万博の穴場「寿司」行列せずにVIPも訪れる高級料理を楽しめる

2時間前

「ラウンジ&ダイニング」窓側の席から見る万博の花火(8月12日大阪・関西万博)

(写真17枚)

ごはんを食べるのはどこも行列…世界各国のグルメが話題の『大阪・関西万博』(会場:夢洲)。しかもレストランの予算はどこも高めと考えると…できれば、並ばず、おいしいものをいただきたい。そこで知っておきたいのが、穴場的存在の「本格寿司店」です。

場所は、大屋根リング沿いのナショナルデーホール「レイガーデン」の2階。「ロイヤルホスト」で知られる「ロイヤルホールディングス」(本社:福岡県)が運営するレストランゾーン「ラウンジ&ダイニング」内。こちらにブッフェがあるのは有名ですが、さらにその奥。夜には花火が見える絶景スポットなんです。

グルメ目当てに「通期パス」を購入し、会場に足しげく通う、グルメライター西村円香が取材し、紹介します。

「ブッフェダイニング」(8月12日大阪・関西万博)の奥には
「ラウンジ&ダイニング」の奥にはどんな空間が…?(8月12日大阪・関西万博)

◆ 万博に通うグルメライターが見つけた、知る人ぞ知る「隠れ家」

そのお店は「鮓 晴日(すし はれのひ)」。扉を開けると、美しい一枚ヒノキのカウンターがあり、窓からは、海を眺めることができる凛とした空間が広がります。

「鮓 晴日(すし はれのひ)」のカウンター。万博会場内とは思えない静かで落ち着いた店内

腕を奮うのは、「大阪府鮓商生活衛生同業組合」に所属する寿司職人たち。ほとんどの職人は自身のお店を構え、こちらの出勤日は自身の店を閉めて、このカウンターに立っているとのこと。万博のために集まった、腕利きの職人ばかりです。

「鮓 晴日」のカウンターに立つ寿司職人の大久さん。凛とした雰囲気があるけれど、職人は気さくな人ばかりで、おしゃべりも弾みます(8月12日大阪・関西万博)

「寿司文化を世界へ」を掲げ、万博に出店している同店。こちらには全国津々浦々から会場を訪れる日本人だけでなく、各国のパビリオンで働く外国人や、プライベートジェットで来日するVIPが訪れることもあるのだそう。

「海外のお客様にも自分の寿司を食べてもらい、喜んでもらえる。そんな貴重な経験ができるのは万博ならではです」と寿司職人のひとり大久さんは笑顔で話す。英語のメニューは用意されているものの、海外ゲストからの質問に翻訳アプリを駆使して答えることもあるそうで、ただ寿司を握るだけでなく、「おもてなし」もしっかりと。

高い技術を持つ腕利きの職人が大阪を中心に全国から集まる。提供スタイルなど自店と違うことも多いが、それでも「良い思い出になる」と笑顔を見せる。左から、粟飯原さん、近藤さん、大久さん(8月12日大阪・関西万博)

◆ VIPのもてなしの場にも…お値段以上のお寿司とは?

本日のネタはコチラ(8月12日大阪・関西万博)
本日のネタはコチラ(8月12日大阪・関西万博)

お通しの数の子の松前漬けの後に、繊細な包丁さばきによって甘さをグッと引き出したイカ、本まぐろ、本日の白身魚のアコウダイ、金目鯛昆布〆などの握りが続きます。帆立は縦に包丁を入れて繊維を残すことで食感と甘みが際立つように、脂ののった大トロの漬けには隠し味で唐辛子の風味を加えるなど、どのネタにも丁寧な仕事が施されていて素晴らしい。

最初に、いか、本まぐろ、本日の白身魚、金目鯛昆布〆、帆立、車海老、漬けまぐろ、いくら、うにの9貫の握りが出される。凛とした雰囲気があるけれど、職人は気さくな人ばかりで、おしゃべりも弾む(8月12日大阪・関西万博)
最初は、いか、本まぐろ、本日の白身魚、金目鯛昆布〆、帆立、車海老、漬けまぐろ、いくら、うにの9貫の握り(8月12日大阪・関西万博)

9貫の握りを堪能したら、次は大阪らしさを感じる箱寿司(押し寿司)。船場の旦那衆から広まり、もてなし料理の定番です。取材日は富士サーモンの箱鮓、小鯛雀鮓、アジとサバの棒鮓に厚焼き玉子でした。

