「何度も見たくなる」ファン続出、宇治×京アニ『うじには物語がある』の制作秘話[PR]

2時間前

京都アニメーション制作「紫式部ゆかりのまち宇治」キービジュアル

(写真12枚)

2024年3月に公開された京都府宇治市のPR動画『うじには物語がある』。宇治の歴史・文化・観光の魅力を多くの人に発信するため、「紫式部ゆかりのまち宇治」と宇治市に本社を構えるアニメーションスタジオ「京都アニメーション」(以下、京アニ)がタッグを組んで制作した。

人気アニメをさまざま手がけてきた「京アニ」の制作とあり、公開されるやいなやアニメ好きを中心に話題に。再生回数は累計約40万回(宇治市公式チャンネルと京アニチャンネルにて)を突破し、コメント欄には「なんて素敵なPR動画なんだ!」「何度も見たくなる」「宇治に行きたくなった」といった声が綴られ、多くの人を魅了している。

宇治のいろんな要素が詰まったキービジュアル。ちなみに動画の主人公・茜ちゃんのスカーフに描かれているのは宇治市の花「やまぶき」。お茶の葉のピアスも可愛い!

セリフ無しの6分半の動画には、古代から現代に至るまでの、宇治市の歴史や宇治の魅力がたっぷり。そんな動画の制作に携わった宇治市の担当者、歴史アドバイスをお願いした京都芸術大学 日本庭園研究部門長・杉本宏さんに、制作の裏側など詳しく話を訊いた。

■ 『うじには物語がある』のストーリーは?

宇治を訪れた主人公・茜(あかね)が、ひょんなことから「宇治神社」のみかえり兎が変身したうさ吉にスマホを奪われ、うさ吉の案内で宇治のまちを巡っていく。

茜はうさ吉とともに、さまざまな時代や、現在の宇治を象徴する場所や物語を巡ることで、かつての宇治を生きた人々とすれ違いながら宇治で紡がれてきた物語を知っていく、というもの。

■ 抹茶ソフトでむせる…リアルな「宇治あるある」も

──物語のスタートは「宇治神社」ですよね。主人公・茜ちゃんのスマホに通知がたくさん出て、大きなため息をつく様子が印象的でした。

茜ちゃんは、普段は都会で働いていて、平日に有給を取って宇治にリフレッシュしに訪れている方をイメージしています。というのも、実際に宇治へ来てくださる方には「宇治に来ると、空気が違って落ち着きますね」と言っていただくことが多く、その気持ちを反映しました。

茜とうさ吉が出会った「宇治神社」。本殿とその周辺にいるウサギの像3体を、願いごとを書いた絵馬を持って3周回っている間に全部見つけると願いが叶うという

──宇治のまちがそのままリアルに描かれていて、一緒に散策している気分に。

「京アニ」のスタッフさんと一緒に宇治のまちをロケハンして、それから制作していただいたので、とてもリアルに仕上がっていると思います。

うさ吉を追いかける茜。「朝霧橋」のたもとには『源氏物語』宇治十帖のモニュメント

──まちの景色はもちろんですが、日常のリアルな宇治が多く描写されているように感じました。宇治抹茶ソフトクリームを食べるシーンは、コメントでも「宇治あるあるだ!」と盛り上がっていましたね。

これも「京アニ」のみなさんとロケハンした際に何気なく「ソフトクリームに抹茶をたくさんかけてもらえるので、食べるとき、むせちゃうんですよ〜」って話していたら、実際にそのシーンが描かれていました(笑)。

茜ちゃんが食べる宇治抹茶ソフトクリームは「平等院正門前」に店を構える「ますだ茶舗」の名物!

──「宇治市源氏物語ミュージアム」近くの歩道にあるレリーフのアップは、「これ、本物みた!」とテンションが上がりました。

こういった現地のリアルなシーンは、実際に見るとより楽しいと思うんです。だから動画と同じプランでまちを回れるほど、そのままそっくりになっています。ちなみにこのレリーフは源氏物語に関連する場所を繋ぐ道にあるので、ぜひ宇治の街中で見ていただきたいですね。

宇治のまちには『源氏物語』宇治十帖をモチーフとした十二単のレリーフが設置されている

■ さまざまな物語を紡いできた「宇治橋」

──今の時代からスタートして、気づけば現代以外の人々が登場していますよね?

はい。これは宇治のまちが重層的にさまざまな時代の名残があることを表現しています。

──さまざまな時代の名残、ですか?

