「バケモノになる」…お笑いコンビ・華山、強烈キャラクターとネタ作りへのこだわり

23時間前

お笑いコンビ・華山(左からやすい、にこらす:Lmaga.jp撮影)

(写真9枚)

2019年『第40回ABCお笑いグランプリ』で優勝を果たし、2023年には『M-1』で敗者復活戦まで進んだ華山。にこらすの強烈なキャラクターとやすいの飄々としたボケが癖になる実力派コンビだ。2025年『M-1』ではキラーワード満載のネタで笑いを取るも、敗退。「あと一歩」が続いている現状を、2人はどのように感じているのか。(取材・文/田辺ユウキ)

■ 「みなさんに”バケモノ”と思われたい」(にこらす)

旧コンビ名はエンペラー。2022年に「華山」へ、個人名も安井祐弥→やすい、にしやま→にこらすに改名した(Lmaga.jp撮影)

──『M-1』準々決勝の感触はいかがでしたか。

やすい:準決勝に行ったときに比べたら「足りないな」って。終わってから一瞬でも「あれ?」となったら『M-1』は勝ち進めないですね。

にこらす:私もダメやと思いましたね。序盤はお客さんに受け入れてもらえている感覚があったんですけど、肝心の“本編”はウケている感じがなくて、なんか“ガワ”だけというか…尻下がりになった気がしました。気持ちいいウケを取らないと準決勝には進めない気がしますね。

「賞レースの予選で受け入れられてるっていう感覚は、年々大きくなっています」とやすい(Lmaga.jp撮影)

──でも準々決勝のネタは前半、にこらすさんのキャラが目立ちますけど、後半に差し掛かってやすいさんのヤバさが明らかになっていきます。あの“転調”がすごい。でも中には、にこらすさんのあの強烈なキャラクターで押し切ってほしいと思う人もいそうですね。

にこらす:私も「やすいさんの方がヤバい」となる瞬間が、すごいと思っていて。私は基本的に話を転がすことをイメージしてネタを作るんです。ネタで私が一辺倒になって、ただ私が変なヤツってだけの4分間って味気ないと思うので…。なにより私はツッコミさん。なので、ボケさんのことをより「変だ」というものを見せたいんです。

ライターにネタを「映画をみている感じで…」言われ、「ありがとうございます!フィルム芸人!」と反応するにこらす(Lmaga.jp撮影)

やすい:でも立場が逆転するところは、見た人によってやっぱり意見が変わるよな。周平さん(周平魂/ツートライブ)は「最後、にこらすがまともやん」って言ってたし。にこらすが変な人って形で押し切って、「おもろい、もっと欲しい」で進むのを見たいという人も多かったと思います。

にこらす:確かに今は、強いキャラクターを作ってそれで押し切るネタが多いですけど、私はやっぱり、ボケはやすいさん、私はツッコミという形で、ネタに起伏を作って最後はボケに話を持っていきたい。それが、私が考える“漫才”でもあって…。「コンビで変な人はやすいさん」というのを見せたい。

やすい:でも、にこらすは普段から所作とかがめっちゃ変なんです。昔からなんですけど、2人で一緒にいるとき、オナラやゲップがでたら「失礼っ」って必ず言ったりとか。こっちは別になんとも思ってないんやから、わざわざそんな言わんでもええじゃないですか。しかも僕に言っているわけでもない、誰に言ってるか分からないんです。

にこらす:丁寧な暮らしを心がけているからね。ちなみに私にはコンセプトがありまして、みなさんに「バケモノ」と思われたいんです。「何者か分からない」という感覚をおもしろがってもらえたらなって。だからオールバックにしたり、少し昔の感じの格好をして、ネタ中もキャーキャー言ったり…。

「丁寧な暮らししてたら、そんなハゲへんと思うけど…」とボヤくやすいに、「ファニーに走らんといて!今、ボーボーになってんねんから!」とにこらす(Lmaga.jp撮影)

■ 「僕らって忖度とか、色眼鏡とかがゼロ」(やすい)

──『M-1』は2019年以降、準々決勝に6度、準決勝に1度進出しています。毎年あと一歩が足りない状況で。

にこらす:私らって押せ押せのムードじゃないんよね。黒帯さんとか、豪快キャプテンとか、あの感じになれないというか。

やすい:僕らってちゃんと笑かして、“ちゃんとウケてる”んですよ。で、あかんかったら“ちゃんとウケへん”なんです。忖度とか、色眼鏡とかがゼロ。だから劇場での『グランドバトル』もウケたらしっかり順位が上がって、あかんかったらしっかり下がる。

にこらす:あと私らって恐らく、誰かの1番じゃなくて、いつも誰かの3番くらいよね。劇場に来たお客さんが「華山がいてくれたらちょっと嬉しい」と思ってくれたら、ありがたいですけど。

ファンについては「学生の方達も応援してくれてるんですけど、そこから20〜30代がごっそりあいて、主婦の方達とか。親子で来たりとか…」(Lmaga.jp撮影)

──『M-1』に関しては、ラストイヤーまであと2年。焦りなどはないですか。

やすい:焦りはないけど、早く終わらせられるなら終わらせたいです。4分間だけやのに、どんだけ疲れるか…ほんまにしんどいです。『M-1』の時期はガチガチに作り込んだネタを何回もやり続けるので、『M-1』が終わった後の舞台では解放された楽しさがありますね。

にこらす:私は賞レース、好きですね。私の中では2025年に決勝に行く予定で、決勝進出を色濃くイメージできていたんです。今年はダメでしたけど、来年はいけるっていうのはちゃんと持っています。だから焦りはないですね。それに35歳になってヒリつける場面なんて、普段の生活ではなかなかないですから。賞レースがあるから「青春できているな」って。

華山のにこらす(Lmaga.jp撮影)

──そんななか、2025年は大阪を拠点とするたくろうが優勝しました。

にこらす:たくろうはもちろん、豪快キャプテンも決勝へ行ってすごく嬉しかったです。家で『M-1』を観ていたんですけど、2組がせり上がってきたとき感動して…さすがに泣きました。堪えきれませんでしたね。

やすい:後輩の晴れ舞台見て泣いちゃうって、もうおじさんやん。

華山のやすい(Lmaga.jp撮影)

にこらす:今までは『M-1』を観ていたらやっぱり「悔しい」「なんで私たちがここにおらんねん」みたいなのがあったんですけど、ここまで心から楽しめて応援できたのは初めてでした。

やすい:あんな近いところが優勝したから、よりリアルに感じられたというか。僕も赤木とちょこちょこ飲みに行くから、嬉しかったですね。それに今回は大会自体がめちゃくちゃおもしろかった。2024年は令和ロマンの2連覇がすごすぎて、逆になにも考えられませんでした。それがあったから2025年は新しい『M-1』が始まった気がするし、いきなり「すげえ大会やったな」って。

──2026年はそこに華山も加わりたいですね。

にこらす:2025年は私をゴリ押す感じのネタをやってみたんですけど、結果的にうまいこといかなかったなぁって。毎年ネタの感じを変えていますけど、2026年はまたやり方を考えて、「漫才はボケがおもしろい」という原点の気持ちをもっとしっかり見せたいです。私はそのプラスアルファでいいかなって。だから、やすいさんの年になります!

やすい:「全然うまくできませんでした」という可能性もあるとは思いますけど(笑)。ただ2026年は、誰かにとっての1番になりたいです!

「M-1も準々決勝は毎年違うテイストでもってきている」と話す2人。2026年の活躍にも期待!(Lmaga.jp撮影)
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