万博ラストの大目玉…「空飛ぶクルマ」が会場内をデモ飛行へ 本当に車なの?

2時間前

「空飛ぶクルマ」として知られる小型飛行機「Joby S4」(9月30日 Lmaga.jp撮影)

(写真6枚)

「ANAホールディングス」と米国の企業「Joby Aviation」が開発する「空飛ぶクルマ」ことeVTOL機が「大阪・関西万博」でデモフライトを開始する。その式典が9月30日に万博会場にておこなわれ、夢洲の上空を約13分間飛行した。

■ 車じゃない!?空飛ぶクルマは…「小型飛行機」

画面中央に…上空を飛び、小さくなっていくJoby S4(9月30日 Lmaga.jp撮影)
よく見ると画面中央に…上空を飛び、小さくなっていくJoby S4(9月30日 Lmaga.jp撮影)

今回万博会場で飛行を開始するのは、米国のJoby Aviationが設計・製造した「Joby S4」。6つのプロペラを持ち、ヘリコプターのように垂直に飛び上がり飛行機のように水平に飛ぶ特徴を持つ。

「空飛ぶクルマ」という愛称が浸透しているが、式典で同社の小早さんが「『これ空飛ぶクルマちゃうやんか!』って思ってらっしゃるかもしれませんが、これは車ではなく小型飛行機に分類されます」と説明した通り、厳密に言うと電動の航空機となる。万博公式サイトによると、クルマのように人々の生活に欠かせない存在となることを目指し、「空飛ぶクルマ」と呼ばれているという。

9月30日11時10分、離陸
9月30日11時10分、離陸したJoby S4(9月30日 Lmaga.jp撮影)

式典当日、約200名の報道陣と来賓が固唾をのんで見守るなか、同機は万博会場西側に位置する「EXPO Vertiport(モビリティエクスペリエンス)」を離陸。ポートを飛び立つと海上をぐるりと旋回、約13分にわたって飛行をおこなった。同機が無事に着陸すると、歓声と拍手が上がった。

多くの報道陣や来賓が見守るなか無事着陸した
「空飛ぶクルマ」を一目みようと集まる人々。「これ空飛ぶクルマじゃん!」の声も(9月30日 Lmaga.jp撮影)

■ 実現すれば…関空→夢洲移動が約15分に!?

左からANAホールディングスの芝田浩二代表取締役社長、Joby Aviation CEO JoeBen Bevirt氏
左からANAホールディングスの芝田浩二代表取締役社長、Joby Aviation CEO JoeBen Bevirt氏(9月30日 Lmaga.jp撮影)

ANAホールディングスとJoby Aviationは、今後2027年度以降を目処に「エアタクシー」として同機を運用していくことを目標としている。エアタクシーが実現した場合、例えば関西空港から夢洲に行く際に電車では約1時間のところ約15分程度でアクセスできるなど、移動時間を劇的に短縮させることも可能だという。

また将来的に日常生活で利用することを想定しているため、騒音に配慮し「静かさ」にもこだわっている。実際にデモ飛行時は、同時に飛行していたヘリコプターと比較しても離陸時や飛行中の音は抑えめだと感じた。

スペシャルゲストとしてミャクミャクも駆けつけた
スペシャルゲストとしてミャクミャクも駆けつけた(9月30日 Lmaga.jp撮影)

ANAホールディングスの芝田浩二代表取締役社長は、「遠い未来の話ではなく、身近な乗り物として実用に足りるものだと皆さんにわかっていただける、あるいはこれからわかっていただけるのではないかと思います。夢ではないということが実感できました」と力強く語った。

同機は9月30日におこなわれた式典を皮切りに、10月1日・2日、4日~7日、9日~13日と閉幕までほぼ毎日デモ飛行をおこなう。離陸時刻は11時頃~、14時頃~の1日2回を予定(土曜日のみ、16時頃の飛行も検討中)。

会場西側の海上を飛行するため、巡航中は大屋根リング上や、西ゲート前、西側団体休憩所など、会場各所から飛行する姿を見ることができそうだ。離着時の見学はモビリティエクスペリエンスにて(予約不要)。天候や機体状況によってスケジュール変更の場合あり。

取材・文・写真/つちだ四郎

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