KANA-BOONを生んだ、三国ヶ丘の店長

2015.4.27 12:04

堺のライブハウス「三国ヶ丘FUZZ」の店長・田原大輔さん

(写真2枚)

今、大人気の堺生まれのロックバンド・KANA-BOON(カナブーン)。その起爆剤の源泉が堺のライブハウス「三国ヶ丘FUZZ」(堺市堺区)だ。「あの時から、絶対に売れると思っていました」とは育ての親とも言える、店長の田原大輔さん。今も次なるKANA-BOONを・・・と、若きバンドと奮闘中の彼に当時の様子などを教えてもらった。

「僕はバンドが売れる一番の理由として、ボーカリストの存在感だと思っているんです。ギターやベースは最初は下手でも絶対に上手くなっていく。でも、”華”は努力でなんともならないんです。で、鮪くん(KANA-BOONのボーカル)に華があったかどうかというと答えづらいんですが、ライブハウスに出ている頃から彼の熱狂的なファンは多かった。そこで、よく聞いたんですよ。何がいいのって? すると、みんな、格好をつけず、彼は気取らない感じがいいって(笑)」

「だけど、彼らは周りのバンドと違って、何よりも音楽を一番に持ってきた。もちろんバイトとかもしていたけれど、モチベーションが違った。僕たちスタッフが提案したものにはなんでも二つ返事で”やります!”って言っていましたね。彼らがワンマンができるほど集客のない時期にも”やる”ってなって。やはり人間って、目標が決まるとそこに向かって頑張れる。で、実際、彼らはやってくれた」と、FUZZで活躍し始めて1年少しで、地元中高生の心をガッシリとつかむように。

「で、気付けば初ワンマンから約4年で、日本武道館をやっちゃった。普通なら、その達成感でホッとしたりすると思うんです。でも、彼らは全然違った。まだまだやってやる、って言う進化形の姿を見せてくれたんです。本当は、ここらへんで1回里帰りライブとかしてもらおうかなとか思ってたけど、まだまだ過去を振り返るタイミングじゃないなと。本人たちは出たいとは言ってくれているけれども、それは僕が許しません」

今も本気でプロを目指す若手バンドの尻を叩き続けているという田原さん。「活動を始めて数カ月で、音楽事務所から声をかけられている子もいます。でも、本人がもっと成長してからという思いもあるので、試練を与えているところ。今は、シンガソングライターの林青空に、夏にFUZZワンマン、冬に梅田クラブクアトロでのワンマンを実現しろって言って、もう予約しました」と、通常ならなかなか達成できないタスクを課すSっぷり。それもすべて、田原店長の音楽への熱い思いの表れだ。

「三国ヶ丘FUZZ」の壁にあるKANA-BOONのイラストと記念撮影するために日本各地から詣でに
「三国ヶ丘FUZZ」の壁にあるKANA-BOONのイラストと記念撮影するために日本各地から詣でに

そして、堺市とタッグを組んで堺市庁前で行うロックフェス『MIKROCK』も、現在準備中。「僕から見たらKANA-BOON以上の才能持っている子っていっぱいいるんです。でも、本人にやる気を出してもらわないと始まらない。このイベントが促進剤になればいいなって。あと、いろんな人に未来のスターを気軽に観てもらうきっかえにもなったら。今なら、直接しゃべったり、距離感が近い楽しみを味わえる。でも、売れてしまうと手が届かなくなる。それは本当、アッという間なんで」。

『MIKROCK(ミクロック)』

日程:2015年5月5日(祝・火)・6日(祝・水)
時間:5日=14:00〜20:00、6日=12:00〜19:00
会場:堺市堺区南瓦町3-1 堺市役所前広場
TEL:072-256-7666 (三国ヶ丘FUZZ)

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本