大阪・奈良・京都を結ぶ観光特急「あをによし」１周年ツアーとして、「中川政七商店」（本社：奈良県奈良市）とコラボした奈良を楽しむ限定ツアーが登場。電車での抹茶点て体験をはじめとするユニークな内容となっており、初回分は完売、７月分の申し込みはゴールデンウィーク明けを予定している。

旅の始まりは、大阪難波駅。現在の茶道の原型「わび茶」が創始されたといわれていることから「茶道発祥の地」といわれる奈良に向かう道中で、まずは同社が運営する茶道ブランド「茶論」講師によるレクチャーがスタート。各自で茶筅を使い、抹茶を点てる本格的なお茶会が車内で楽しめるのがおもしろい。

抹茶のお供には、甘酸っぱいすももジャムがアクセントになった濃厚なチーズケーキが提供される。日本最古のチーズ「蘇」が奈良発祥といわれていることに加え、和菓子以外との組み合わせの可能性を知ってほしいとの思いからだという。

「近鉄奈良駅」で下車後は、徒歩で「鹿猿狐ビルヂング」（奈良県奈良市）へ向かい、「かや織ふきん染め」のワークショップを体験。かつて奈良の一大産業だった「蚊帳」に使用された生地のふきんは、現在の奈良土産の定番のひとつで、ビー玉をふきんに包んで輪ゴムできつく縛ることで白い模様を出し、ピンク、ブルーの染料をかけると、世界にひとつだけのかや織ふきんの完成。旅の思い出に持ち帰ることができる。

ワークショップ後には、築およそ２００年の同社蔵にあるショールームや築１３０年の母家を活用したショップを見学。その後、すき焼きレストラン「㐂つね（きつね）」での昼食をとって、ツアーは締めくくられる。

グッズ類も今回のコラボに際して制作し、観光特急「あをによし」の限定刺繍が入ったハンカチ（１５５０円、車内販売）やふきん（７００円、車内＆オンライン販売）、また奈良のトラベルガイドブック「奈良旅めぐり」（無料、同社直営店＆あをによし車内ほかで配布）なども。広報担当者は、「数年前から街づくりの事業を行っていて、今回のコラボもその一環です。奈良の魅力をもっと多くの人に知ってもらい、奈良の街を盛り上げたい」と意気込む。

『観光特急あをによしで行く！電車でお茶会！おとなの手習いツアー』初回の６月分は既に完売。７月の追加日程（「大阪難波発・近鉄奈良駅着」の１本）についてはゴールデンウィーク明けに販売開始予定、チケット販売はウェブ予約のみ。

取材・文・写真／宮口佑香