小吹隆文撰・週末おでかけアート、1/27〜

Cloud / Christina Kubisch, Photo:Elvira Neuendank.
「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、現代アート、写真、奈良の日本美術をご紹介。
音をテーマにした斬新なアートを紹介
『FREE SOUND 解き放たれるオト展』@ナレッジキャピタル
オーストリア・リンツの世界的なクリエイティブ・文化機関アルスエレクトロニカとのコラボレーション企画。「音」を題材とする2組のサウンドアーティスト、クリスティーナ・キュビッシュと和田永の作品を紹介します。
キュビッシュの作品《Cloud(クラウド)》は、長さ約800mのワイヤーを雲のように成形したもので、特殊なヘッドフォンを装着すると電磁波を可聴化することができます。和田の作品《時折織成ー落下する記憶ー》は、オープンリール式テープレコーダーの磁気テープが、高さ4メートルの場所から音を再生しながらアクリルの筒の中に落下するもの。折り重なって溜まったテープの山は、立体的な「音の彫刻」として鑑賞できます。
※和田永の作品は日時限定展示。上演日時は公式サイトにて
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて
1月28日(木)〜4月10日(日)
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我々の既成概念に再考を促す3作家
『【幻想の質量】 松井沙都子 森村誠 山本雄教』@2kwギャラリー、2kw58
日常生活で流通するモノを素材とする作品で知られる、3人のアーティストを紹介する展覧会。

松井沙都子は、昨年に京都で行われた個展で、団地や建売住宅などの量産品化された日本の住空間をテーマにした作品を発表しました。森村誠は、新聞、雑誌、辞書、地図などの印刷媒体から特定の文字を修正液で消去する、ハサミで切り取るなどした作品で知られ、山本雄教は点字ブロックや米粒をモチーフとする日本画作品、1円玉を敷き詰めた平面作品を制作しています。3人の仕事は、我々が共通認識として当たり前だと思っている制度・構造・状況を問い直し、相対化するものと言えます。自分にこびり付いた既成概念を打ち砕きたい人におすすめします。
※1/30(土)16:00〜17:00、出品作家によるギャラリートークを開催
1月25日(月)〜2月6日(土)
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写真×建築で工場の魅力をアピール
『魅せる工場展 小林哲朗×NO ARCHITECTS』@あまらぶアートラボ A-Lab
兵庫県尼崎市を代表する景観のひとつ「工場のある風景」。そびえ立つ煙突、整列した配管、うねるダクト、湧き上がる水蒸気・・・、その機能美に徹した姿に魅せられて、「工場萌え」なる愛好家になる人も少なくありません。

市制100周年を迎えた尼崎市では、2016年に「全国工場夜景サミット」を開催しました。本展はその一環として企画されたもの。尼崎市在住で工場夜景や廃墟を数多く撮影し、写真集も発表している写真家・小林哲朗と、建築家ユニット・NO ARCHITECTSがコラボレーションを行い、工場の魅力を表現するのです。単なる写真展ではなく、インスタレーション(空間構成)で、工場の美しさ、力強さ、造形の面白さを伝える、ユニークな展覧会です。
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて
※「工場夜景・美の祭典 フォトコンテスト2015」写真展を同時開催(1/23〜2/28)
1月20日(水)〜2月28日(日)
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館蔵の名品でたどる日本美術の精華
『蕭白・松園・・・日本美術の輝き 〜美人画、武者絵から刀剣、近代の名品まで〜』@奈良県立美術館
戦国の世を代表する女性「淀殿」と伝わる豪華絢爛な肖像画、江戸時代の奇想の画家・曾我蕭白が描いた妖しげな女性像。また、近代美人画の第一人者・上村松園が描いた優美な女性たちなどの美人画や、江戸時代に菱川友宣が、楠木正成・正行父子の「桜井の別れ」を描いた《楠公父子訣別図》をはじめとする武者絵。

これに桃山時代の鎧、現代の二代月山貞一、月山貞利が製作した日本刀など、日本美術の魅力を伝える館蔵品の数々を紹介しています。また、NHK大河ドラマ『真田丸』の関連展示や、大和郡山市、宇陀市、高取町による「大和の城と城下町ー往時の面影をしのぶー」(観覧無料)も同時開催されており、 美術ファン、歴史ファンのどちらも楽しめるでしょう。
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて
前期:1月23日(土)〜2月14日(日)/ 後期:2月16日(火)〜3月13日(日)
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