日本の歴史都市は城下町が多いと思います。武将やお城のさまざまな歴史でその街を語るんですね。つまり戦国から江戸時代を中心とした時代になります。でも、宇治は古墳〜江戸時代までの話が常に一定量の割合で積み重なっていて、今の宇治を作っている。特にそれが感じられるのは「宇治橋」のシーンです。

馬に乗ったこの武将は、豊臣秀吉がモデル。秀吉は安土桃山時代、当時あった巨大な池・巨椋池(おぐらいけ)に太閤堤を築くなど、宇治との関連が深い人物

──牛車が通っていたり、平安装束の貴族がいたり、江戸商人がいたり、帽子にステッキを持った明治時代の男性がいたり、さまざまな時代の人がいますね。

さまざまな時代の歴史が交錯する宇治のまちの「中心」ってなんだろうと考えたときに、やはり思い浮かんだのは宇治川とそこに架かった「宇治橋」でした。「宇治橋」は飛鳥時代の646年に架けられて以来、どの時代の人も「宇治橋」を行き交ってきました。地形的にも今の宇治橋付近が橋を架けるのに適していて、そこを中心にいまの宇治に繋がるまちが発展するので、宇治にとってすごく大切な場所なんです。

記録に残る日本三古橋のひとつ「宇治橋」。豊かな自然と歴史を感じる宇治川の景色は千年以上変わらない美しさ

そして「宇治橋」から見た上流の景色はこの数千年来ずっと変わらなくて、宇治で生きた人たちみんなが見てきた景色。さまざまな時代の人に歩いてもらって、歴史の重層性、文化的情景のあるまちであることを表現しています。

極楽浄土を夢見た道長の思いを受け継ぎ、1053年に頼通が建てた「平等院鳳凰堂」

──文化的情景は「宇治橋」以外にどのようなところがあるのでしょうか?

「平等院」はもともと藤原道長の別荘でしたがそれを寺院にした。この平等院は極楽浄土のバーチャルリアリティーなんですね。それに対して対岸の「宇治神社」「宇治上神社」はこの世のシンボルになります。

このような川を挟んだ対極的イメージは『源氏物語』でも、平等院辺りの匂宮の華やかな別荘と、宇治上神社辺りの零落した貴族の八宮邸として描かれています。

西岸の平等院があの世(彼岸)、東岸の宇治上神社がこの世(此岸)。茜が両方を行き交う場面も

──教科書で学んだ人や物語と同じ景色を見ているのは浪漫を感じますね。

宇治にはそういった「ほんまもん」が残っていて、実際に見ることができます。

『源氏物語』以外にも、『響け!ユーフォニアム』といった現代のアニメなどさまざまな物語の舞台にもなっていて、「物語のなかの宇治」と「現実の宇治」の両方を楽しめるのが魅力だと思っています。

──歴史好きにも、『源氏物語』やアニメファンにも刺さる「ほんまもん」が残っているんですね。動画のタイトルで「うじ」がひらがなになっているのは、どんな意味があるのでしょうか?

宇治は時代によって表記の仕方が異なるんです。今の宇治の表記になったのは平安時代ですが、それ以前にはうさぎの道「莵道」と書かれていたようで、時代によってさまざまなんですよ。

『古事記』に登場する菟道稚郎子皇子(うじのわきいらつこのみこ)が宇治に訪れた際、一羽のウサギが道案内をしたことから「莵道(うさぎのみち)」という名が付いたという

──宇治の歴史の深さがこんなにも詰まっているんですね。改めて動画をゆっくり見返したくなりました。

『源氏物語』やお茶以外にも、宇治には魅力がたっぷりあります。動画はもちろんのこと、キービジュアルの解説や宇治の歴史、宇治のスポットを紹介したスペシャルサイトを見て、リフレッシュしに宇治のまちに遊びに来てください。

■ スペシャルサイトを見て当てよう! うさ吉クイズ

宇治の魅力について徹底解説された『うじには物語がある』スペシャルサイトからクイズ!

正解した方のなかから抽選で5名様に「うさ吉ハンカチ」をプレゼントします。

クイズ:宇治のランドマークの一つとなっている宇治橋上流の中州にそびえる石塔は何重でしょう?
(1)三重 (2)十三重 (3)九重

[回答期限]2025年9月30日・23時59分まで
※1人1回限りの応募となります
※当選者の発表は、プレゼントの発送をもって代えさせていただきます


9月18日発売の「京都本」表紙(左)、「うじには物語がある」の舞台を深掘りする観光冊子表紙(右)
9月18日発売の「京都本」表紙(左)、「うじには物語がある」の舞台を深掘りする観光冊子表紙(右)

『うじには物語がある』の舞台を深掘りする観光冊子を新たに制作。宇治の歴史紹介や、舞台探訪マップなど盛りだくさん。9月18日発売の『京都本』(京阪神エルマガジン社)内に掲載され、10月上旬からは宇治市内観光案内所にて、配布予定。

取材・文/野村真帆
提供/宇治市観光振興課

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