ヘブン、そしてトキと錦織も泣いた…思わずこぼれた「心からの涙」とプロポーズシーン裏側

2026.1.5 08:15

『ばけばけ』第66回より。「通りすがり」として世界中を転々としてきたヘブン(トミー・バストウ)が、居場所を見つけた(C)NHK

(写真4枚)

2026年が明けて1回目となる連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合ほか)第14週「カゾク、ナル、イイデスカ。」の第66回が放送され、ヘブン(トミー・バストウ)があらためてトキ(髙石あかり)に愛を伝えた。

日本滞在記の最後の取材のため、ヘブンは錦織(吉沢亮)とともに出雲大社に近い杵築の海岸を訪れていた。遅れてトキも到着する。ヘブンが呼び寄せたのだ。

宿に着いて3人で語らうなか、ヘブンは、滞在記のラスト・ピースとなる怪談を語って教えてくれたトキと、松江に来てからずっと陰日向になり支えてくれた錦織に感謝する。しかしトキも錦織も、滞在記が完成すればヘブンは松江を離れると思っていたのだ。

■「ズット、トナリ、イサセテクダサイ」

年末に放送された第65回のラストシーンでは、ヘブンとトキが夕暮れの宍道湖へ散歩に出かけ、手をつなぐ姿が映し出された。

「言葉に頼らない」ふたりの気持ちの表現の答え合わせをするかのように、第66回ではヘブンが思いの丈を言葉にして、トキに語りかける。

ヘブンは松江に残りたいと話し、トキに向かって「ズット、トナリ、イサセテクダサイ」と言う。予期せぬヘブンの「プロポーズ」に、トキは涙ぐむ。ヘブンも泣いていた。このシーンをチーフ演出の村橋直樹さんに振りかえってもらった。

『ばけばけ』第66回より。(C)NHK
『ばけばけ』第66回より。杵築の旅館で、ヘブン(トミー・バストウ)はあらためてトキ(髙石あかり)と錦織(吉沢亮)に感謝の言葉をかける(C)NHK

■ ヘブンの役を深く追求「心からの涙がほろっと」

ヘブンもトキも、台本のト書きに「泣く」と指定はされていなかったという。村橋さんは、「もちろん僕ら演出が現場で『さあ、泣きましょう』とは言わないのですが、あのシーンではトミーさんが自然に涙をこぼしていました」と語り、こう続ける。

「ヘブンのこれまでの人生を噛みしめたうえで、出し切る芝居をしてもらいました。あのシーンではトミーさんが、ヘブンとしては珍しく、とても怖がっているお芝居をしていたんです。

『通りすがり』として世界各地を転々として、一度も居場所を見つけられなかったヘブンが、トキとめぐり逢った。

トキのことは大事だけれど、自分がここにいることでまた(シンシナティの頃のように)悪いことが起こらないだろうか、失敗しないだろうか、という怖い気持ちも強い。そんなヘブンが『私がここに存在してもいいですか?』とトキに問う、大事な場面でした。

トミーさんは、他のシーンではほとんど泣くお芝居をしていないんです。ラフカディオ・ハーンについてものすごく研究して、深く役作りされてきた方ですから、『イテモ、イイデスカ?』という言葉が出たときに、本当に心からの涙がほろっとこぼれたのかなと思います」。

『ばけばけ』第66回より。(C)NHK
『ばけばけ』第66回より。「ズット、トナリ、イサセテクダサイ」。あらためてトキ(髙石あかり)にプロポーズをするヘブン(トミー・バストウ)(C)NHK

■ 14週はヘブンが存在理由を自問するターン

「ズット、トナリ、イサセテクダサイ」という、ヘブンらしいプロポーズの台詞について村橋さんは、「前段の第11週でヘブンの過去を回想して、第12週で怪談を通じてヘブンとトキが惹かれあって・・・という流れを経て、ふじき(みつ彦/脚本家)さんのなかでとても自然に出てきた言葉なのだと思います。

ふたりが気持ちを確かめ合った第13週で、ある意味『恋愛編』は帰結した。第14週で、ヘブンの人生の振りかえりと、彼の存在理由への自問みたいなところを掘り下げる局面にふさわしい台詞でした」と話した。

■ 自分のテイク以外でもずっと泣いていた髙石あかり

また、ヘブンの言葉を受けるトキを演じた髙石あかりの撮影現場での様子についても明かした。

「旅館のシーンは、カメラが回る前の時間も大切にしたかったので、スタッフ全員で静かに、丁寧に準備をして、俳優さんたちに気持ちを作ってもらいました。

トミーさん、髙石さん、吉沢さんの3人には一緒にお芝居をしてもらっているのですが、ヘブン、トキ、錦織、それぞれのカットは、テイクを完全に分けて撮っています。

『今から撮るカットで、カメラはあなたにしか向けていませんよ』という具合に。髙石さんは自分にカメラが向いていないときでも、全部のテイクで泣いていました。撮り終わったらもう、涙も枯れ果てていたぐらい(笑)」。

『ばけばけ』第66回より。(C)NHK
『ばけばけ』第66回より。日本滞在記が完成すれば、ヘブンは松江を去るのだと錦織(吉沢亮)は思っていた(C)NHK

■ 錦織は泣くシーンではないのに…

ヘブンからトキへの「涙のプロポーズ」の一部始終に立ち会っていた錦織がトキにハンカチを差し出すくだりや、ふたりだけの世界に「当てられっぱなし」という表情も絶妙だった。村橋さんは、演じた吉沢亮の様子についても振りかえり、

「吉沢さんはああいう役が本当に上手ですよね。錦織がハンカチを差し出すことは台本のト書きに書かれていましたが、もしトキがあそこで泣かなければ、出さなかったでしょう。

『ばけばけ』の出演者みなさんに言えることですが、『台本に書かれているからやります』という役者さんはひとりもいらっしゃらないので」と村橋さん。

さらに、「あの場は錦織が泣くシーンではなかったのですが、撮り終わった後に吉沢さんが『もう、みんな泣くからつられて泣いちゃったよ〜』と言っていました(笑)。みなさん本当に、それぞれの人物の気持ちの動きにしたがって、演じてくださっています」とコメントした。

第66回のラストシーンで、トキは何か大事なことを思い出したようだ。明日放送される第67回では、松野家の面々を巻き込んでひと騒動が起こるという。

取材・文/佐野華英

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