生きる伝説・田中泯のダンス公演も、京都の劇場の「2023年」

2023.5.7 20:00

2019年6月にオープンした「THEATRE E9 KYOTO」の外観

(写真3枚)

京都の民営劇場「THEATRE E9 KYOTO(以下E9)」(京都市南区)が、2023年度の公演ラインアップを発表。「生きる伝説」と言われるダンサー・田中泯の公演などが上演される。

■ 開業から5年目、今年の注目ラインアップは?

「E9」は、2016年以降急速に減った京都の小劇場を取り戻すべく、クラウドファンディングなどで資金を調達して、2019年に開館。劇団だけでなく、劇場2階のコワーキングスペースでビジネスマン対象のワークショップなど、一般の人たちも巻き込んだユニークな企画も展開している。

2023年度は、現時点で計40の公演・イベントが決定。演劇だけでなく、現代アートの展覧会やパーカッションの演奏会、スタッフワークの講習など、非常にバラエティに富んだラインアップとなっている。芸術監督のあごうさとしは、今年度の特徴として「開館以来、地域性・現代性・他分野共同などの特性を大事にしてきましたが、それに加えて若手支援と人材育成、市民参加の要素を強めました」と語った。

■ 「そこで生まれるダンスを描いていきたい」(田中泯)

そのなかには、2022年にドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』が公開された田中泯の公演も。開館以来毎年特別公演をおこなっていて、2024年2月に公演を予定。会見にはビデオメッセージで参加し「1番寒い季節にE9にやって来ることを繰りかえし、新しい踊りの場、そこで生まれる僕、そこで生まれるダンスを描いていきたい」とコメントを寄せた。

ダンサー・田中泯の公演は、2024年2月上旬を予定している

また近々の公演で注目なのは、寺山修司や唐十郎と並んで、60~70年代のアングラ演劇を盛り上げた佐藤信演出演出の『波止場のひとり舞台』(5月26~28日)だ。久々の関西公演に佐藤は「今年で演劇をはじめてから60年。ひとつの作品で全国の小劇場を回り、長く上演を続けていくためには、どういうツアーができるのか? を、ここで探りたいです」と力強い言葉を会場で語っている。

5月26〜28日に上演される『波止場のひとり舞台』では、「森の直前の夜」と「ラストダンス」の2演目の上演が予定されている(日程ごとに演目が異なる)

■ 劇場に通いたいなら…「年間パスポート」も

E9の会員制度「サポーターズクラブ」の入会金は、一般3万円、26歳以下2万円、特別会員5万円。劇場で上演される全公演を、1公演につき1回無料で鑑賞できるので、1カ月に1・2本見れば元が取れる。地方に行く機会が多い人なら、東京の「こまばアゴラ劇場」をはじめとする、全国各地の連携劇場でも同様の特典が受けられるので、さらにお得だ。

またE9周辺エリア(山王学区、崇仁学区、陶化学区、東和学区)に居住または勤務する人は、1万2000円で会員になれる。こちらは連携劇場の無料特典は付いていないが、非常に格安なのは間違いないので、該当する人はぜひ加入してみて。

取材・文/吉永美和子

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