大阪が発祥とされる箱鮨。富士サーモンの箱鮨、小鯛雀鮓、あじの棒鮨、さばの棒鮨、海老のすり身を入れてふんわりカステラのように焼き上げた玉子焼きを盛り合わせて(8月12日大阪・関西万博)
ふっくらやわらかな煮穴子、タレもスイーツのように美しく(8月12日大阪・関西万博)

さらに煮穴子、本まぐろ炙り、鉄火巻、〆にはザラメを使い無漂白の希少なかんぴょうに甘みを染み込ませたかんぴょう巻きを。

おろしポン酢でさっぱりと味わう本まぐろ炙り(8月12日大阪・関西万博)
深いコクと旨みが染みるしじみの赤だしに続いて、鉄火巻、かんぴょう巻きで〆。ボリュームもしっかりある(8月12日大阪・関西万博)

その強い甘みが、最後に出されるお抹茶とも相性抜群。そして海外では抹茶ブームということもあり、外国人ゲストにも大変喜ばれているそう。

職人自らが茶釜で点てる一服の抹茶を。女将が裏千家の師範で、職人に指導したのだそう(8月12日大阪・関西万博)

ネタの鮮度や質にこだわるだけでなく、最後までしっかり味わってもらえるように、シャリの甘みは控えめにして、シャリの量も1貫約10gと少なめにするなど、細やかな気配りも随所に感じられ、食後の満足感はかなりのもの。

満足感のあるコースの最後にいただく抹茶のやさしい苦みにほっとします(8月12日大阪・関西万博)

「祭り」コースは1万8,000円(別途サービス料10%)と、焼きアワビの鉢物がプラスされた「晴れ」コースは2万2,000円(別途サービス料10%)とお値段は少し高めですが、内容を考えると納得できるはず。

なお、メニュー開発は『すしの技術の大全』(誠文堂新光社)の著者で、技術の継承にも取り組む「東京都鮨組合」の目黒秀信さん。『晴日』という店名は「日本人、外国人関係なく、万博で日本の伝統文化のお寿司を食べたということが、お客様にとって晴れの日である」という思いから。目黒さん自身も週に一度、東京から来阪し、カウンターに立つ。

万博会場にこんな場所があったとは…知る人ぞ知るスポットです(8月12日大阪・関西万博)

◆ 発射台はすぐそば!迫力の花火が楽しめる

そして花火について。8月31日までは『夏休みEXPOミニ花火』と称して、毎日4号玉までの花火を約140発(約4分程度)の打ち上げを19時19分頃から予定。花火があがる時間になると店内の灯りがそっと消され、窓の外が花火でパッと明るく照らされ、店内のゲストから思わず感嘆の声が漏れます。

すぐそばで打ちあがる花火と大屋根リングの共演に、店内では歓声があがる(8月12日大阪・関西万博)

なんと、お店が東の発射台のすぐ近くにあるので、迫力も見応えも充分。涼しい店内にいながらにして、花火を堪能できるのもうれしいポイントです。コースの途中であっても、花火を優先して、お寿司を出すペースを調整してくれます。

もちろん、同じ建物内の「ブッフェダイニング」の窓からでも、同じように花火を楽しむことができるので、家族連れで万博に来ている方などは、こちらの利用もオススメです。万博の花火は8月31日までの予定なので、ぜひお早めに。花火が終わったあとでも、こちらの建物を出たところは、20時57分から10分間開催されるドローンショー鑑賞にもちょうどいい場所なので、そちらもぜひ楽しんで。(天候により中止の場合あり)

もし8月に花火を見逃しても9月27日、10月8日にも月一回の会場内での花火『JAPAN FIREWORKS EXPO(JFE)』を予定しているので、その日を狙って予約を。

海に面したロケーションも魅力の「鮓 晴日」

「鮓 晴日」はネットからの事前予約制。当日に空席がある場合は、予約なしでの案内も可能(電080-4148-3902)。コース料理のスタートは、11時~12時30分、13時~14時30分、15時30分~17時、17時30分~19時、19時30分~21時の5回。詳細は公式サイトで確認を。

取材・文/西村円香 写真/Lmaga.jp編集部

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