Q10なカノジョ 第14回 黒木 華
2013.7.18 12:00

映画・音楽・舞台・アート・・・関西の気になるカルチャーニュースで見つけた、かわいいあのコに、Q10(キュートと読んでネ)=10のQ(質問)を尋ねる連載シリーズ。第14回は、出演映画が続々。実力派女優として最近活躍がめざましいこのカノジョ!

写真/バンリ

「監督の世界でどれだけその人に近づけるか」

Q1 小さいころはどんな子でした?

小学生の頃はわりと活発で、男の子とよく遊んでました。両親もキャンプとかによく連れて行ってくれてました。中学生くらいから外で遊ぶより、なにかを観たり、読んだりとかに興味がいって。静かな感じでした、自分の中で変わった意識は無かったんですが。

Q2 演技に興味を持ち始めたのは?

近所の演劇だったりミュージカルだったり、子どもが参加できる児童劇団があって、兄弟やいとこと一緒に行ったりしてたんです。そして、高校のときに演劇部だったので、演劇に触れたというのはそこからです。

Q3 2009年、大学生のときに野田秀樹さんのワークショップに参加。その翌年にはNODA・MAPで初舞台。演劇界を代表する野田さんだけに、相当刺激的だったと思うんですが。

そうですね。野田さんの舞台は特にそうかもしれませんが、すごく創造性が高いです。それを野田さん自身が楽しんでいらっしゃるし、ほかの役者さんもマジメに楽しく、考えられないような発想と想像力で作り上げていて。それを間近で見ることができたのは、私にとって大きな出来事でした。

Q4 いきなりNODA・MAPに参加することにプレッシャーはありませんでしたか?

高校のときに初めて舞台を観に行ったのが、野田さんの『罪と罰』だったんです。だから、とにかくうれしくて、楽しかったです。その空間に居られるだけで、ホントにうれしくて。もちろん緊張もしましたけど、この時間を楽しめなきゃダメだなって思ってました。

Q5 2011年には映画『東京オアシス』(2011年)で銀幕デビューを果たしましたが、舞台と映画に違いはありますか?
よく聞かれるんですけど、違う意識で演技をしたことがないんです。お客さんがいる/いない、カメラがある/無いとか、初めから終わりまで通すのが舞台だし、映画はシーンごとに切り取って進めていくものだし、そういう違いはあるんですけど、お芝居自体の違いはあんまり無いかなって思います。

Q6 セラピスト・美月響子役で出演された、鬼才・石井岳龍監督による『シャニダールの花』が7月に公開されます。監督のイメージは?

作品のイメージから、お会いする前は「いかつい人なのかな?」って思ってたんですけど、お会いしてみると線の細い、とてもやさしい監督。だけど、撮影が始まると、「尖ったものをずっと持ち続けている監督なんだな」って現場にいて感じました。赤いゴウゴウした炎ではなくて、青いチリチリとずっと燃え続けているようなイメージでした。

Q7 石井監督ならでは世界観がすごく感じられる作品でしたが、できあがった映画を観てどうでした?

すごい世界だなって思いました。ファンタジーなんですけど、飛びすぎてないし、すごく身近に感じられたんです。だんだんと引き込まれる。音も映像もですけど、内側にすごく響く映画だなって思いました。骨に響くというか。たぶん、「花が人から生えてくる」という設定以外に嘘がないんです。人との会話、反応というのがすごくリアルだから、そこに説得力を持たせることができるのかなって。

Q8 監督の言葉で印象に残っていることはありますか?

石井監督が最初に、自分ひとりで感情を作ってこないでくださいっておっしゃられて。「現場に入って演じてみて、相手との間で生まれた感情が本物だから、自分ひとりで考えてるのはそれは役者さんのものであって、それは正しい感情ではないから」って。そこだけはきちんと守ろうと。素直に、与えられたものを返すということを・・・すべての作品がそうだと思うんですけど、今回はすごくそれを意識しました。

Q9 共演された綾野剛さん(植物学者・大瀧を演じる)とのやり取りはどうでしたか?

綾野さんは掴み所がないように見えて、実はすごく自然に心地良い距離にいてくれる方。初対面やあまり知らない場合、人って距離を探るじゃないですか。自分の居心地のいい距離を。それを意識せずにいられる人だなって。石井監督が、綾野さんは動物的な反応も出来るし、理性的に考えられた行動もできる、その両方を持っているって。だからすごく敏感に相手の行動や感情を読み取れるんだなって。一緒に演じててすごい楽しかったです。

Q10 最後に少し難しい質問です。黒木さんにとって、演技をするということは?

う~ん、難しいですね(苦笑)。どんな役をやらせていただいても演じているのは私なので、私が見てきたものや私の中にあるものしか出てこないと思うんですけど、監督が作られた世界を壊さずに、その中でどれだけその人に近づけるのか、なれるのか・・・。大げさかも知れないけど、それが役を生きると言うことだと思います。答えになってないかもしれないですが・・・(笑)。

Who is Haru?
Q10なカノジョは、どんなコ?

黒木 華(くろき・はる)
1990年生まれ、大阪府高槻市出身。女優。大学在学中に野田秀樹のワークショップに参加。その後、NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』(2010年)で、中村勘三郎、野田秀樹との3人芝居で娘役を演じ、本格的に役者として活動を開始。翌2011年、映画『東京オアシス』にて銀幕デビュー。2012年のアニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』(細田守監督)では声優(少女期・雪)にも挑戦。その後、NHK連続テレビ小説『純と愛』(2012年)、映画『草原の椅子』(2013年/成島出監督)、映画『舟を編む』(2013年/石井裕也監督)などに出演。今後、映画『くじけないで』(深川栄洋監督)、映画『小さいおうち』(山田洋次監督)なども控える若手実力派女優。
公式サイト

Q10なカノジョには、ここで会えます!

『シャニダールの花』
限られた女性の胸に咲く花。シャニダール研究所では、その花が新薬開発の手がかりになるとして、研究が進められている。そこに勤務する植物学者・大瀧、セラピスト・響子はその花の魅力、そして恐ろしさを目の当たりにし、美しくもイビツな運命に翻弄されていく。命と花が醸しだすはかなさ、一瞬のキラめきを表現。出演は『横道世之介』などの人気俳優・綾野剛、『舟を編む』で存在感が印象的だった成長株・黒木 華。ふたりのきめ細やかな好演も、観ていて心地よい。10年の沈黙を経て送りだした2012年公開『生きてるものはいないのか』が見事な傑作だった石井岳龍監督だが、今回はまさに「復活」の勢いを感じさせるこれまた素晴らしい快作に!

2013年7月20日(土)公開
監督:石井岳龍
出演:綾野剛、黒木 華、刈谷友衣子、山下リオ、古舘寛治、伊藤歩、ほか
配給:ファントム・フィルム
1時間44分
テアトル梅田ほかで上映
http://shanidar-hana.com

© 2012「シャニダールの花」製作委員会

  
  • facebook
  • twitter
  • はてブ