22年越しに世界的大ヒット→幻のCD再販へ、HALCALI・HALCA「他人事みたいに実感なかった」

3時間前

HALCALIのHALCAをインタビュー。飾らず自然体で受け応えする姿が印象的でした

(写真5枚)

2025年、日本で2003年にリリースされたある曲が世界的リバイバルヒットを記録したことをご存知だろうか。春頃から海外で急速に数字を伸ばし始め、TikTokは55億回再生、Spotifyでは6000万回再生を突破している(2月11日時点)。

22年越しという月日にも驚きだが、同曲がシングルカットされていないと聞けば、このヒットがいかにすごいことなのか想像に容易いだろう。今世界中で聴かれているその曲とは、HALCALIの『おつかれSUMMER』だ。

HALCALIは、小学生の頃同じダンススクールに通っていたHALCAとYUCALIで結成されたガールズヒップホップユニット。RIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAによるO.T.F(オシャレ・トラック・ファクトリー)が全面プロデュースし、2003年に『タンデム』でメジャーデビュー。

同年には『おつかれSUMMER』を収録したファーストアルバム『ハルカリベーコン』を発売し、当時新人ヒップホップユニットとしては異例のヒットとなった。

市場ではなかなか手に入りくくなっていたが同アルバムだが、海外でのバズりを追い風に、2026年2月11日にCDが再販、さらにはアナログレコード盤も発売された。

世界規模でバズったことやアルバムへの思い、またファンも気になる2人の現在とこれからについて、HALCALIのHALCAに話を聞いた(取材・文/佐々木早貴)。

■ 突然、世界で大バズり! そのとき当の本人たちは…

──まずは『おつかれSUMMER』が世界でバズっていることを知った経緯とその時の心境を聞かせてください。

昨年の春ごろに当時所属していたレーベルから連絡があったんです。データ分析していたら海外で『おつかれSUMMER』の数字にすごい動きがある、バズってると。

とはいえ、その時はあまり実感がないというのが正直なところで、海外でも聞いてもらえててうれしいなぐらいの感覚でした。自分でバズりを実感したのは、SNSを開いた時にパッと出てくるようになった時ですかね。あ、ほんとだったんだみたいな。

──その時、YUCALIさんと連絡は取り合いましたか?

はい。普段から頻繁に連絡は取っているので、自然な流れで話題にはなりました。お互いに「なんかすごいよね〜」ってちょっと他人事みたいに(笑)。2003年の曲が、今こうやってたくさんの人に聞いてもらえているんだな、と。

──シングルカットされていない曲がバズる、というのもすごいですよね。ちなみに、何がきっかけでバズったのでしょうか。

海外で『おつかれSUMMER』を使ったアニメーション動画が人気になって、そこから徐々に曲の再生回数が伸びていったと聞いています。シングルとして発売した曲ではないので、アルバムを知ってくれていたのか、たまたま聴いて見つけてくれたのか…びっくりですよね。

私も動画を見たんですが、面白かったのはサビ以外の部分が使われていたこと。なんとなく日本人的な感覚だと、サビを使いたくなるじゃないですか。

でも動画を見てみると、「かまって かまって かまって 私にかまって」や「どーってこたないって 大丈V」の部分が使われてたりするんですよ。海外の人たちは音の響きとかを面白がってくれたのかなと思ったりもします。

なにわ男子やNiziU、OCTPATHら人気アーティストも『おつかれSUMMER』で踊ってみた
なにわ男子やNiziU、OCTPATHら人気アーティストも『おつかれSUMMER』で踊ってみた

──同曲はFPM(Fantastic Plastic Machine)の田中知之さんがプロデュースされた曲ですよね。歌詞の中には「しっかりつないだ手と手」「ほら私に口づけ」とか、中学生が歌うにしては結構色っぽい歌詞だなと思ったのですが、当時お二人は意味を理解して歌っていたんでしょうか。

まったく(笑)。ほんとにただ歌って踊ってが楽しくて、学校帰りにスタジオ寄ってお菓子食べてレコーディングしてみたいな感じでしたから。深く考えてなかったと思います。今思えば、そういう大人びた歌詞を中学生が楽しそうに歌っているギャップもよかったのかな〜なんて思ったりします。

でもやっぱり『おつかれSUMMER』がまたこうやってたくさんの人に聴かれているのは、楽曲が色褪せていないからだと思うんです。RIP SLYMEのRYO-ZさんやDJ FUMIYAさん、FPMの田中さんとか、すごくプロフェッショナルでクリエイティブな方たちに囲まれて歌っていたんだなと改めて思います。関わってくれたみなさんには感謝しかないです。

デビュー曲の『タンデム』

■ アルバム通して「ゆるっと楽しみながら聴いてもらえたら」

──再発売されることになった『ハルカリベーコン』の中で、特に思い入れのある楽曲はありますか?

うーん、どれかな…『スタイリースタイリー』もいいし、『Peek-A-Boo』もいいし…全部良くて選べないかも(笑)。『ハルカリベーコン』はファーストアルバムなので、やっぱり一番HALCALIらしさが色濃く出ている一枚なんです。この曲がと言うよりも、アルバム全体の流れが本当にいいので、最初から最後まで楽しみながら聴いてもらえたらなと思います。

2026年2月11日に発売された『ハルカリベーコン』
2026年2月11日に発売された『ハルカリベーコン』

──2025年に開設されたHALCALI公式YouTubeでは、ミュージックビデオも公開されていますが、ご自身でもご覧になりましたか?

