わずか2%のエリートのみ、淡路島グルメ・生しらす誕生秘話

2023.5.21 10:00

港に水揚げされたしらす 提供:淡路島観光協会

(写真5枚)

GW前に解禁日を迎え、今年も淡路島に「しらす」の季節がやってきた。なかでも「生しらす」は、今でこそ人気の島グルメとして知られるが、以前は岩屋港の漁師だけが知る幻の絶品食材だったという。

■ わずか2%のエリート・生しらす

「しらす」はアシが早くて傷みやすく、釜揚げや天日干しをする事で保存性を高めてきた。しかし「生しらす」が持つおいしさをもっと多くの人に味わってもらいたい、と島では開発をスタート。

港に水揚げされたしらす 提供:淡路島観光協会
港に水揚げされたしらす 提供:淡路島観光協会

2011年、水揚げ直後に競りを飛ばし、見た目・口触り・食感・味など、鮮度そのままに近くの工場で瞬間冷凍する画期的な手法が編み出され、加工業者・料理人らと試行錯誤を重ね、「淡路島の生しらす」として販売を始めたそうだ。

とはいえ、実は「淡路島の生しらす」と名乗ることが許されるのは、水揚げされたしらすのなかからベテラン職人が目利きで「きれいもん」と認めた最高鮮度のもののみ。その量わずか2%程度と、まさに選ばれし希少なブランド食材なのだ。

■ ますます賑わう「生しらす」シーズン

そして、「生しらす」を味わうことができる飲食店、取り扱い店も、北淡路ブランド推進協議会が認定した店舗のみ。2023年度参加店の情報は現在、サイト「淡路島グルメガイド」で公開されている。

食の宝庫と言える淡路島で、3月のサクラマス、4月のサワラに続く生しらすのシーズンが到来し、淡路島観光協会の北原聖士さんは、「本格的な夏を前にますます賑わいを見せています。丼を中心にそれぞれの店が競う絶品料理からお気に入りを見つけてほしい」と語る。

■ 2023年度参加・全68店舗より抜粋

「道の駅あわじ おさかな共和国えびす丸」

「道の駅あわじ おさかな共和国えびす丸」の「生しらす丼」
「道の駅あわじ おさかな共和国えびす丸」の「生しらす丼」

「淡路島の生しらす丼」の総本山的存在。一番人気の「生しらす丼」1000円は、年間販売数約10万食の実績。今年は生しらすの味が際立つ「特製白ポン酢」にもこだわった逸品がお目見え。明石海峡大橋の広大な景色と共に堪能できる。

住所:淡路市岩屋1873-1
営業:朝9時半~夕方5時半(土日祝は朝9時~)・無休

「淡路島タコステ」

「淡路島タコステ」の「生しらす丼」
「淡路島タコステ」の「生しらす丼」

週末でも比較的ゆっくりとくつろげる穴場的スポット。気軽なフードコートながら、ほんのりとした甘みと食感が魅力の生しらすの味わいを最大限に活かした本格的な「生しらす丼」1000円に舌鼓。絶景が広がる屋外席の開放感も格別だ。

住所:淡路市岩屋1414-27
営業:昼11時~夕方4時・水曜休

「美湯松帆の郷」

「美湯松帆の郷」の「生しらす丼」
「美湯松帆の郷」の「生しらす丼」

明石海峡大橋の袂に立つ温泉施設。淡路島の新鮮な生しらすをオリーブオイルと海鮮醤油、黒胡椒でアクセントを加え洋風に。ほかにない組み合わせで新たな味わいを楽しめるハイカラな「生しらす丼」1380円だ。

住所:淡路市岩屋3570-77
営業:昼11時~夜9時(最終入館)・第1木曜休

取材・文/みやけなお

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