紅葉見頃で京都のバス混雑がスゴい…知っておきたい、無料振替サービス

3時間前

観光特急バスEX100号系統

(写真3枚)

京都を走る「京都市営バス(通称:市バス)」といえば、金閣寺や清水道、下鴨神社など有名スポットにアクセスできる観光に欠かせないバスだ。大学が多い都市ということで通学・通勤の交通手段としても活躍している市バスだが、昨今の観光客の増加に伴い一部の区間・時間帯での混雑具合が年々増している。

特に観光シーズンとなるとそれなりの覚悟が必要となるほどだが、今年のGW期間中、SNS上でとある投稿が話題に。それは市バス利用者があまりに多いため、市バスから地下鉄に無料で乗り換えられる「振替乗車票」が配布されていた・・・というものだ。

筆者も京都にはよく足を運ぶが、観光シーズンは避けがちなためそんなシステムの存在は初めて知った。市バスの利用状況や振替システムを知るべく、市バスや地下鉄を運営する「京都市交通局」(京都市右京区)に詳しく話を訊いた。

■ 昨年度から増加している市バスの利用者数

同局によると、2025年のGW期間における市バスの利用者数は1日あたり約31.2万人で、やはり昨年度と比較すると若干増加しているようだ。そのため京都駅などの鉄道駅と観光地を結ぶ市バスや、観光地間を結ぶ一部区間・時間帯で市バスに乗客が集中し、スムーズに利用できない事態が発生したという。

そもそも、京都の混雑はここ最近始まったわけではない。今回話題となった市バスから地下鉄への「無料振替サービス」も、東山方面が平成17(2005)年5月、金閣寺方面が平成30(2018)年5月から実施しているものだ。

市バスと地下鉄の振替乗車券(見本)
市バスと地下鉄の振替乗車券(見本)

乗車票はいずれもGWや秋の観光シーズンなど混雑が予想されている時期に発行され、各観光地から京都駅にバスで向かう乗客に対して、午後から夕方の時間帯に地下鉄への無料振替をおこなうというもの。

「輸送力の大きい地下鉄をご利用いただくことで、バスの混雑を少しでも緩和する目的でおこなっております」と同局。さらに東山方面に関しては、桜の開花時期に合わせ令和6(2024)年春から実施期間を拡充している。

また、バスを利用するのは観光客だけではない。地元住民の交通手段や会社・学校の通勤・通学で利用する人も多い。同局では、市民生活と調和した「持続可能な京都観光」に向けた市バスの混雑対策として、観光特急バスや臨時便の運行などさまざまな取り組みを展開していくという。

スムーズな乗車のため、バス内でなく乗り場で精算するなど対策も(京都河原町駅、高島屋前あたりにて/Lmaga.jp撮影)
スムーズな乗車のため、バス内でなく乗り場で精算するなどの対策も(京都河原町駅前にて/Lmaga.jp撮影)

■ 2025年の秋は、土日祝に2カ所で実施

1カ所目は東山三条停留所で「振替乗車票」を配布、地下鉄東山駅から京都駅の区間で乗車することができるというもの。2カ所目では金閣寺道停留所で「乗車証明書」を配布、地下鉄北大路駅から京都駅で乗車できる。いずれもバス運賃を支払っていれば、地下鉄の運賃は不要となる。

同局は「観光シーズンには臨時バスを多数運行する予定ですが、お客さまが集中する時間帯については、車内混雑や道路の渋滞などにより、どうしても目的地まで時間がかかることが予想されます。便利でお得な『地下鉄・バス1日券』も販売されていますので、地下鉄をはじめとする電車とバスを組み合わせた利用で、スムーズな観光をお楽しみください」と呼びかけている。

紅葉が見頃となってきた京都、これから更なる混雑が予想される。バスだけではなく、電車も交通手段に取り入れていきたい。

取材・文/つちだ四郎

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