大沢たかお「殻が破れていく感じ」

2015.2.25 19:05

会見をおこなった石原さとみ、大沢たかお、三池崇史監督(左より)

(写真3枚)

さだまさしが1987年に発表した楽曲「風に立つライオン」に惚れ込んだ大沢たかおが、小説化と映画化を熱望。自らプロジェクトの立ち上げに関わった同名映画がいよいよ完成し、大沢たかおと石原さとみ、三池崇史監督が大阪市内で記者会見をおこなった。

映画では、長崎大学からケニアの研修所に赴任し、現地で国際医療活動に従事した日本人医師・島田紘一郎の奮闘、心に傷を負った元少年兵との出会い、そして、日本に残った恋人との関係などが綴られている。撮影は昨年10〜12月、ケニアと長崎で行われた。ケニアでの本格的なロケは、日本映画として初めてのことだ。

映画『風に立つライオン』© 2015「風に立つライオン」製作委員会
映画『風に立つライオン』© 2015「風に立つライオン」製作委員会

「映画制作のプロとして考えると、リスクが高すぎる。南アフリカで撮影するのが一般的。でも、それはスタートから逃げる気がして。この映画は、普通の物差しで考えてはいけない、と。作品の持っている運命というか。ケニアでなければ、このような映画にはならなかった」(三池監督)

「アフリカでの撮影は、僕は3度目。いろいろ乗り越えないといけないことはありましたが、ケニアじゃなければ自分の中で成立しなかったし、そこで自分が生きてみなければ、(主人公の)島田航一郎になることはできないと。実際にそこに立って、ただ精一杯生きてみたいと。自分の殻が破れていく感じもあったし、いろんな自分が剥がれていくような感じがありました」(大沢たかお)

「私はアフリカは初めてでした。みんなが同じ方向を向いて、ホントに必死に撮影していて。私もそれにしがみつくのに必死で。その中でも楽しくて、生きてる感じがすごくしました。振り返ってみると、(演じた看護師役)和歌子と同じように生きてたなって。同じような気持ちとか言動になってました」(石原さとみ)

日本映画として初の本格アフリカロケを行った「風に立つライオン」
日本映画として初の本格アフリカロケを行った「風に立つライオン」

この主人公のモデルは、実在する日本人医師・柴田紘一郎さん。彼からケニアでの話を聞いたさだまさしが、15年の期間を要して発表したのが「風に立つライオン」だ。それを聴いた大沢が熱望し、さだが小説化するまで約5年。さまざまな人を介し、40数年を経て、映画化に至っている。

「作品を前になにかを言うことは、なんの意味もないし、すべて空しく響いちゃう気がします。とにかく、観て、感じてください。できれば、そのバトンをどんな形でもいいから受け取っていただけると、すごくうれしく思います。ホントにもう、それ以上の言葉が僕にはありません」(大沢たかお)

写真/本郷淳三

映画『風に立つライオン』

2015年3月14日(土)公開
原作:さだまさし(「風に立つライオン」幻冬舎文庫)
出演:大沢たかお、石原さとみ、真木よう子、ほか
配給:東宝
2時間19分
TOHOシネマズ梅田ほかで上映

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本