京都で「比叡山お化け屋敷」26年ぶり復活、オール新作で当時を再現

2025.7.26 13:05

先に進むのが恐ろしい鳥居が並ぶエリアも(Lmaga.jp撮影)

(写真10枚)

2000年に惜しまれつつ閉園した京都の「比叡山遊園地」。なかでも名物として人気を博した「比叡山お化け屋敷」が、7月27日より「大丸京都店」にて期間限定で復活する。当時と同じ美術製作所が担当し、「もちろん怖がっていただくのも目的ですが、『来てよかったな』と思っていただくのが一番」と思いを込める。

■ 当時のエピソードを募集→195件もの思い出話が

何が起こるか読めないドキドキと、同時に人の温もりも感じられるのが「人力」の魅力(Lmaga.jp撮影)
何が起こるか読めないドキドキと、同時に人の温もりも感じられるのが「人力」の魅力(Lmaga.jp撮影)

1999年の夏に営業終了したものの、今なお多くの人々の記憶に残る「比叡山お化け屋敷」。「大丸京都店」で催事企画を担当する平岩さんによれば、同店でお化け屋敷をおこなうのは初とのこと。同店では以前から烏丸エリアを盛り上げる活動に取り組んでおり、今回の企画はその一環で約2年前に持ち上がったとか。

会場にはセットはもちろん、恐ろしげな音楽や照明もあり雰囲気たっぷり(Lmaga.jp撮影)
会場にはセットはもちろん、恐ろしげな音楽や照明もあり雰囲気たっぷり(Lmaga.jp撮影)

その際、実際に比叡山お化け屋敷で遊んだことのある社員たちから思い出話が多く持ち上がったことを受け、企画が始動したという。そんな背景もあり復活に際して当時のエピソードを募集したところ、195件もの思い出話が寄せられた。

「皆さんの思い出も甦るという意味も含め『甦る』とタイトルに入れています」と平岩さん。「50〜60代の方、あるいはもう少し上の世代。その娘・息子、孫と三世代が繋がるコンテンツでもあるので、面白いと感じました。来年、再来年と、夏の名物イベントになればなと」と今後の展望を明かした。

当時遊びに行ったことがある人なら懐かしさを覚えるお化けもいるとか(Lmaga.jp撮影)
当時遊びに行ったことがある人なら懐かしさを覚えるお化けもいるとか(Lmaga.jp撮影)

■ お化けやセットは新作ながら「当時」を再現!

復活にあたりセットや仕掛けを担当した「京都舞台美術製作所」の衣川建二さん(Lmaga.jp撮影)
復活にあたりセットや仕掛けを担当した「京都舞台美術製作所」の衣川建二さん(Lmaga.jp撮影)

舞台装置やセットの制作は、当時と同じ「京都舞台美術製作所」が担当する。約60体の妖怪や幽霊、お墓や鳥居などのセットはすべて同社のプロたちが今回のために作ったオール新作だ。

迫力たっぷりな蜘蛛のお化け(Lmaga.jp撮影)
迫力たっぷりな蜘蛛のお化け(Lmaga.jp撮影)

いざ実物を見てみると、新作とは思えない年季の入ったおどろおどろしさを感じたのだが、当時から舞台制作を手がけていた衣川建二さんによれば「わざと時間が経ったように作っています。幽霊などの顔もあまり上手に描き込まないように心がけています」とのこと。

また、営業時に活躍していた幽霊「レイコ」も衣川さんの記憶をもとに再現しており、その頃遊びに来ていた人ならピンとくるような遊び心も散りばめられている。

お化けのディテールにもこだわりが込められている(Lmaga.jp撮影)
お化けのディテールにもこだわりが込められている(Lmaga.jp撮影)

デジタル技術が発展した令和の現代でありながら、当時から続く「手作り」や「人力」にこだわっているのも特徴のひとつ。お化けや舞台の仕掛けはすべてスタッフがその場で動かしており、「技術指導はしていますが、お客さんの数だけ動きのパターンがあります」と衣川さん。

怯えるお客さんには驚かせ方を調整することもあるそうで、「もちろん怖がっていただくのも目的ですが、『来てよかったな』と思っていただくのが一番なので」と語っていた。

『大丸京都店 甦る!!比叡山お化け屋敷』の入り口(Lmaga.jp撮影)
『大丸京都店 甦る!!比叡山お化け屋敷』の入り口(Lmaga.jp撮影)
入り口近くには当時の新聞なども展示(Lmaga.jp撮影)
入り口近くには当時の新聞なども展示(Lmaga.jp撮影)

『大丸京都店 甦る!!比叡山お化け屋敷』の入場料は一般1500円~。期間は7月27日〜8月31日、「大丸京都店」6階イベントホールにて開催。時間は10時〜19時(最終入場は18時)。最終日は16時まで(最終入場は15時)。

古き良き昭和を感じるメインビジュアル(Lmaga.jp撮影)
古き良き昭和を感じるメインビジュアル(Lmaga.jp撮影)

取材・文・写真/つちだ四郎

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