高良健吾「覚悟決めてやりました」

左から、石田ゆり子、高良健吾、堤幸彦監督
天童荒太による直木賞受賞作『悼む人』が、待望の映画化。不慮の死を遂げた見知らぬ人々を「悼む」ために全国を旅する青年・静人(しずと)と、夫を殺害し、その亡霊と共に生きる女・倖世(ゆきよ)。生と死の狭間で苦しむ難役に挑んだ、高良健吾、石田ゆり子、そして、堤幸彦監督に話を聞いた。
高良「現場は、静かで穏やかでしたね。僕と石田さんはいつもすごく近くに席を用意されてたんですけど、ふたりとも、なんか・・・お湯をすすってました(笑)」
石田「そうそう、白湯! で、山を眺めて時おり言葉を交わして。縁側のおじいちゃんとおばあちゃんみたいだったね(笑)」
堤監督「弾けた役じゃないから、現場もおのおずとね。僕は、この原作を読んで、友人や両親の死を、少し消化できたんですよね。だから、この映画を通過することで、誰かの中にある、モヤモヤしたものや後悔が、ちょっとやさしくなって、溶けて、清らかなものになればいいなと思って作りました」
石田「私も、ずいぶん前にタイトルに惹かれて読んで・・・分厚い本ですけど、入り込んであっという間に読み終わりました。で、コレ絶対に映画になる、倖世を演りたい!って。そんな感情、人生で初めてだったんです。それで、作者の天童荒太さんにお手紙を書いて『映画化するなら出してください!』って直訴したんです。今考えたら大胆過ぎですよね・・・恥ずかしっっ!」

高良「僕は『自分が演じる』ことを考えながら読んで、めっちゃめちゃ悩みました。『この役、どうやったらいいんだ??』って。見方によっては、ただのイタい奴になるし、押し付けがましく見えてしまう。でも、途中、母親(大竹しのぶ)が、周囲の人に『貴方にはどう見えますか?』って委ねるシーンで、これが真理だと思いました。答えは要らないんですよね。自分から何かを変えたいとか、誰かを救おうとか発信するんじゃなくて、演じ手として『欲』をいかに捨てるかだって。10年の節目を迎えた最初の作品だったんで、覚悟決めてやりました」
堤監督「節目か、そういうの大事だね。あの『悼む』しぐさは、原作にも言葉で細かく表現されてるんだけど、高良くんとふたりでかなり研究したよね。手の角度とか、微妙な指の開き具合とかも(笑)」
高良「最終的に、こう・・・手を丸く『すくい取る』イメージを大事にして、『まろやか』にするのが、自分としても、画的にもしっくりくるねって」
石田「あの動作、やってみると、不思議と落ちつくんですよね。『その人を胸の中にしまっておく』って、すごく素敵なことだなって感じました」

静かな中に、たぎるような熱さを併せ持った『悼む人』。こんな高良健吾を、石田ゆり子を「今まで見たことがない!」と断言できる大傑作。大竹しのぶ、椎名桔平、井浦新ほか、豪華キャストとともに刻むその”生き様”を目撃して欲しい。
取材・文・写真/hime
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