令和8年度から私立高校の無償化……のはずが、入学のタイミングで70万かかった!?【知らんと損するお金の小咄】

2時間前

今年度から「私立高校が無償」と聞いていたけれど、入学前に70万円の支払いが……!授業料以外に、たくさん支払うものがあるとは!

(写真3枚)

関西出身の経済・金融キャスターDJ Nobbyさんが、日常生活で知らないと損をするかも!?という、「お金」にまつわる疑問を解説。経済ネタに疎い編集Nからの質問に、Nobbyさんが答える連載6回目は、『私立高校の無償化』についてです。

■ Lmaga.jp編集Nからの質問
「私立高校が無償化になっても、学費がほとんどかからないわけではないんですか!?」

「先日、この春からお子さんが私立高校へ入学した友人とランチをしていると『入学する前に、なんだかんだ70万円支払って…』と話してました。今年度から私立高校が無償化になったと聞き、11歳の息子は4年後、お金の心配をせずに高校を選べると思っていたのに…」

■ DJ Nobbyさんの解説
「無償化なのは授業料だけ!それ以外の出費が意外とあるので、お金の観点からも事前検討を」

2026(令和8)年度から「高等学校等就学支援金」の所得制限が撤廃されました(※1)。国の制度改正により、すべての世帯が授業料支援の対象となりました。支給上限額は、私立高校(全日制等)で年額45万7,200円、公立高校(全日制等)で年額11万8,800円です(自治体独自の加算制度がある場合を除く)。

「私立高校も無償化で、家計が楽になる!」のは確かなのですが、高校無償化でサポートされるのは、あくまで「授業料」を対象にしたもの。それ以外の費用は生徒の家庭が自身で負担しなければなりません。

Nさんの友人が支払った入学前の出費はざっくり70万円、内訳は入学金と諸経費42万円、教材費2万6,000円、制服・靴・カバン15万円、体操服&シューズ4万円、タブレット6万円とのことでした。

まさに、私の子どももこの春、高校へ進学しました。その志望校選びの際、公立、私立合わせて6~7校の見学へ行ったのですが、私立高校は以下の項目の金額をチェックしておく必要があるな…と感じました。

・入学金
・施設整備費
・教材費
・タブレット購入費
・制服代
・修学旅行の積立金
・部活動費

特に部活動費は、パンフレットに記載されていないことが多いので要注意です。私の子どもは、中学で吹奏楽部に所属していて、高校になっても続けたいと言っていたのですが、見学へ行った私立高校の一つは、吹奏楽部の部活動費用が年間約100万円と聞き驚きました。これ、知らずに入学&入部したら、ドキッとする金額ですよね。

文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」(※2)によると、私立高校(全日制)の年間「学校教育費」は平均83万2,650円です。このうち授業料については、同省の「令和6年度 私立高等学校等初年度授業料等の調査」における平均額45万7,331円(就学支援金控除前)がひとつの目安となります。

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」のスクリーンショット。単位は円で、「-」は計数がない場合を、「…」は計数があり得ない場合または調査対象外の場合。注意事項は文部科学省HP「子供の学習費調査 / 令和5年度 子供の学習費調査1学校種別の学習費」を参照
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」のスクリーンショット。単位は円で、「-」は計数がない場合を、「…」は計数があり得ない場合または調査対象外の場合。注意事項は文部科学省HP「子供の学習費調査 / 令和5年度 子供の学習費調査1学校種別の学習費」を参照

令和8年度からの制度改正により、この授業料相当額が「高等学校等就学支援金」によってカバーされるようになりますが、それですべての費用が賄えるわけではありません。授業料以外の項目である「入学金」「施設整備費」「通学費」、および授業料の差額分などを合わせると、初年度はおおむね37万〜55万円程度が、家庭負担として残る計算になります。

私自身も昨年末、子どもの併願私立校を選ぶ際、「偏差値」だけでなく、実際に通うことになった場合に無理なく支払えるのか?という「お金」の観点も不可欠だと痛感しました。

「私立高校の無償化」と聞くと、ついすべてが無料になるイメージを抱きがちですが、あくまで「授業料」のサポートであり、ほかにも多くの費用がかかることはしっかり認識しておきたいポイントです。

ちなみに、文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」によると、私立高校(全日制)に通う生徒の「補助学習費」は平均23万8,422円となっています。これには塾代や通信教育費などが含まれ、スポーツや音楽などの習い事費用は含まれていません。学校外でもこれほどの負担があることは見逃せません。

授業料が無償化されたとしても、それ以外の学校教育費と塾代を合わせれば、年間で50〜80万円近い出費が見込まれます。この『見えない教育費』に慌てないよう、今のうちから無理のない資金計画を立てておきたいですね。

【参考文献】
※1)文部科学省 高校生等への修学支援
※2)子供の学習費調査 / 令和5年度 子供の学習費調査1学校種別の学習費

Voicyでフォロワー10万人を超える経済・金融キャスターのDJ Nobbyさんが、知らないと損するお金にまつわるニュースを解説
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【DJ Nobby】
Voicyでフォロワー10万人を超える経済・金融キャスター。2026年でラジオパーソナリティ歴29年目に突入。ラジオ関西では経済系エンターテイメント番組『絶対わかる経済ニュース 知らんけど』(月〜木曜・6時30分〜7時)を担当。2025年12月15日に著書『世界情勢をつかんで波に乗れ! 経済ニュースのネタ帳2026~27』(ハゴロモ書籍出版)を発売。

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