ダブルインパクトで大注目!セルライトスパ、賞レースに挑み続ける17年

お笑いコンビ・セルライトスパ(左から肥後裕之、大須賀健剛)
2025年より始まった漫才とコントで競い合う『ダブルインパクト』(日本テレビ・読売テレビ)で3位に食い込み、全国のお笑いファンに向けて強烈な印象を与えた芸歴17年目のセルライトスパ(肥後裕之、大須賀健剛)。勢いそのままに、9月7日放送のネタ番組『漫才Lovers』(読売テレビ)にも出演する。
そんな2人は、これまでありとあらゆる賞レースに挑み続けてきた、まさに「賞レース番長」でもある。なぜ、賞レースにこだわるのか?挑み続ける上でのモチベーションについて、2人に話を訊いた。
取材・文/田辺ユウキ 写真/Lmaga.jp編集部
■ 「一緒に出てもいいんか」と、レベルの差を痛感(肥後)
──『漫才Lovers』は「ytv漫才プロジェクト」の企画のひとつで、『ytv漫才新人賞』と連動して放送されています。ちなみにセルライトスパのお2人も、「ROUND」の戦いを突破して『ytv漫才新人賞決定戦』に2度進出された経験を持っていらっしゃいますね。
肥後:『ytv漫才新人賞』は大阪の若手芸人の登竜門。前身番組『漫才維新〜ytv漫才新人賞選考会』(2014〜15)のときから出させていただいていて、当時はウーマンラッシュアワーさん、ジャルジャルさん、かまいたちさんと戦っていました。ただ、そのときはレベルの差を痛感しましたね。「僕らが一緒に出てもいいんか」と。

大須賀:「ROUND」出場をかけて「事前審査」というものもあるのですが、広い会議室に作家さんたち…いや、怖い顔をしたおじさんたちがずらりと並んでいて(笑)。まずそのおじさんたちのハートをつかまなければいけないんですけど、それが難しく、そこで若手芸人のハートはえぐられます。
──そうなんですね。
大須賀:なんですけど、幸いにも僕らは結構、ハマることができた方で。だけど「事前審査」と違って、「ROUND」や「決定戦」のスタジオには若い女性のお笑いファンが多く観覧されているので、微妙にネタの雰囲気を変化させたり、柔軟性も求められる大会です。
肥後:あの「事前審査」はもしかすると、NSCのネタ見せの授業よりも厳しい雰囲気かもですね。NSC生の前のネタ見せより、おじさんの真顔が一番怖いから。
大須賀:本当にハートが強くなりますね。そこでちょっとでもウケたら「よっしゃ!ウケた!おじさんが笑ってる〜!」って嬉しくなったりして。

──『ytv漫才新人賞決定戦』は2016年度が6位、2018年度が4位。ただ2019年に披露したネタ「不動産」の中の一言「hydeって今、50(歳)」はキラーワード化しました。
大須賀:「不動産」は今でも寄席でやるんです。だから「今、56歳」とちゃんと変えていて。
肥後:セルライトスパは、hydeさんと3人で歩んできたようなものですね。
■ 本音としては、今が限界に近いかも(大須賀)

──『ダブルインパクト』もそうですが、セルライトスパは賞レースに挑んできた数がものすごいですよね。大須賀さんは2019年の『R-1』で準優勝もされましたし。
肥後:僕らがNSC生だった2008年に『キングオブコント』の第1回が始まって、それからずっと出ていますし、『M-1』も第1章(2010年まで)を経験していて、2015年からの復活後も出て。『M-1』が終わったら、次は『THE SECOUND』が出来て、そして今回『ダブルインパクト』も始まって。その間も大阪の賞レースには出続けていましたから。この芸歴になるまで、これだけの数の賞レースに出ているとは正直思っていなかったです。
大須賀:若手のときは「パーンと売れてテレビにもガンガンと出て」という夢を見ていました。お給料だってすぐにどんどん上がっていくのかなと思っていたら、まさかこんなにコツコツと地道に給料が増えていく感じになるとは(笑)。

