海外VIPが歓声「大屋根リングのデザート」万博「迎賓館」料理初公開

個人的にも訪れるほど万博が好きになったという「リーガロイヤルホテルグループ」大阪・関西万博事業推進室・料理長の渡部玲さん(10月15日/大阪・関西万博/Lmaga.jp撮影)
『大阪・関西万博』閉幕後の10月15日、メディアに初公開された「迎賓館」。公式マップに記されていない会場内の「幻の施設」は、「日本の美」が凝縮された和モダンな空間で、数多くの国内外の賓客を迎えてきた。さらに、午餐会や晩餐会で提供された華麗な料理にも、趣向を凝らした「万博らしさ」が詰まっていて…。渡部玲料理長に、メニュー開発秘話や、世界の賓客からの反応など、詳しく聞いた。
■ 各国ロイヤルファミリーや、大統領、首相ら続々と…日本ならではのおもてなし

エントランスから各部屋をつなぐ回廊と中央の円形池が印象的な同館は、万博の象徴・大屋根リングを設計した建築家・藤本壮介氏がデザイン監修。

日本の皇族をはじめ、「ナショナルデー」「スペシャルデー」などで、世界中から訪れた国王、大統領、首相ら賓客を接遇するために半年間で165回使用され、呈茶のおもてなしや盆栽、和紙・織物アート展示など、日本文化の発信にも貢献した。


■ 赤色に包まれる特別なダイニングルーム

「迎賓館」は万博内東ゾーンのEXPOナショナルデーホール「レイガーデン」に隣接し、関係者のみが立ち入れるエリアにある。「レイガーデン」とは、渡り廊下でつながっており、公式式典の前後は、各国の代表団らが、この迎賓館で過ごすことになる。

式典を終えた賓客が午餐会・晩餐会のために訪れるのが、オーダーメイドのテーブルと椅子が備えられ、最大30名まで利用できる「ダイニングルーム」。日本国旗に使われている赤色を基調とした壁や絨毯のラグジュアリーな空間が広がり、円形にくり抜かれたような格子デザインの天井も、大屋根リングを彷彿とさせる。

■「和洋折衷」などの4種の料理も、万博をイメージ

このダイニングは「ロイヤルホテル」(本社:大阪市北区)が運営し、各国の文化や宗教などに配慮した洋食コース、和洋折衷、日本料理「なだ万」による懐石コース(夜)と、弁当スタイル・松花堂(昼)の計4タイプを用意。料理は各国代表団の事前希望に合わせ、1番多く提供したのは「和洋折衷」だったという。


その和前菜は、万博に集う世界の人々とのつながりをイメージし、日本食材と洋食の調和を意識した合鴨ロースの照り焼きや、寿司など6品で彩られた一皿。また、メインの「黒毛和牛フィレ肉のポワレ」は、能登や日本各地の野菜が添えられ、日本の恵みが感じられるスタイルに。


■ 1番人気は会場全体を再現した「大屋根リング」×「ミャクミャク」な特製デザート

こちらのキッチンで5名のスタッフと調理を担当した「リーガロイヤルホテルグループ」大阪・関西万博事業推進室の渡部玲料理長によれば、メニューを考え始めたのは万博開幕の約1年前。「その頃は、まだ万博の情報があまりなくて、難しかったですね。分かりやすいのが、『大屋根リング』と公式キャラクターの『ミャクミャク』だけだったので…」と苦労を振り返る。しかし、そんな中で作り出されのが、万博感を盛り上げる、愛らしい特製デザートだ。

「大屋根リング」をイメージした円形ムースの上に、「ミャクミャク」の目のようなチョコを乗せ、下部には「ウォータープラザ」(万博内南側にある水のエリア)を再現した。春はイチゴ、夏は抹茶&マンゴー、秋はイチジクと、季節毎に果物を変える工夫も。閉幕日10月13日には「最後なので、万博らしい、赤と青をぜひ使いたかった」と、スペシャルな1日限定デザートも登場した。

渡部さんは「実は、このデザートが1番好評でした」と笑顔を見せ、デザートは蓋をした状態で、運ばれ、ゲストの前で蓋を開けた瞬間の歓声が、調理場まで聞こえてきたこともあったそう。さらに、「この仕事でうれしいのは、やはり完食してくれた、きれいなお皿が戻ってきた時ですね」。

とは言え、賓客を迎える重要な場では苦労も多く、ホールでの式典の終了が延びた際などは、食事時間が削られ、時間調整を余儀なくされることも。文化や宗教にも配慮した提供が求められ、入念に事前準備をしていても、当日の提供後にゲストの志向などにより、食べられない食材が判明し、すぐに別の食材に変えることも。そうして、毎日を臨機応変に乗り切ったそう。

「ホテルでも宴会はありますが、さすがに毎日ではない。連日このようなご提供が続く、というのは初めての経験で、緊張感がありました。でも、今ではすっかり万博が好きになりました」と、貴重な体験を振り返った。

報道公開されると同時に、SNS上では、「一般公開してほしい!」という声も多数上がっているこの「迎賓館」。閉幕後は更地にして大阪市へ返却するため、今度の移設などは検討中という。
取材・文/塩屋薫 撮影/Lmaga.jp編集部

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