市川染五郎、舞台「ハムレット」で主演…SNS喜びの声相次ぐ

6時間前

左から舞台『ハムレット』で主演を務める市川染五郎、オフィーリア役の當真あみ

(写真3枚)

すずやかな美貌と気品のあるたたずまいで、歌舞伎ファンならずとも大きな注目を集めている歌舞伎俳優・八代目 市川染五郎。父・松本幸四郎や、祖父・松本白鸚もかつて演じた、シェイクスピアの傑作悲劇『ハムレット』に挑戦することに。6月5日にその情報が公開されると、SNSはたちまち喜びの声であふれかえった。

今年で20歳を迎えたばかりの染五郎は、2007年に初舞台を踏み、2016年に市川染五郎を襲名。成長するに連れてその美少年ぶりが話題となり、2022年に大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に木曽義高役で登場したときは「バックに薔薇の花が見える」など、初めて見る視聴者を騒然とさせた。わずか17歳で歌舞伎座にて初主演を果たすなど、将来性を高く買われている若手の一人だ。

凜とした表情で取材に応じる八代目市川染五郎(2018年撮影)
凜とした表情で取材に応じる八代目市川染五郎(2018年撮影)

『ハムレット』は、どんなに演劇のことを知らなくても、誰もが一度は名前を聞いたことがあるという、名作中の名作。国王である父を亡くしたばかりの若き王子・ハムレットは、父の亡霊と出会い、実は叔父に暗殺されたと告げられる。現国王となった叔父への復讐を誓ったハムレットだったが、いろいろと思い悩んでなかなか実行できず、それによって周囲の人々を新たな悲劇に巻き込んでいく…。

祖父や父をはじめ、数多くの人気俳優たちが演じてきたハムレットについて、染五郎は「歌舞伎もそうですが、シェイクスピア劇は現代人の価値観や感覚では理解しづらい部分も多いと感じます。それをいかにして現代の方々の心に届けるか。生きた演劇、生きた『ハムレット』を目指して取り組みたいと思います」と、今とは違う時代の人物を演じることが多い、歌舞伎俳優だからこそできるハムレット像を目指すよう。

ハムレットを恋い慕うがゆえに、さまざまな悲しみに直面することになる少女・オフィーリアは、ドラマ『どうする家康』『さよならマエストロ』などに出演し、これが初舞台となる當真あみ。「これまでも何度か舞台を観劇して、こういうお芝居を出来たらなと挑戦してみたい気持ちがあったので、不安と感じる以上に、この作品に参加させていただける事への嬉しさがあります」と意欲を見せる彼女が、どのようなオフィーリア像を見せるのかにも期待がかかる。

演出は、ミュージカル『ナイン』でトニー賞を受賞するなど、世界的に活躍するデヴィッド・ルヴォー。この作品を「何よりもまず、若者の悲劇です。そして、政治のシニカルな『現実』に支配された世界における、若者の命そして想像力の浪費の物語です」と語る。日本で長期的な演劇プロジェクトに取り組むほど、日本の文化に精通した演出家だけに、古典の空気をまとった幸四郎を相手に、未知なるシェイクスピアを見せてくる予感がする。

舞台『ハムレット』に出演する左からハムレット役:市川染五郎、オフィーリア役:當真あみ
舞台『ハムレット』に出演する左からハムレット役:市川染五郎、オフィーリア役:當真あみ

この発表があった直後は、SNSも「演出デヴィッド・ルヴォーだと!! そんで染五郎くんて、絶対観とくべきなやつ」「染五郎くんと當真あみちゃんのハムレットとはなんて魅力的な」「今しか見れない輝きな気がする」など、さまざまな観点から「必見!」の声が続々と上がっていた。

現時点で決定しているのは、東京公演が2026年5月に「日生劇場」(東京都千代田区)、大阪公演が6月に「SkyシアターMBS」(大阪市北区)、ほかに愛知公演が予定されていることのみ。シェイクスピアを知らない人も、歌舞伎を観たことがない人も魅了するであろう舞台に出会うために、今からアンテナを張っておこう。

文/吉永美和子

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