肥後:ちゃんと下積みを積んで、確かにいろんなところは見てきましたね。あと『M-1』の出場資格がなくなったとき、「僕らはどうやって生きていけばいいんだろう」と寂しさと不安が出てきて。でもちょうど『THE SECOUND』がスタートして、「僕らってやっぱり賞レースがないと生きていけないんや」ってなりましたね。
大須賀:お笑い芸人なので、「お客様を楽しませる」という前提はもちろんあります。でもモチベーションの部分では、賞レースのような明確な目標がないと「なにに向かって自分たちはやっているんだろう」ってなるんです。特に賞レース真っただ中で芸人をやり始めた者としては、そうやって競い合わないと強くなれない気がしています。
肥後:そういう意味では『ダブルインパクト』で3位に入ったことで、ひとつの箔がついたように思います。劇場でもお客さんの見る目がちょっと変わったというか、これまで以上にしっかりとネタを見てくださっている印象があります。
──『ダブルインパクト』はコント、漫才、どちらもインパクトが強烈でした。特に漫才「得意分野」。歌好きの肥後さんと相撲好きの大須賀さんが対決して、大須賀さんが肥後さんを何度も送り吊り出しし、息を切らすなど体を酷使する模様は、漫才というフィクションのなかにおける究極のリアルでした。
肥後:予選のときからあのネタをやっていたので、相方が途中で腰痛を発症させて。決勝前、準決勝前はあのネタを寄席でもやっておきたかったけど、相方の腰痛がきつすぎて本番までできなかったんです。決勝もまさにギリギリの状態でした。
大須賀:でもそうやって人が本気で苦しんでいる姿って、みんな好きじゃないですか。あと、あのネタは実際のお互いのストロングポイントをぶつけ合おうということで生まれたものなので、本気でやらないとおもしろくない。それでも会場によって相方を運ぶ距離が違うから、舞台が広いと本っ当にしんどいですね。

──たくさんの賞レースに出場することのメリットはなにがありますか。
肥後:いろいろありますが、賞レースがあるからいろんなネタが作れるのは、芸人としても大きなモチベーションになります。賞レースに向けて新しいネタを作ったり、もともとあるネタを磨いたりできるので。
大須賀:でも本音としては、賞レースに関しては今が限界に近いかも。というのもお笑いのネタって飽きられるのが早いので。音楽はライブでも有名な曲が演奏されたら「待ってました!」という雰囲気になりますけど、芸人はお馴染みのネタばかりだと「またこれか」となりやすい。なので新しいネタをどんどん作り続けていかないといけないんですけど、賞レースのペースに合わせるのはかなり大変で。これ以上の数はさすがにやれない気がしています。

肥後:僕らは芸歴的に『ytv漫才新人賞』や『NHK上方漫才コンテスト』を卒業しているからなんとかやれているけど、今の若手は本当に大変だと思いますね。ただ、漫才やコントなどいろんなタイプの賞に挑むのは良いこと。僕らも最初の頃はコントのネタを漫才用にしたりしていましたが、それだとネタ数が追いつかなくなるんです。まさに『ytv漫才新人賞』に挑むようになってから、ちゃんと漫才用のネタも作るようになったんです。それが現在の自分たちの活動にも繋がっています。
大須賀:「今が限界」と感じているからこそ、なんとかして『キングオブコント』を獲りたい。ライバル視しているのは、一緒にやっているユニット「関西コント保安協会」のロングコートダディ、ニッポンの社長。『ダブルインパクト』の上位3組で、『キングオブコント』もバチバチにやりたい。っていうか、そうしないとロングコートダディの兎がいつまでも調子に乗るんで。
──どういうことですか?
大須賀:『ダブルインパクト』が終わってから、兔がずっとマウントをとってくるんです。楽屋で会っても「『ダブルインパクト』、惜しかったな」とか言ってきて。一緒に出ていた側の人間が言うことじゃないですよね(笑)。
肥後:なんなら「お前が一番惜しかっただろ!」って。2位ですからね。
大須賀:だからこそ『キングオブコント』では彼らの上にいきたいです!

2人が出演する『漫才Lovers』は9月7日・16時より放送される。
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