究極の万博来場記念になる?「25年後までなくさないか心配」の声も

2時間前

大切に保管したい引換券(9月26日 大阪・関西万博)

(写真3枚)

閉幕まで10日となった『大阪・関西万博』。会場には、スタンプやピンバッジを集めたり、ミャクミャクグッズや記念品を購入したり、たくさん写真を撮ったり…とそれぞれの方法で、一生懸命に思い出を残す来場者たちの姿が。そんな中、25年後に万博を思い出すイベントに参加できる「万博漬け引換券」は、もらえたでしょうか?

引換券がもらえる場所は、大屋根リングの中央にある「静けさの森」南側の茅葺き屋根のパビリオン「EARTH MART」。同パビリオンは、「食を通して、いのちを考える」をテーマに、食や生命を見つめ直す展示をおこなう。総合プロデューサーは、放送作家・京都芸術大学副学長の小山薫堂氏。

日本人が一生に食べる卵の平均数の約28000個を表現した「巨大な卵のシャンデリア」、食べ物のサンプルをはかりに乗せると重さではなくその食品の背景が表示される「環境コストがわかるはかり」、世界各国の家庭が1週間に買う食料品のレシートなど、食そのものや食の未来について考える展示になっている。SNSには、「内容がめちゃめちゃ深い」「展示が美しくて、食について考えさせてくれて、すごく好き」などのコメントも。

そんなパビリオンの最後にあるのが「万博漬け」で、6月6日にパビリオン前で漬けた南高梅が入った梅樽がずらりと並ぶ。樽の横の窓からは、すっかり色が変わった「梅干し」になる梅を見ることができ、周りは梅の良い香りがする。樽の先には、まるで金塊のように置かれたカードがあり、ひとり1枚持ち帰れるように。これが「万博漬け引換券」で、2050年に和歌山で、万博を思い出しながら万博で漬けた展示の梅干しが食べられるというもの。

梅がしわしわに、どんどん梅干しになっていく(9月26日 大阪・関西万博)
梅がしわしわ…このようにどんどん梅干しになっていく(9月26日 大阪・関西万博)

小山氏は開幕前の取材会で、「未来に向けて人はどういう食べ方をしていけばいいのか、その食べ方に気づいていただく。これから我々はどういうふうに食べていけば良いかを考えていただくためのパビリオンです。来場した方全ての方に、25年後に受け取れる1粒の梅干しをプレゼントしようと思っております。それは25年分の時のタイムカプセルのような、そういう装置になったらいいなと思っております」と話していた。

万博閉幕後は「紀州梅の会」が梅干しを保管し、引き換えイベント開催間近に特設HPでイベント詳細が発表される予定。「おもしろそうだからもらった」という人に話を聞いてみたところ、「2050年は60歳になっているけど、可能なら子どもと一緒にもらいにいきたい。ただ、25年後まで引換券がちゃんと保存できるか心配」と、間違えて捨ててしまわないか、と不安に思いながらも、楽しみにしている様子だった。ネットでは、さっそく保管のためにパウチしたという人も。

パビリオン外観(9月26日 大阪・関西万博)
パビリオン外観(9月26日 大阪・関西万博)

ちなみに同スペースでは、紙製の絵馬カードもある。こちらは「熊野本宮大社」で祈祷後、25年後まで「紀州梅の会」で保管するとのこと。もしかしたら、25年後に自分が書いた絵馬を見つけることができるかもしれない。「EARTH MART」の見学は、事前予約が必要。引換券は万博期間中、制限なく配布予定。

また、10月5日には、EXPOホール「シャインハット」にて『EARTH MART DAY』が開催。「新しい食べ方」を考えるためのステージプログラムがおこなわれる(要事前予約)。そのほか、ホール前の広場では、「未来の食を味わうフードパーク」が展開される(屋外広場は事前予約不要)。「紀州梅の会」による梅干し配布もあるので、来場者はチェックしてみよう。

取材・文・写真/太田浩子

  • LINE

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

人気記事ランキング人気記事ランキング

写真ランキング

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本