もちろん見ました。『おつかれSUMMER』は新作ですが、当時制作したミュージックビデオは私たち中学生で声も顔も幼いし、最初は気恥ずかしさもあったんですけど、すでにそのフェーズは通り越して、「かわいいね〜」ってYUCALIちゃんとも話したりするくらい、今はもう“ど〜ぞど〜ぞ”って感じの自信作ばかりです(笑)。

2003年当時の『ハルカリベーコン』MV

──2025年で言うと、音楽&お笑いイベント『コヤブソニック』のTOKYO No.1 SOUL SETさんのステージにシークレットゲストとして登場されましたよね。久しぶりのステージはいかがでしたか?

緊張しました。だけどすごく楽しかったです。出演しようと思ったのは、小籔さんから直接お声がけいただいたというのが大きいです。すごく自然に“楽しそうだからやってみたい”と思えたんですよね。

実際にステージに立つと、小籔さんをはじめ、昔から知るRIP SLYMEやスチャダラパーのみなさんが見守ってくれていて、それに安心感というか心地よさを感じられて。うん、そういう環境だったからこそ、楽しみながらできたというのはありますね。

──HALCALIの魅力って、ダンスや歌声はもちろんですが、お二人がすごく楽しそうにされている姿だと思うんです。言い方を変えると、脱力系と言いますか。それはお二人が脱力しているのではなくて、聞く人を脱力させてくれる力があるなと。

それはうれしいですね。確かに当時も脱力系と言われて、“どこが脱力系なんだろう?”とか自分では思っていたんですけど、今のお話を聞いて、聞く人が脱力してゆるっと聞ける音楽であるなら、すごくうれしいです。

──アルバムが再発売されたことで、HALCALIのこれからが気になっている方も多いと思います。ファンはもちろん、令和でHALCALIの曲に出会った方へメッセージをお願いします。

不確実性の高い時代だけど、音楽にはポジティブな気持ちなれるパワーがあると思っているんです。HALCALIを聴きながら、つい踊ってしまうような、そんな瞬間があればうれしいです。

今後については、特に決まっていることはないんですが、コヤソニで歌ったように楽しそうだなと思えることがあればやっていきたいねと2人で話しています。

現在、大阪市内に住むHALCA。愛車の自転車とともにパチリ
現在、大阪市内に住むHALCA。愛車の自転車とともにパチリ

■ 大阪で子育て中! 一児のママ・HALCA

──少しプライベートなこともお聞きしたいのですが、HALCAさん今大阪に住んでいらっしゃいますよね。

そうです、2020年頃からですかね。東京と大阪の2拠点生活だったんですけど、コロナ禍で移動が制限されるようになり、仕事はリモートが急速に広がっていったこともあって、2拠点じゃなくてもいいかなということで。結婚や出産も一つの理由ではあるんですが、いろんなタイミングが重なって、大阪にやって来たという感じです。

──HALCALI以外の活動としては、どんなお仕事をされているんでしょうか。

今はホテルの飲食部門で働いていて、インバウンド増加による食の多様なニーズに対応するためにヴィーガンメニューの開発などに携わっています。春からは新しい場所でもメニュー開発をすることになって。

ヴィーガンはアニマルウェルフェアや健康志向だけじゃなくて、気候変動対策などの環境問題にも良い影響があるんですが、食は1日3回の投票行動とも言われるように、誰もが食を通して社会にアプローチできる身近な取り組みでもあるので、丁寧に向き合っていきたいなと思っています。

HALCALIとして「楽しそうだなと思えることがあればやっていきたい」と話すHALCA
HALCALIとして「楽しそうだなと思えることがあればやっていきたい」と話すHALCA

──HALCAさんは大阪、YUCALIさんは東京ですが、HALCALIの仕事以外でも定期的に会っていますか?

会いますね。私の実家が東京なので、帰省が決まれば実家に連絡するのと同じタイミングで、YUCALIちゃんにも連絡します(笑)。東京にいる時は頻繁に遊びますし、お互い子どもがいるので、みんなで出かけたりしています。

──小学生のときに出会った2人が歳を重ねても、昔と変わらない関係でいられていること、すごく素敵だなと思います。

幼馴染であり、仕事のパートナーでもあり、不思議な存在ですよね。自覚なかったんですが、多分私たちみたいな関係を親友というんだろうなと最近気づきました(笑)。これからも2人で「楽しそうだね!」「やってみたいね!」を続けていけたらと思います。

話題の『おつかれSUMMER』やデビュー曲『タンデム』を含む全12曲を収録したHALCALIファーストアルバム『ハルカリベーコン』は2月11日にCDが再発売。本作に合わせてオフィシャルグッズの販売も決定。詳細はHALCALI公式インスタグラムにて。

写真/Lmaga.jp編集部

「ハルカリベーコン」

2026年2月11日発売
〈収録内容 LP〉
A-1. intro. HALCALI BACON
A-2. タンデム
A-3. ギリギリ・サーフライダー
A-4. 嗚呼ハルカリセンセーション
A-5. おつかれSUMMER
A-6. ハルカリズム “CANDY HEARTS
B-1. Conversation of a mystery
B-2. Peek-A-Boo
B-3. Hello, Hello, Alone
B-4. スタイリースタイリー
B-5. エレクトリック先生
B-6. 続・真夜中のグランド

〈収録内容 CD〉

01. intro. HALCALI BACON
02. タンデム
03. ギリギリ・サーフライダー
04. 嗚呼ハルカリセンセーション
05. おつかれSUMMER
06. ハルカリズム “CANDY HEARTS
07. Conversation of a mystery
08. Peek-A-Boo
09. Hello, Hello, Alone
10. スタイリースタイリー
11. エレクトリック先生
12. 続・真夜中のグランド

  • LINE

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

人気記事ランキング人気記事ランキング

写真ランキング

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本