大阪発「キモチ良さお約束フェス」ボク踊、5回目の開催

『たとえばボクが踊ったら、』2022年の様子。写真=オフィシャル提供(Kazuki Watanabe、ハヤシマコ、Hoshina Ogawa)
本やレコードの選び方のひとつに「タイトル買い」というものがあるが、もしフェスを「タイトル買い」するとしたら、『たとえばボクが踊ったら、』を選ぶ人は多いのではないだろうか。
5回目となる『たとえばボクが踊ったら、#005』が9月9日、「服部緑地野外音楽堂」(大阪府豊中市)で開催される。
■ 野外ライブゆえの悪天候でも、伝説のライブに
「ボク踊」こと『たとえばボクが踊ったら、』は、関西のイベンター・夢番地の大野氏が「関西で魅力的なキモチいいフェスしたい」という思いから2016年にスタート。第1回は大野氏の担当アーティストでもあるSPECIAL OTHERSとThe Birthdayの2マンという形で開催された。
当日晴天に恵まれたものの、The Birthdayの演奏時に突如激しい雷雨に。よもや中止か?という状況下で、バンド・オーディエンスともにずぶ濡れで狂喜乱舞の盛り上がりを見せるという伝説のライブとなった。
そして第2回の際は、数日前に関西を大型台風が直撃。会場の「服部緑地公園」でも停電や倒木が起こるなど、直前まで開催が危ぶまれるなか、赤字覚悟で安全にライブができる状況を確保し、壮大な盛り上がりを見せた。
2020年は、自治体のガイドラインを遵守したうえで、どこよりも早く野外の有観客ライブを開催。2021年は「みんなが心から楽しめる状況ではない」という判断から延期の英断を下すなど、コロナ禍も試行錯誤しながら「ハッピーな音楽の場」を作り上げてきた。
■ 緑豊かな公園で、ビールを飲みながら踊ろう
もちろん、ジャンルの壁を取っ払ったゴキゲンなブッキングも「ボク踊」の大きな魅力だ。今年も、第1回からの常連で、ほとんど主催者サイド(?)なSPECIAL OTHERSを筆頭に、ジャパニーズ・ヒップホップのオリジネイター・RHYMESTER、音楽バラエティ番組『関ジャム』(テレビ朝日系)での「プロが選ぶ2021年マイベスト10曲」に選出された実力派ミクスチャーバンド・Kroiなど、前年からおなじみの熱い顔ぶれがずらり。
また、今年20周年を迎える爆音ジャズバンド・SOIL&"PIMP"SESSIONSの出演が決定。彼らは、同フェス恒例でもあるRHYMESTERとのプレミアセッションや、Kroiのボーカル・内田怜央とコラボレーションもおこなうという。

まあ結局は、主催の大野氏が好きなバンドばかりという噂もあるが・・・。参加アーティストのファンというよりは、「ボク踊」自体のファンが多いのも、そんな商売抜きで個人的な「好き」を貫くスタンスあってこそ。アーティスト側もほかのフェスやイベントとは違い、仲間意識を持って、心からこの場所を楽しんでいるのが感じられるのがイイ。
会場をイイ感じに盛り上げてくれる、FM802『UPBEAT!』の「カトマキ」ことDJ加藤真樹子のMCも「ボク踊」ならではの風物詩だ。
ようやく規制のない状況でライブが楽しめるようになった今年。新大阪から約15分とは思えない緑豊かな公園で、いい音楽を聴きながら、おいしいビールを飲んで、気持ちよく踊る。ありふれた奇跡を音楽を愛する熱い人々と一緒にかみしめに行こう。チケットは前売6300円、20歳以下3800円、など。チケットは8月18日までファイナル先行受付中。
文/井口啓子
『たとえばボクが踊ったら、#005』
日時:2023年9月9日(土)・12:00〜
会場:服部緑地野外音楽堂(大阪府豊中市服部緑地1-7)
料金:全自由6300円、タオル付7500円、U-20(20歳以下)3800円、グループ(3名)18000円、屋根付きステージバック指定席9000円
※別途ドリンク代(600円)必要 ※小学生以下は保護者同伴に限り入場無料(保護者様1名につき1名まで)
※U-20は年齢確認が出来る身分証明書の掲示が必要
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