冒頭2分の急転直下に、SNS悲鳴の嵐…一橋治済に平賀源内が天誅?【べらぼう】

22時間前

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。川の中で、雷に打たれて絶命する一橋治済(生田斗真)(C)NHK

(写真9枚)

横浜流星主演で、数多くの浮世絵や小説を世に送り出したメディア王・蔦屋重三郎の、波乱万丈の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)。12月14日の第48回(最終回)「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」では、入れ替え作戦が成功し、孤島まで護送中だった一橋治済にまさかの天罰が。そして視聴者の誰もが気にしていたあの人の今が描かれるという、まさに総決算といえる展開がつづいた。

■ 一橋治済が途中で脱走…最終回あらすじ

数多くの人間を葬って権力を握った一橋治済(生田斗真)は、松平定信(井上祐貴)らの手によって、密かに阿波徳島に送られていた。治済は途中で脱走するが、川の中で雷が直撃して絶命。

重三郎はそのことを、治済の替え玉となっていた瓜二つの能役者・斎藤十郎兵衛(生田斗真/二役)を訪ねた際に知り、さらに治済の遺体の横には、変わった髷の男がたたずんでいたということも聞いた。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。狂歌を読む吉原の女郎屋の主人たち。写真左から、重三郎の義兄・次郎兵衛(中村蒼)、大文字屋(伊藤淳史)、丁子屋(島英臣)(C)NHK

後日重三郎は、定信に協力していた長谷川平蔵宣以(中村隼人)に、市中のある駕籠屋の前に呼び出される。本が好きだという評判のその店の女将は、重三郎にも平蔵にも縁の深い元花魁・瀬川(小芝風花)だった。

「吉原は蓮の花の咲く泥沼であってほしい」という平蔵の願いを聞いた重三郎は、どんどん風紀が乱れる吉原の定書を作ることを吉原の店主たちに提案し、「新吉原町定書」を作り上げた。

■ 冒頭2分で衝撃の死…雷は誰が落とした?

『べらぼう』が憂いのない大団円を迎えるための、最後の障壁となっていた悪玉・一橋治済。眠り薬を盛って棺に閉じ込めて、阿波徳島の孤島に送り込む・・・というところで前回は終了し、最後に治済の罰ゲーム的な無人島サバイバルを見ることができるのか?

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。用を足すため、縄をほどいてもらおうとする一橋治済(生田斗真)(C)NHK

と思っていたら、なんと護送する武士の隙をついて、一太刀浴びせて逃亡! 放送開始からわずか1分ちょっとの急転直下に、SNSは悲鳴の嵐に。

「一橋卿が大人しく箱詰めされてるわけなかった」「最終回まで人を殺めるのかよー」「おい!! 何してんねんまじで!!!」と絶望する視聴者に対して、さらにあおるかのように「待っておれよ、傀儡ども!」と治済がヴィランらしいセリフを吐いたところで、なんと雷が落ちてきて急逝・・・。いろいろと派手好きな治済にふさわしい、劇的にもほどがありすぎるジ・エンドだった。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。川の中で、雷に打たれて絶命する一橋治済(生田斗真)(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。川の中で、雷に打たれて絶命する一橋治済(生田斗真)(C)NHK

ちなみに、この雷を落としたのは、最初は治済に対して「天は見ている。予は天の一部となる」と忠告を遺した前将軍・徳川家治(眞島秀和)か? という説が。

「徳川家治公が天の一部となり、ついに天誅を加えられた」「人間が赦しても、天は天を驕る者を赦さなかったんだよ。家治様が言ったとおりに」「一橋治済が逃げたら、家斉(城桧吏)が一番気にやみ苦しみそうだから、家治さま『息子に迷惑かけるな!』ドーン! かもしれぬ」などのコメントが。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。一橋治済(写真左、生田斗真)の亡骸の横に佇む、変わった髷の男(C)NHK

しかし、第一発見者の「変わった髷の男がいた」という証言から、SNSは「平賀源内(安田顕)だ!」で大盛りあがり。「あの世でエレキテルを成功させた源内先生が落としたのか?」「まさか源内先生が天然クソデカエレキテルであの巨悪にイカヅチを落とすとは思わなかった」「徳川家治が・・・田沼意次(渡辺謙)・七ツ星の竜が・・・平賀源内・源内軒が、ついに成し遂げた仇討ちだ」「治済さんは、お空にいったら七ツ星の龍と源内軒にねちねちぼこぼこにされたらいいと思う」という、見事な仇討ちを絶賛する声が止まらなかった。

