なぜこんなに「宇治抹茶」が世界的に人気? 関西人こそ、今飲むべきな理由[PR]

1時間前

なぜこんなに「宇治抹茶」が人気なのか…海外観光客に1番の魅力を聞いてみた!

(写真20枚)

「宇治といえば?」と聞くと「お茶!」とレスポンスする人は、かなり多いのではないだろうか。日本三大銘茶処のひとつ・宇治は、800年にも渡って数々の製法を生み出してきた、まさに日本茶の原点と言える場所だ。

さらに最近は、世界的な抹茶ブームに乗って外国人観光客が急増。その状況と、さらにお茶を楽しむためのコツを探ってきた。

目次


  1. 外国人観光客のみなさんに質問!抹茶の魅力は?
  2. お茶について短時間で学べる「茶づな」のミュージアム
  3. 自分で薄茶を点ててみたい…プロにコツを聞いた
  4. 10月5日に開催『宇治茶まつり』に行ってみよう!

■ 体験する8割以上が外国人! 抹茶づくりに興味津々

京阪宇治駅に隣接する「お茶と宇治の町歴史公園」内にある「お茶と宇治のまち交流館 茶づな」
京阪宇治駅に隣接する「お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな」

宇治茶の魅力を発信する「お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな」で、最近は1日3回のプログラムがほぼ満席というほど外国人観光客が訪れているのが、自分で茶臼を挽いて作った抹茶をその場で点てていただく「茶臼から抹茶づくり体験」(2800円・ミュージアムチケット付き ※体験費は2025年9月時点のもの)だ。

さまざまな展示や体験プログラムを通して、宇治茶の魅力を発信している
さまざまな展示や体験プログラムを通して、宇治茶の魅力を発信している
「茶臼から抹茶づくり体験」の様子
体験プログラム「茶臼から抹茶づくり体験」の様子(写真/田中陽介)

実際に教室に行ってみると、やはり8割以上が外国人。アメリカからボーイフレンドと来たサバンナ・ケリーさんは、3〜4年前に健康マニアの友だちにすすめられて抹茶と出合ったという。

「コーヒーのカフェインは私には効きすぎるけど、抹茶はちょうどよかったから」。同行のマーク・ソリナスさんは抹茶初体験だったが「残りの滞在中に、もっと飲みたいです」と、好感を持ってくれたようだ。

「茶臼を回すのは大変だったけど、自分で抹茶を点てるのは楽しかった。やり方を覚えたから、セットを買って帰りたいです」と笑顔のサバンナさん。ボーイフレンドのマーク・ソリナスさんも「美味しかったので、これをきっかけに飲みたい」と2人揃ってハマったようだ
「茶臼を回すのは大変だったけど、自分で抹茶を点てるのは楽しかった。やり方を覚えたから、セットを買って帰りたいです」と、笑顔のサバンナさん(左)
「茶づな」内のショップでは、茶碗+茶筅のセットが人気だそう
「茶づな」内のショップでは、茶碗+茶筅のセットが人気だそう

同じくアメリカから来たキーラ・ローランドさん&エヴェリー・ディアズさんは、2人とも「週2・3回は飲む」という、筋金入りの抹茶ラバー。

キーラさんはアメリカでは「ハチミツとミルク」、エヴェリーさんは「冷水」で飲むのがお気に入りだが、「ここ(プログラム)で飲んだ抹茶は、苦みがなくて美味しい!」と口をそろえる。

「今アメリカのコーヒーショップには、どこでも抹茶のメニューがあります。でもここで飲んだ抹茶は、とてもなめらかで苦みがなくて美味しい!」と口をそろえた2人。旅行中は「MACCHA」と名の付くものなら、ドリンクもスイーツもなんでも試したそうで、「2日後には帰国なんです…」と、抹茶天国から去るのを名残惜しそうにしていた
旅行中は「MATCHA」と名の付くものなら、ドリンクもスイーツもなんでも試したそうで、「2日後には帰国なんです…」と、抹茶天国から去るのを名残惜しそうにしていたキーラさんとエヴェリーさん

