「ありがとう…」神戸市立王子動物園、パンダ3頭の思い出を伝える“石碑”をお披露目

6時間前

白と黒の石で形作られた石碑(3月31日/神戸市立王子動物園)

(写真6枚)

神戸の春に、3頭のパンダの記憶がよみがえった──。「神戸市立王子動物園」(神戸市灘区)で3月31日、同園で飼育されてきたジャイアントパンダをたたえる石碑がお披露目された。

この日は、タンタンの命日にあたる特別な日。初代コウコウ、2代目コウコウ、そしてタンタン。3頭が紡いだ時間をひとつに刻むモニュメントが誕生した。

■ 神戸市が呼びかけ、実現した「石碑」の設置

石碑設置は、地域の魅力を選ぶ「灘百選」に同園のパンダが選ばれていたことがきっかけ。神戸市が呼びかけ、地元団体などが協力し設置が実現した。長年親しまれてきた3頭の功績を形として残そうという思いが結実した。

在りし日の初代コウコウ(神戸市立王子動物園提供)
在りし日の初代コウコウ(神戸市立王子動物園提供)

■ 阪神・淡路大震災からの“復興のシンボル”

3頭が神戸にもたらしたものは大きい。2000年、初代コウコウとタンタンが中国・四川省から来園した背景には、阪神・淡路大震災からの復興を願う思いがあった。愛らしい姿は多くの市民に笑顔を届け、“復興のシンボル”として街に寄り添ってきた。特にタンタンは、上品な仕草と愛らしい表情から「神戸のお嬢様」の愛称で親しまれ、多くの人々に愛された。

多くの人々に愛されたタンタン(神戸市立王子動物園提供)
多くの人々に愛されたタンタン(神戸市立王子動物園提供)

その後、2代目コウコウとともに園は繁殖研究という重要な役割も担った。試行錯誤の中で得られた知見は、ジャイアントパンダの保全にとって貴重な財産となった。命のリレーこそかなわなかったが、3頭が残した足跡は確かに次代へとつながっている。2代目コウコウは2010年に急死、タンタンもまた2024年、28歳で天国へ旅立った。

愛らしい2代目コウコウ(神戸市立王子動物園提供)
愛らしい2代目コウコウ(神戸市立王子動物園提供)

■ 石碑に込められた感謝と未来への願い

式典には竹本真也園長らが出席。竹本園長は「地域のみなさんやパンダを愛してくれる人たちとのつながりの象徴として、石碑を受け継いでいければ」と語った。

除幕式でお披露目された石碑(3月31日/神戸市立王子動物園)
除幕式でお披露目された石碑(3月31日/神戸市立王子動物園)

パンダの黒い耳や白い体をかたどった石碑には、3頭それぞれへの感謝と、その歩みを未来へ伝えようという願いが込められている。設置場所はパンダ舎の近く。満開の桜の下、多くのファンが訪れ、3頭の在りし日の姿に思いを馳せていた。

ジャイアントパンダ3頭の石碑を訪れる多くのファン(3月31日/神戸市立王子動物園)
ジャイアントパンダ3頭の石碑を訪れる多くのファン(3月31日/神戸市立王子動物園)

東京から訪れたタンタンファンの女性は、「石碑を見ることで、3頭のパンダを思い出したい」と話していた。

同じ場所で愛された3頭。石碑は、その記憶をひとつに束ね、これからも神戸の風景の中で語り続けていく。

取材・文・一部写真/西部マキコ

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