大阪・福島の商店街に「小さな劇場」がオープン、フラッと気軽に

2023.3.2 18:45

3月3日にグランドオープンを迎える「聖天通劇場」(大阪市福島区)

(写真4枚)

JR福島駅すぐの「聖天通商店街」に、新しい小劇場「聖天通劇場」(大阪市福島区)が、3月3日にオープンする。演劇と演芸、そして舞台芸術と地域の人々の新たな架け橋となることを目指す場所だ。

■ 座席は28つ、アットホームな雰囲気に

劇場を作ったのは、平田オリザの劇団・青年団に所属する俳優・永井秀樹。もともとこの商店街で生まれ育ち、3年前に家業を継ぐために帰阪。実家が所有していた古いビルの再利用を検討するなかで「劇場を作る」という案が浮上し、実現にいたった。

「聖天通劇場」を立ち上げた俳優・永井秀樹

席数は28と小規模ながらも、天井は4メートル近い高さがあり、狭さを感じさせない。また、自らも役者をやっている経験を活かし、楽屋もゆったりとした理想的な空間に。将来は、ここでトークイベントやワークショップをおこなう構想もあるそうだ。

広々とした「聖天通劇場」の楽屋スペース

■ 盛りだくさんの「こけら落とし」シリーズ

3月いっぱいおこなわれる『聖天劇場こけら落としシリーズ』では、オリンピックを題材にした青年団の作品の2本立て公演に加えて、落語や講談の舞台もおこなわれる。この狙いについて「『劇場』というと、演劇に特化したイメージをどうしても持たれてしまうので、それを払拭したかった」と永井は語る。3月17・18日には、永井も短編ひとり芝居を上演する予定だ。

「ドイツのトリアという小さな町では、一般の人たちも芝居を作って、みんなで感想を語り合っていたことに、あこがれを感じました。地域に密着して、いろんなものを観て、いろんなことをちゃんと言えるお客さまを育てていければ」と、劇場の理想を語る永井。商店街の飲み屋さんに入る気分で、ふらりと立ち寄れる、限りなく敷居の低い劇場に育っていきそうだ。

商店街のなかに、溶け込むこよう佇む「聖天通劇場」

『聖天通劇場こけら落としシリーズ』は、3月3日は『柳家喬太郎独演会』、3月17・18日は『旭堂小南陵・旭堂南龍講談会 with 永井秀樹一人芝居』、3月23日~26日は青年団『コントロールオフィサー』+『百メートル』2本立て公演を開催。各公演の開演時間、料金などは公式サイトにて。

取材・文/吉永美和子

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