またドイツから来て売店を覗いていたピーター・ウルフさんは、景色目当てに宇治に来たが、いろんなお茶を試飲するなかで、「ほうじ茶が一番好みに合いました」と、宇治にある人気のほうじ茶専門店「HOHO HOJICHA」の買い物袋を見せてくれた。

■ 「抹茶は健康に良い」スーパーフードとして注目

実際に宇治の人たちに聞いても「経験したことがないブームが来ている」と口をそろえる。しかもその熱は欧米やアジアだけでなく、中南米や中東にも及んでいるそうだ。

特にアメリカで一般的となったMATCHAブームは、2020年以降にいろんなセレブやインフルエンサーが「抹茶は健康に良い」と発信したのがきっかけだと言われている。日本茶には高い抗菌作用やアンチエイジングの効果があり、そのなかでも抹茶は食物繊維やビタミンEがより多く含まれる「スーパーフード」として注目されるようになった。

とはいえ当の日本人は、抹茶のことをどこまで知っているだろう? 抹茶ってほかのお茶とは材料が違うの? 点て方も飲み方も難しいんじゃない? など、意外と知らないことだらけ。そんな人に向けても、抹茶・日本茶について短時間で学べるのが「茶づな」のミュージアムだ。

お茶に関する疑問をデジタル展示や実際に手で触れて体感できる展示で紹介しているミュージアム
お茶に関する疑問を、デジタル展示や実際に手で触れて体感できる展示で紹介

■ 「覆下(おおいした)栽培」と呼ばれる技法が特徴の宇治茶

宇治でお茶作りがはじまったのは、12世紀末頃。「土壌が砂地で根が伸びやすい」「水が豊富」「茶葉の大敵の霜を洗う霧が発生しやすい」などの好条件が重なって、生産が盛んに。

宇治茶の歴史もイラストや年表で解説され、わかりやすい!

室町時代になると、収穫の約1カ月前から茶園を葦簀(よしず)や藁で遮光する「覆下(おおいした)栽培」が誕生。アミノ酸やグルタミン酸などの旨味成分がアップし、葉の色も若葉色をキープできるように。この覆下によって作られ、手で丁寧に摘まれた選ばれし新芽が、宇治の抹茶となるのだ。

その茶葉は、酸化や発酵防止のため即座に蒸される。それをすぐに送風で冷却した後に、手でもんで針状にしたのが「玉露」。冷却したのをそのまま乾燥→茎と葉を分離→再乾燥させたものが「碾茶(てんちゃ)」。それを石臼で挽いたのが「抹茶」だ。

「玉露と煎茶の違いって何?」など、お茶について学ぶことができる
「玉露と煎茶の違いって何?」など、意外と知らないお茶の種類について学ぶことができる

そして、その茶葉を最高の形で商品化するのが「茶師」の存在。宇治でも数人しかおらず、数寄者(すきしゃ/茶の湯に熱心な人)の要望に応えるために、合組(ブレンド)して味を調整し、ブラッシュアップ。こうやって、「宇治のお茶なら間違いない」というゆるぎのないブランド力を培ってきた。

名人による「手もみ製茶」の臨場感あふれる映像も
蓋を開けるとお茶にまつわるジオラマやトリビアが出てくる茶箱など、遊びながらお茶の知識が身につく

「茶づな」の主任学芸委員・コーディネイターの中畑伶威さんは、「お茶の工程や手間を知ると、宇治茶だけでなく、宇治のまち歩きがさらに楽しくなるはず。実際に宇治のお茶屋さんから、ディープな質問をしたり、極上のお茶を探す観光客の方が増えたと聞くと、体験とミュージアムで宇治茶を勉強された観光客の方が、そのあとお茶屋さんで良いお茶に出合っていただいていると思えてうれしい」と語る。

触れて学べるデジタル展示
触れて学べるデジタル展示

確かに「茶づな」のさまざまな展示を見ると、宇治のお茶関係者たちが一丸となり、プライドを持って送り出す自慢のお茶を、「飲んでみたい!」と思わないはずがない。

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