政界を舞台に権力に踏みつけられた男・鷲津亨の壮絶な復讐劇が描かれる、草彅剛主演のドラマ『罠の戦争』（月曜夜１０時～／カンテレ）。その第７話が２月２７日に放送された。

議員秘書だった鷲津亨（草彅）が自ら議員となり、家族を傷つけた権力者たちに復讐の罠を仕掛けてゆく本ドラマ。第６話では息子・泰生を歩道橋から突き落とした事件について、厚生労働大臣・鴨井ゆう子（片平なぎさ）が深く関わっていることが明らかになった。

今回の第７話では、鷲津の仕掛けた罠で、ついに事件の隠蔽を認めた鴨井大臣。鷲津から私欲のために息子をも犠牲にしたと責められ「狂ってるわね。ええそう！でも大臣になるって、そういうことじゃない？」とピシャリと笑顔で言い放つシーンは、さすが片平なぎさ！と唸らされた。

そんなベテランの名演技の一方で、フレッシュな存在感を放っているのが、鷲津の秘書・蛍原梨恵を演じている小野花梨だ。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のヒロインの幼なじみ・きぬちゃん役でブレイクした彼女。あどけない愛らしさのなかにユーモアと切なさを漂わせる佇まいが魅力で、第７話でも秘書仲間の蛯沢眞人（杉野遥亮）とともに、鷲津のために奮闘する姿がチャーミングで微笑ましかった。

また、蛯沢くんの天然トークをサラッといなす姿も「蛍原さん」の萌えポイント。第７話では蛯沢くんの誕生祝いに生姜焼き定食を奢ってあげた蛍原さん。「蛍原さんは誕生日いつですか？ 一緒に過ごす人とかは？ もしあれならお返し･･･」という蛯沢くんの必死のアピールをまたしても華麗にスルー。そんな２人の掛け合いは、文字通りの「罠の戦争」である本作のなかで、ホッとできる一服の清涼剤となっている。

親子のように慕いあっている鷲津と蛯沢くんをいつもそっと見守っている蛍原さん。彼女は蛯沢くんの兄の仇が、実は鷲津であることを知っている唯一の人物でもあるだけに、鷲津と蛯沢が残酷な事実と向き合う日、２人を救うキーパーソンとなるはず！？ まだまだ終わらない、鷲津の復讐と鷲津自身が犯した罪の行方をじっくりと見守りたい。

文／井口啓子