京都・よーじやが掲げる「脱観光依存」…リブランディングを経て目指す先は?

3時間前

新たな「よじこ」は、これまでの手鏡から飛び出した全身デザイン(2025年3月撮影)

(写真6枚)

あぶらとり紙などのコスメ販売や飲食業を展開し、今春にリブランディングした「よーじやグループ」(本社:京都市下京区)。「おみやげの店」から「おなじみの店」への転換として、11月26日には、新業態となる京都産の素材を使った「地産地消」がテーマのダイニングを開業し、より地元を盛り上げる存在をめざす。

■ 企業スローガンは「みんなが喜ぶ京都に」

「SNSでは多くの批判の声もありました」と、今年3月のリブランディングを振りかえった代表取締役の國枝昂氏。あぶらとり紙でおなじみの手鏡に京女性が映り込んだロゴを60年ぶりに刷新し、さらに京女性を現代風ワンピース姿に進化させた企業キャラクター・よじこを発表したことで、大きな話題となった。

代表取締役の國枝昂氏(11月19日 Lmaga.jp撮影)
代表取締役の國枝昂氏(11月19日 Lmaga.jp撮影)

「リスクを取ってでも、発展していくために」と実行した背景には、あぶらとり紙が認知されているゆえの「観光客向けの土産」の印象が強い=地元に寄り添えていないとの危機感があったという。そこで「脱観光依存」を掲げ、より身近に日常づかいできる物販・飲食のライフスタイルブランドへ転換を図ることに。

核となる企業スローガンは「みんなが喜ぶ京都にする」。そんな象徴となりそうなのが、今回の新たな飲食店「26(にーろく)ダイニング」で、店名の26は京都府の市町村の数を表し、まさに京らしさ全開の料理や空間を提供。「京都の生産者さんとつながるお店」を掲げ、府内から厳選した野菜や肉・魚を使った料理、地酒などを豊富に揃え、まだ知られていない各地の魅力を発信する狙いだ。

木がふんだんに使われた店内は、カウンター8席、奥にはテーブル14席、個室10席も(11月19日 Lmaga.jp)
木がふんだんに使われた店内は、カウンター8席、奥にはテーブル14席、個室10席も(11月19日 Lmaga.jp)

「誰のためのブランドなのか」模索したという國枝氏は、「飲食の業態なら地域に根づいた生産者さんとお客さんが繋がることができ、企業理念を伝えていけるお店になるのでは」と出店を決意。「生産地へ足を運んでもらうきっかけになったり、京都全体を盛り上げていけたら」と呼びかける。

単品料理は200円ぐらいから日替わりで楽しめ、写真の肉料理は京都府丹波町「岸本畜産」による「京丹波ぽーくとざぶとんの味噌だれ蒸し」(11月19日 Lmaga.jp)
単品料理は200円ぐらいから日替わりで楽しめ、写真の肉料理は京都府丹波町「岸本畜産」による「京丹波ぽーくとざぶとんの味噌だれ蒸し」(11月19日 Lmaga.jp)
各テーブルにある『生産者さんとつながるブックレット』では、食材や酒類の生産者の思いや生産過程を紹介(11月19日 Lmaga.jp)
各テーブルにある『生産者さんとつながるブックレット』では、食材や酒類の生産者の思いや生産過程を紹介(11月19日 Lmaga.jp)

また、昼と夜で営業内容を変え、昼は地元客やオフィスワーカーらがカジュアルに楽しめるよう、同社が2022年に立ち上げた「十割蕎麦専門店 10そば」の3店舗目が同日オープン。国産そば粉を使った風味豊かな十割そばをワンコインから味わえる。同社は来年度中にも飲食部門以外での、新たな事業展開を考えているという。

入口付近の京都府マップには、店で使われている各食材などの生産地が記されている(11月19日 Lmaga.jp)
入口付近の京都府マップには、店で使われている各食材などの生産地が記されている(11月19日 Lmaga.jp)

おでんやせいろ蒸しなど京都の海・山・里の恵みがテーマの「26(にーろく)ダイニング COCON KARASUMA店」は「COCON KARASUMA」地下1階。営業時間は15時~23時(22時L.O.)。日曜休み。「十割蕎麦専門店 10そば COCON KARASUMA店」営業時間は11時~15時(14時30分L.O.)、日曜は~17時(16時30分L.O.)。

取材・文・写真(一部)/塩屋薫

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