高度な演技論を伝授、イッセー尾形の「芝居ワークショップ」

2023.2.25 19:15

俳優・イッセー尾形(22日・大阪市内)

(写真2枚)

50年近く、市井の人々の姿をユーモラスに描いた一人芝居に挑み続け、いまや「一人芝居」の代名詞と言える存在となっている俳優・イッセー尾形。そのイッセーとともに、3日間じっくりと芝居づくりをするワークショップの参加者を募集中。しかもプロ向けではなく、むしろ素人との出会いを求めているそうだ。

一人芝居のみならず、マーティン・スコセッシ監督『沈黙―サイレンス―』などで、海外からも高く評価されるほど、高度な演技力を誇るイッセー。しかし人に教える機会はあまり多くなく、大阪ではこれが初めてのワークショップとなる。

プロの俳優でも、ぜひ教えを請いたいという人が多いはずだけど、イッセーはむしろ「ステージ慣れしていない人に来てほしい」という。

「演技の方法論を持っている人より、実際に市井で生活をしている人の方が、リアリティとインパクトがあるのでは。それと出会えないか? という賭けだと思ってます」と理由を語り「限定された期間を有効に使って、なにかしらのものを次の世代に与えられたら」と意欲を見せる。

3日間みっちりと演技の勉強をして、最終日には作品の発表会と総評をおこなうという、かなり密度の濃い内容。教えるのは当然一人芝居・・・と思いきや「一人芝居を教える気はありません」とキッパリ。

楽しげにポーズを取るイッセー尾形、ワークショップは2023年4月に開催される

「一人芝居をやるためには、まず『人としゃべるというのはどういうことなのか?』というのを、体験しないといけないんです。一人芝居は非常に特殊でいびつなので、それを先に教えたら、えらいことになる」と理由を語り「今回は最終的に、人物が2人以上出てくる芝居を立ち上げたい。でも、ただただ黙ってる2人だとか、通常のドラマツルギーのものにはならないと思います(笑)」というから、この芝居が生まれる現場に立ち会えるだけでも、参加する価値は相当ありそうだ。

ワークショップは4月7日~9日に、「あべのハルカス近鉄本店」内の「SPACE9」(大阪市阿倍野区)で開催。料金は2万円で、参加人数は15名程度を予定。応募資格は25~65歳ぐらいの、日本語でコミュニケーションが取れて、3日間連続で参加できる人となっている。応募締切は3月24日。

取材・文・写真/吉永美和子

舞台『イッセー尾形の妄ソー劇場 日替わりプラス1』

会場:近鉄アート館(大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス近鉄本店 ウイング館 8F)
期間:4月12日(水)〜16日(日)
料金:5500円

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