい。大英博物館のとき以上の作品を集めたという自信がある」と淺木さんは並々ならぬ思いを述べた。

東京では若い女性の来場者が多かったとか
東京では若い女性の来場者が多かったとか

国内外から集めた、菱川師宣、鈴木春信、葛飾北斎、喜多川歌麿など浮世絵のスターが描く「春画の名品」約130点が展示される。また平安時代中期の古春画の舞台は主に京都ということで、京都展限定作品も13点登場。京都の西川祐信や大坂の月岡雪鼎の作品を通して春画の魅力に迫るなど、京都ならではの展開となっている。淺木さんは「やはり美術品は本物を見ないと意味がない。本物がもつオーラや浮世絵師たちの超絶技巧を直に見ていただきたい」としめくくった。ちなみに、18歳未満入場禁止となり、身分証等の持参が必要となる。

『春画展』

日程:前期=2016年2月6日(土)~3月6日(日)、後期=2016年3月8日(火)~4月10日(日) 
※会期中に展示替えあり
時間:10:00〜18:00(3/18以降の金土は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで 
月曜休(3/21は開館)
会場:細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
料金:前売1,300円、当日1,500円
※18歳未満は入館禁止。受付にて年齢確認を行う場合あり。身分証明書のご持参を
電話:075-752-5555

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