予約倍率30倍!大阪で開催、日本最大級の建築イベントの人気企画に密着

夜の大丸心斎橋店をめぐる建築ツアーに密着しました(10月20日/大丸心斎橋店本館)
いまも実際に使われている、魅力ある建物「生きた建築」をめぐる、日本最大級の建築イベント『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(イケフェス大阪)2025』が、10月25日と26日をメインに開催される。これに先立ち、10月20日にプレイベントとして開催された、「大丸心斎橋店本館」(大阪市中央区)を建築家の解説付きで見学する、スペシャルツアーに密着した。
◆ 御堂筋拡張、地下鉄開業…大阪は東京を凌ぐ大都市に。「大大阪時代」のレトロ建築たち

大阪のまちには、大正から昭和に建てられたレトロ建築が数多く残る。特に、都市の近代化が大きく進んだ「大大阪時代」に建てられた建物には、施主や建築家のこだわりが詰まった建物が多い。普段は事務所や店舗などに使用されている建物が特別公開され、一般の人も見学できるイベントが、この『イケフェス大阪』だ。

2014年から開催されている同イベントは、所有者の協力のもと基本的に無料で公開。「いつも気になっていたあの建物の内部が見学できる貴重なイベント」として、建築関係の人はもちろん、一般の人にも大人気となっている。
◆ 倍率約30倍!ラッキーな建築好きの集まる「大丸心斎橋店本館」特別ツアー
2025年に用意されているプログラムはなんと203件。ほとんどの建物がイベント開催日時に見学が可能だが、事前申込(抽選)が必要なプログラムが一部ある。
今回紹介する「大丸心斎橋店本館」を見学するスペシャルツアーは、抽選対象のプログラムのなかでも「なかなか当たらない」と言われている、特に人気の高いプログラム。今年は定員15名の枠に、395組の申し込みがあったそう。

本プログラムで、建物の解説をおこなうのは、近畿大学教授で『イケフェス大阪』事務局長の髙岡伸一さん。戦後ビルの魅力を発信する集団「BMC(ビルマニアカフェ)」などユニークな活動で知られる。

今回のスペシャルツアーは、本館5階のヴォーリズ建築のコンセプトカフェ「サロン ド テ ヴォーリズ」からスタートする。まず、同百貨店の歴史、建築的な価値、建て替えの工夫などを、スライドとともに髙岡さんが解説。

「大丸心斎橋店本館」は、日本に多くの建築を残したアメリカ出身のウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計で、1933年に建てられた。その後、百貨店としての魅力アップや増床のため、ヴォーリズ建築の外壁や装飾をできるだけ残して、2019年に建て替えられた。そのような経緯や、最新の保存技術などに、参加者は熱心に耳を傾ける。


こうして、予習バッチリとなった一行は、店内ツアーへ。地震対策のために残された外壁が3層に切られている箇所や、90%が残された外壁のスクラッチタイルの落下を防ぐためにうたれたピン、復原された内装装飾など、各ポイントに足を運んで、高岡さんの解説箇所を実際に自分の目で、確認していく。


途中には、新築部分のヴォーリズのモチーフをデザインしたスクリーンの裏にある、普段は立ち入ることができない「避難通路」を歩いての見学も。見慣れた景色を、裏側から見るという激レア体験だ。



また1階の売り場の天井や、エレベーターホール周りの装飾、エントランスなども、閉店後で人がいない分じっくりと見学できる。参加者たちは熱心に写真を撮ったり質問したりして、ツアーを楽しんでいた。

これまで5年以上連続で本ツアーに応募して、今年やっと念願の参加が叶った女性に話を聞いた。「人気のツアーなので、今年も当たらないんだろうな…と思っていたら、まさかの当選の連絡がきて、本当にびっくりしました。私は建築の専門家ではないんですけど、今回こうしてしっかりと説明を聞くと、今まで素通りしていたところも、違って見えてきますね。建物にも愛着も湧くし、とてもおもしろかったです」と、貴重な体験に満足した様子だった。

なお、大丸心斎橋店には、エレベーターホールはじめとする素晴らしい装飾、6階の休憩室に展示された手書きの設計図など見どころがたくさん。今回のようなツアーでなくても、楽しめる場所が複数あるので、訪れた際にチェックしてみては。

◆ 『イケフェス大阪』メインイベントの開催は10月25日、26日に!
『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(イケフェス大阪)2025』のメインイベントの開催は、10月25日、26日の2日間。大阪市内を中心に各所で開催。参加費は無料。(一部のプログラムは有料)各プログラムや参加方法などの詳細は公式サイト、または公式ガイドブックにてご確認を。

なお、今年は公式ガイドブックの他に、オリジナルTシャツやトートバックなども登場し、当日販売を行う予定。インフォメーションセンター(大阪市役所本庁舎1階正面玄関ホールの特設会場)で販売予定で、開設時間は、10時~17時(26日は16時まで)。
取材・文・写真/太田浩子
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