ショートショートなシンガー、吉澤嘉代子「設定をリアルにするのが楽しい」

2014.11.18 12:16

高田漣や坂田学、伊賀航ら洒脱なミュージシャンが参加したミニアルバム「幻倶楽部」

(写真2枚)

今年5月にミニアルバム『変身少女』でメジャーデビューを果たしたシンガーソングライター・吉澤嘉代子。往年の歌謡曲やナイアガラ、さらにはモータウンを通過した芳醇なサウンドとともに展開されるのは、妄想全開の眩いばかりの詞世界。シンガーソングライターでありながら、自らの想いを楽曲に込めるのではなく、職業作家がシンガーに提供するようなスタイルは、まるでショートショート。各章ごとに物語、主人公はコロコロ変わるが、監督&脚本&主演はすべて本人。その目くるめく世界こそ、吉澤嘉代子の魅力だったりする。

「たとえば、松本隆さんが松田聖子さんの曲を書いても、ファンの方は『松本隆って、今こんなことを考えてるのか!?』とは思わないですよね。私もそれと同じことしてるつもりで、作家として自分に提供しているというか。やっぱり『楽曲=私』と捉えられちゃうと、『ん〜』って思ったりしますけど、それはもうタイトルで言ってますからね。リアルな描写で聴いてくれる人の心に寄り添うよりも、聴き手が物語を体験できる曲を作りたいと思っていて。今回の『幻倶楽部』の主人公は、架空のストリッパーだったり、年齢不詳の化け猫だったり、恋愛倶楽部に入部する中学生だったり、自分とはすごくかけ離れたものなんですね。そういう設定を思いっきりリアルにするのが楽しくて。なりきるのが面白い。でも、なっちゃったらたぶん絶望するだろうけど(笑)」

10月にリリースされたミニアルバム『幻倶楽部』のリード曲は、ずばり「除毛」の歌。とかく楽曲=本人と見られがちなシンガーソングライターがそういうテーマ、しかもうら若き乙女が歌うなんて前代未聞。しかし、20代のOLが楽曲の主人公と考えたら・・・作家・吉澤嘉代子のショートショートの面白さ、妄想という名の豊富なアイデアに気付くはずだ。

振付はラッキー池田! 田渕ひさ子やPOLYSICS・フミらも参加した戦隊モノ「ケケケ」

「マジメに作ったんですよ。たとえば、先生とか絶対的な存在に対して、この人が言っていることは本当なのか? って疑いを向けることをテーマにしていた時期があって。で、除毛が当たり前の世の中ですけど、なぜ剃るんだろうとふと思ったのが始まりで。私のすべてをあなたには知って欲しい歌とか、そうだよね、好きな人には知ってもらいたいよねって思うんですけど、ホントに好きな人にむだ毛の処理を知って欲しいか!? って。いやいや、見せたくないでしょ。すごく天の邪鬼で、揚げ足取りなんですけど(笑)、それが嘘っぽく感じたんですよね。私だったら自分のすべてを見て欲しいとか絶対に思わないし、言わないっていう反骨精神から書いた曲です(笑)」

そんなミニアルバムの世界が炸裂しそうな1stツアー『妄想文化祭』の大阪公演は、なんと完売! 残るは東京公演のみという人気っぷりだ。しかし番外編としてアットホームな『吉澤嘉代子〜妄想お茶会ツアー〜』が全国のカフェでおこなわれることに決まった。生・吉澤嘉代子を観たいという人はぜひチェックして欲しい。その際は、ケケケの振付を覚えていくのを忘れずに。

吉澤嘉代子

2ndミニアルバム「幻倶楽部」
2014年10月22日発売
CRCP-40386/1,800円
日本クラウン

吉澤嘉代子

吉澤嘉代子ファーストツアー「妄想文化祭」
日時:2014年11月22日(土)・18:00~
会場:Shangri-La
料金:SOLD OUT!
電話:06-6341-3525(夢番地/平日11:00~19:00)

吉澤嘉代子

ライブ情報は公式サイトにて

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