大阪に急増中…東京発「猿田彦珈琲」の仕掛けとは? 限定メニューも開発

5時間前

テイクアウトは「猿田彦ブルー」が目を引く爽やかなカップで

(写真11枚)

東京・恵比寿発のスペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」(代表:大塚朝之)。約1年前に大阪に初進出、そこから立て続けに3店舗を出店している。チェーン店ながら店舗ごとに異なる空間作り、そして関西人におなじみのフレーズから着想を得た新シリーズを作るという力の入れようだ。

■満を持して…2024年に大阪1号店が誕生

7/24オープン「猿田彦珈琲 くすはモール」、京阪電車・樟葉駅の駅前広場からすぐ
7月24日にオープンした「猿田彦珈琲 くずはモール」、京阪電車・樟葉駅の駅前広場からすぐ(Lmaga.jp撮影)

2011年の創業以来、国内外で20店舗以上を展開し、自社で厳選した風味豊かなコーヒー豆で焙煎から抽出までこだわり抜く「猿田彦珈琲」。チェーン店なら「どこでも同じ」が利点でもあるが、猿田彦では店舗毎に内装デザインを変え、「提供する空間も楽しんでほしい」との思いがこめられている。

大阪エリア限定「明日のブレンド」(480円~)は奥深い甘味を追求した1杯。素材をいかした「キャロットケーキ」(510円~)などケーキは約4種
大阪エリア限定「明日のブレンド」(480円~)は奥深い甘味を追求した1杯。素材をいかした「キャロットケーキ」(510円~)などケーキは約4種(Lmaga.jp撮影)

関西では奈良に初出店し、その後、多くの出店依頼があったという大阪1号店は2024年7月に、大阪駅直結の駅ビル「イノゲート大阪」内に開業。「イノゲート」側の熱意で、元々は区画がなかった場所に店舗を構えることができたそう。さらに本年は6月23日に淀屋橋(大阪市)、7月24日に楠葉(枚方市)と出店が続き、担当者は「認知を広めていくには、とても良い流れだったと感じています」と話す。

■ 大阪3店舗でも…異なる店作り

「バルチカ03」2階の「猿田彦珈琲」
「バルチカ03」2階の「猿田彦珈琲」(Lmaga.jp撮影)
外から見ると…中央左に看板が見える(Lmaga.jp撮影)
外から見ると…中央左に看板が見える(Lmaga.jp撮影)

大阪出店に際しても「地域に根付く店づくり」を最優先し、来店客にとっての心地よさを追求。3店舗とも雰囲気がガラッと異なり、駅ビル通路に建つ1号店「イノゲート店」は、多くの人が行きかう大阪駅の近くだけに約16席の気軽に立ち寄れるスタンド風。全面ガラスの開放感がある造りで、テイクアウト需要が高く、周辺ベンチや「うめきた公園」で楽しむ人が多いそう。

「淀屋橋ステーションワン」地下1階にある「猿田彦コーヒー」。地下鉄と京阪が直結の好立地
「淀屋橋ステーションワン」地下1階にある「猿田彦珈琲」。地下鉄と京阪が直結の好立地(Lmaga.jp撮影)

2店舗目の「淀屋橋店」は駅改札前の複合施設「淀屋橋ステーションワン」地下1階に開業。建築家・内藤廣氏が手掛けた内装は木をいかした温もりある空間で、オフィス街に合わせたコワーキングスペース風の仕切り席など1人席が多く、実は1席だけ特別な椅子を使用した、座り心地抜群な特等席も。 朝6時30分から営業し、近隣のオフィスワーカーらには同日2杯目がお得に購入できるサービスが好評だという。

「淀屋橋ステーションワン」の猿田彦珈琲では、店内で焼き上げるパイやタルトが豊富に(Lmaga.jp撮影)

7月末にオープンした3店舗目の「くずはモール店」は、商業施設という土地柄、家族層に親しみやすいよう白を基調にしつつ、デニム素材が使われた青がアクセントの内装デザインで、カジュアルさを意識。さらに、枚方では英国発のグラススイーツ、淀屋橋ではパイやタルトといった店舗ごとに一部のスイーツメニューが異なる工夫も施されている。

約57席の店内、内装は白が基調のカジュアルな雰囲気で、一部のテーブル天板やカウンターには、デニム素材を家具に加工したマテリアルボードを使用
「くずはモール店」より、約57席の店内(Lmaga.jp撮影)
大阪初登場のスイーツ「イートンメス」(620円)はストロベリーとピーチの2種。果肉やサクサクのメレンゲ、ホイップクリームの層が贅沢なグラススイーツ
「くずはモール店」で大阪初登場、「イートンメス」(620円)。果肉やサクサクのメレンゲ、ホイップクリームの層が贅沢なグラススイーツ(Lmaga.jp撮影)

■ 関西人との会話がきっかけ? 大阪限定「明日シリーズ」

「くずはモール店」限定パッケージ「明日のブレンド」(1100円)数量限定、大阪エリア限定「明日のシリーズ」グッズ・手提げ(1000円)なども販売
「くずはモール店」限定パッケージ「明日のブレンド」(1100円)数量限定、大阪エリア限定「明日のシリーズ」グッズ・手提げ(1000円)なども販売(Lmaga.jp撮影)

そして、この3店舗で注目したいのが、大阪エリア限定の「明日シリーズ」。ドライフルーツなどの奥深い甘味を楽しめる「明日のブレンド」をはじめ、手提げなどのグッズも販売され、「イノゲート店」では「明日のパン」を使ったモーニングメニューも提供している。

担当者によれば、関西人と「大阪といえば」と話した際に「いつも気づいたら『明日のパン』と言っている」との言葉を耳にしたそう。関西でよく使われる翌朝に食べるパンのことで、それきっかけに「パンとコーヒーの組み合わせは王道で美味しいし、明日のブレンドも展開しよう!」とトントン拍子で限定商品が誕生することに。

「明日シリーズ」は、猿田彦がめざす「地域に根ざした店づくり」の一環として、お客とスタッフの会話きっかけや店への親しみやすさを感じてもらうための工夫という。ちなみに、「明日のブレンド」パッケージにデザインされた「TOMORROW Blend」は、手が「T」を持ち上げていて、残りの文字は「オモローブレンド」に…という遊び心あふれる隠しネタにも注目を。

よく見ると…「オモローブレンド」!?
よく見ると…「オモローブレンド」!?(Lmaga.jp撮影)

今後も関西での出店を広げる予定といい、担当者は「自信を持って美味しいと思えるコーヒーを提供し、ホスピタリティを持った接客を続ければお客さまに他社との違いを体験してもらえるのでは。ありがたい事に大阪では東京の『猿田彦珈琲』を知っている方が多いという印象があります。実店舗ができた事で、より多くの方に知ってもらえたら嬉しいですね」と期待を寄せる。

取材・文/塩屋薫 撮影/Lmaga.jp編集部

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