■ 瀬川のその後…同じ女を愛した、鬼平の粋な計らい

治済の完全退場ですっきりとしたところで、ドラマは重三郎の人生の総括モードに。そこで視聴者の心の片隅にしまわれていた「瀬川はどうなった?」問題が浮上した。

重三郎と結ばれるかと思いきや、すねに傷を持つ自分は重三郎の足を引っ張ると判断し、そっと消えた瀬川。同じく瀬川に夢中となり、大金を溶かした「カモ平」こと長谷川平蔵が見つけ出し、幸せに暮らしている姿を確認するという、なんとも粋でハッピーなエンドが待っていた!

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。駕籠屋を切り盛りする女将の後ろ姿(C)NHK

これにはSNSも「え、まじ? このタイミングで瀬川?!」「本好きの女将!! 最終回に・・・こういう形で」「瀬川のその後も描いてくれてありがとう(涙)」「長谷川さまと蔦重、同じ女性に惹かれた者同士、こんな形で瀬川に思いを馳せるシーンが見れるなんて」「ああ、蔦重に瀬川が元気な姿を見せに来てくれて有難う・・・彼女の名を出さず顔も映さない演出が良いですね」「彼等にも視聴者にも僅かに存在したであろう心残りが昇華された気がした」などの感涙にむせぶかのような言葉が続出。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。長谷川平蔵(写真左、中村隼人)に連れられ、駕籠屋にやって来た重三郎(写真右、横浜流星)(C)NHK

そして、史実で平蔵はここから1年足らずで亡くなってしまうので、これぞ人情派の火付盗賊改・鬼平らしい男の花道。

平蔵に対しても「瀬川にカモられて始まったカモ平が、最後に瀬川を探してくるところマジ最高おぶ最高」「蔦重の良き理解者として最終回までご存命、ほんにありがた山」「最初のカモ平から鬼平になり、そして最後には酸いも甘いも噛み分け人情を解する侍、長谷川平蔵になったの本当に感慨深い」などの声が上がっていた。

■ 王道時代劇を色濃くした、2人の立役者

重三郎が住む町人の世界とともに、武家・幕府という別世界を並行して描く形となった『べらぼう』。そのなかでも、正義の人が巨悪と戦って最後に勝つという、王道の勧善懲悪時代劇色を濃くしたのが、一橋治済と長谷川平蔵宣以だった。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第39回の場面より、長谷川平蔵(写真左、中村隼人)。第28回の場面より、一橋治済(写真右、生田斗真)(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第39回の場面より、長谷川平蔵(写真左、中村隼人)。第28回の場面より、一橋治済(写真右、生田斗真)(C)NHK

この2人の退場が最終回まで引っ張ることになるのはちょっと予想外だったが、一人は全視聴者の期待通り天罰を受け、もう一人は視聴者の抱えた疑問を見事に解決して去っていくという、最後まで対照的なキャラクターだった。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第48回(最終回)より。駕籠屋の女将を遠巻きに眺める長谷川平蔵(中村隼人)(C)NHK

中村隼人、NHKの時代劇ではすっかりおなじみとなり、大河ドラマの出演は今後もありそうだけど、やはり一度歌舞伎の舞台で観ていただきたいもの。現在京都の「南座」で上演中の『吉例顔見世興行』にも出演中なので、気になる方はぜひ。

そして斎藤十郎兵衛と治済の演じ分けが圧巻だった生田斗真も、そろそろ誰にも嫌われないキャラクターを大河ドラマで振ってほしい・・・(笑)。

次の大河ドラマ『豊臣兄弟!』は1月4日からスタート。仲野太賀演じる豊臣秀長を主人公に、兄・豊臣秀吉(池松壮亮)とともに戦国の世を駆け抜け、立身出世を果たす姿を描いていく。NHK総合で毎週日曜・20時から、NHKBSは18時から、BSP4Kでは12時15分から放送される。

第1回『二匹の猿』では、百姓として平穏に生きる小一郎(のちの豊臣秀長)のもとに、織田信長(小栗旬)の家臣となった兄・藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が現れ、武士の世界に引き込もうとするところを、15分拡大版でお送りする。

文/吉永美和子

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