ゴジラ最新作、山崎貴監督「神様と怪物、両方を兼ねた存在」

映画『ゴジラ-1.0』で脚本・監督・VFXを担った山崎貴監督
◆「シーンとしてはオマージュが結構ある」
──そういうマナーに則りながら、主となっているのは敷島と典子(浜辺)の人間ドラマ。ゴジラvs軍隊ではなく、いわば戦争でさまざまな傷を負った庶民の物語ですね。
臆病だったが故にたくさんの仲間を死なせてしまった、そういう後悔を抱えた男がなんとか人間らしさを取り戻そうとした瞬間、その怒りがすべてゴジラに向かっていくという物語を軸にして、僕なりのゴジラを描きたかったんです。
やっぱり人間ドラマがゴジラという存在にどうリンクするかが大きなテーマだったので。それは初代ゴジラが人間のドラマと怪獣のドラマをちゃんと相対峙させていたからなんですね。そこがないと初代を目指した意味がないなぁ、と思ったんです。

──意図的だと思いますが、初代ゴジラの登場人物は一切出てきませんよね。例えば、芹沢博士とか。
そうですね。どこかのゴジラの話と繋げるつもりはまったくなかったので、これはこれでひとつのゴジラの物語として作りました。
なのでリンクはさせてないですが、シーンとしてはオマージュが結構あるんですよ。ゴジラが電車を咥えたりとか、塔が倒れたりとか。
──中継のアナウンサーに「みなさん、さようなら」(初代ゴジラの名セリフ)とは言わせられないまでも、塔が倒れるシーンはちゃんと入れているという。
さすがに言わせられなかったですね(笑)。だけど、初代の報道魂だけは残しました。それに、ゴジラが咥えた電車のなかの乗客はどんな恐怖に晒されてたんだろうか、と。それをぜひやりたくて。だったら、典子を乗っけちゃおうと思って。電車の運転手も顔の似てる役者さんを探してきて。並べて見ると面白いですよ。

──こんな風に初代と繋げるんだ、と感激しました。
もう、ゴジラは電車を咥えてナンボだろうと(笑)。予算の都合で電車が作れないかもって話になったけど、「お願いだから作ってくれぇ!」と頼み込んで。「電車の一部だけでも。あとはデジタルでなんとかするから」と言ったら、そこだけは本当に動くセットを、ちゃんと重力もかかるように作ってくれて。
──もともと監督はVFXをやっておられるから。今回もかなりガッツリやられたんでしょうか。
はい、もうガッツリと(笑)。デジタルネイティブの若手がだんだん力をつけてきてて、彼らがすごいんですよ。生まれたときからCGがあって、息を吐くようにCGを作るんです。今まで見たことないようなのを作ってくれたんで、楽しかったですね。これまでの技術屋たちが焦ってますよ。
中堅どころが「それは難しいです」って言うと、若手が「できますよ、やってみましょうか?」と作っちゃう。今までの技術に胡座かいていられない時代が来たんですよ。でも、うちの会社の良いところは、中堅が若手に対して、「それ、どうやってやるの?」と一緒になって作ってる。ああ、良い会社だなと思って僕なんかは見てます。

──山崎監督が所属する「白組」って、もともと創立者の島村達雄さんが実験的なアニメーションを作っておられましたしね。進取の気概がある。
それは喜びますよ、島村会長が。もう完全に引退すると言ってましたけど、まだ自主制作で謎のアニメーションを作ってますからね。昔は相原信洋さんらとも実験映画を作ってましたし。
──CGといえば、今回、町中がものすごい爆風にのみ込まれるシーンが出てきますよね。
恐怖心というか、ゴジラは本来そういう存在だと思うんです。初代の『ゴジラ』は第五福竜丸の話もあるなかで作られたから、そこは切っても切り離せないものがある。やはり核については少しメタファーとして感じさせないとゴジラにならないんじゃないかなと。
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