【どうする家康】茶々の心を闇から光へと戻すには十分な言葉

『どうする家康』第47回より、家康からの手紙を江(マイコ)から受け取る茶々(北川景子)(C)NHK
江戸幕府初代将軍・徳川家康の選択だらけの人生を、古沢良太脚本・松本潤主演で描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。12月10日放送の第47回『乱世の亡霊』では、茶々が家康を拒否し続ける本当の理由が判明。そこから、家康の手紙が閉ざされた茶々の心を開いていくという展開にSNSは大いに沸き返った(以下、ネタバレあり)。
■ どうする家康、茶々の恨みに心当たりあり
茶々(北川景子)の妹・初(鈴木杏)と家康の側室・阿茶(松本若菜)との交渉の末、徳川と豊臣は和議を結んだ。しかし大坂城の堀を埋められたにもかかわらず、豊臣方は臨戦体制を崩そうとしない。大坂方との仲を取り持つ寧々(和久井映見)は、茶々が戦を止めないのは何か理由があると語り、それを聞いた茶々のもうひとりの妹・江(マイコ)は、心当たりを家康に明かす。

かつて、母・市(北川景子/2役)から「我が身の危険も顧みずに、人を助け世に尽くすお方」と聞かされ、家康に憧れていた茶々。だが、母を見殺しにされたと思い憧れを憎悪に転化させたのだった。家康はその責任を感じ、江に茶々への手紙を託す。茶々への詫びと、乱世を子どもたちに受け継がせないという決意が込められた家康の言葉に、茶々は心を動かされ・・・。
■ 相当にこじらせた、かわいさ余って憎さ百倍
家康の人生最後の大きな「どうする」となった『大坂夏の陣』が目前。天下への欲目ではなく、乱世を生み出す要因となるものをすべてあぶり出し、それらを一掃する・・・という目的ではじまった大坂との戦で、その最大の障害となっている茶々が、なぜここまで家康に抵抗するのか? 母を助けなかった恨みはもちろん大きいが、この47回でそれがさらに根深いというか、相当にこじらせた原因があることが判明した。

とば口となったのが、茶々の妹である初と江との対話だ。戦国の歴史に翻弄され、大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』(2011年)でも取り上げられた「浅井三姉妹」として知られる茶々と初と江。ここに来てようやく京極高次に嫁いだ初が初登場し、SNSでも「浅井三姉妹がそろった!」「最後のピースが来た!」「間違いなく美男美女の遺伝子受け継いでいる」などの喜びの言葉が。

しかし江の口から、茶々の憎しみの潜在的な原因が、自分が憧れた君が理想通りではなかったという、かわいさ余って憎さ百倍の感情からだった・・・というのが判明し、SNSでは「白うさぎに執着する織田の血の呪いが」「勝手に好きになって期待して勝手に恨むなんて、なんてオタクの所業」「本能寺はノッブの愛が重すぎたが、大坂の陣は茶々の愛が重すぎる」などの納得の声が上がった。
■ 闇から光へと戻すには十分な家康の言葉
しかしそういうこじらせた思いは、相手から誠意ある言葉が送られれば、一瞬で憎しみが解けて、また昔の思慕の情が戻ってきたりするもの。家康が誠心誠意のお詫びと、乱世を終結させる並々ならぬ思いを手紙に綴ったことで、ようやく茶々も少女時代の気持ちに決着を付けることができた。徐々に気持ちが氷解していく様を、繊細に表現した北川の表情の巧みさが、その感動を倍増させたのは間違いない。

SNSでも「私とあなたで全てを終わらせましょう・・・なんて悲しいラブレター」「お市が娘たちを生かしたことを茶々に思い出させて、秀頼を生かして欲しいと願うそのやさしさは、間違いなく子どもの頃の茶々が憧れた君」「茶々さまとお市の方の表情が重なる北川景子さんの演技がすごい」「回想で出てきたお市さま、同じ人が演じているのに全然違う人だった」と、闇から光へと戻すには十分な家康の言葉と、北川の演技に絶賛の声が集まった。
「市の初恋の相手は、実は家康だった!」という「なんだ、ただのスイートなアクセントか」と高をくくっていたエピソードが、まさか母と子の2代をまたいだ末に、日本中を巻き込む争いの遠因になってしまうとは・・・。脚本の古沢は今回もまた、とんでもないロングシュートをあざやかに決めてしまった。この分だと最終回も、かなり大きな伏線回収が待ち受けているかもしれない。しかしその前に、茶々が取り戻した良心は、息子・秀頼に恐ろしい覚醒をうながすことになるのだが、それは別コラムで詳しく紹介しよう。
『どうする家康』はNHK総合で日曜・夜8時から、BS・BSP4Kは夕方6時から。BSP4Kは昼12時15分に先行放送あり。12月17日放送の最終回『神の君へ』では大坂の陣と、家康の激動の人生の最後が、通常より15分拡大して描かれる。
文/吉永美和子
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