生田絵梨花「私自身のイメージを、はみ出していけたらいいな」

2023.1.29 08:45

ブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』で主演をつとめる生田絵梨花

(写真6枚)

幼い頃からミュージカルを夢見て、それを体現するかのごとく数々の大舞台で存在感を放つ女優の生田絵梨花。近年のミュージカル界を話すうえでは欠かせない女優のひとりだ。

今回、日本初演のブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』での単独主演が決まっている彼女。意地悪(=ミーン)でスクールカーストが根付く同作は、これまでの正統派なイメージとはかけ離れているが、意外にも彼女にとっては「ドンピシャだった」んだとか。常に変わり続け、高みを目指す等身大の生田が、今見ているものとは?

 取材・文/Lmaga.jp 写真/Ayami

■ 「印象に残っている言葉は『お客さんも、笑いたいんだと思う』」

──主演舞台『MEAN GIRLS』は、実際にブロードウェイにも観に行かれ、衝撃を受けたと仰っていましたね。行かれたのは、主演が決まる前だったのでしょうか?

はい、お話しをいただく前でした。その前に『トニー賞』授賞式の中継スタジオに行かせていただいて、ノミネート作品のショーを観ました。日本では女性が中心となるポップなミュージカルって少ないですし、こんなガールズパワーが炸裂している作品ってすごく楽しそうだなと思って。そのあとにブロードウェイを観に行きました。

「稽古を重ねていくうえでピンクの服が増えた」と話す生田絵梨花

──そうだったんですね。コテコテの学園ドラマだし、登場人物みんなスクールカーストに染まる女子たちで、色濃くて。正直日本では上演されない類いのミュージカルなのかな、と思っていました。

確かに、日本で上演するには文化の違いもありますしね。

──同作がブロードウェイで上演されていたとき、お客さんも派手な服で観劇するなど、演者・観客ともにお祭りのようなムードになっていたとか。それはこのエネルギッシュな作品ならではとも思いますが、日本だとどうなると思いますか?

そこも難しさがありますよね。お客さんたちが置いてきぼりにならないよう、私たちが引っ張っていかないといけないなと、思いますね。

──それはいつも生田さんが出演されているグランドミュージカルやストレートプレイの演劇とは、またひと味違った感覚、アプローチなのでは?

そうですね。演出家の香さん(小林)に言われて印象に残っているのは、「観に来てくれるお客さんも、笑いたいんだと思う」という言葉です。それは「この作品を見て笑いたい」という単純な笑いじゃなくて。いろいろ抑圧されたり制限されたこのご時世で、キュッとなにか見えないものに閉じ込められちゃうような感覚って少なからずあると思っていて、いろいろな方に楽しんでもらえたらうれしいです。

──一緒に発散するといった感じですかね。改めて原作を見かえすと、登場人物みんな(個性を)叫び続けているではないか!と感じました。この作品だと一緒に叫んでもいい、なんだかそんな気分になれる不思議な作品だと思いました。

声は出せないけど、お客さんのなかからもフツフツとなにかが湧き上がってきたり、そういう作品になればいいなと思いますね。

自身も惚れ込んだ作品『MEAN GIRLS』について、楽しげに語る生田絵梨花

──今回演じるのは主人公ケイディですが、劇中は4人の女子を中心に物語が進んでいきます。無垢で無邪気なケイディ、スクールカースト上位のレジーナ、誰かのあとについていたいグレッチェン、おとぼけな天然カレンと・・・癖の強いキャラクターたちがいますが、内面的に近いのは誰ですが? 唐突にすみません(笑)

難しいですね。でもこのなかで言ったら1番ケイディが近いのかなと思います。私も案外周りの環境や人によって影響を受けて変わりやすいタイプでもあるので。ケイディも自発的に変わったというよりは環境がそうさせたという役柄なんです。

ブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』

会場:森ノ宮ピロティホール(大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5)
期間:2/23(木・祝)~2/27(月)
料金:指定席1万3500円、指定席 U22割チケット8500円

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