三谷作品の再演ラッシュ、「新しいものを書きたい」のになぜ?

劇作家の三谷幸喜。代表作『笑の大学』が2023年に再演される
2022年は、自らの演出で再演した『ショウ・マスト・ゴー・オン』に加えて、ホラーコメディ『VAMP SHOW ヴァンプショウ』も、河原雅彦演出で21年ぶりに復活するなど、過去作品の再演が続いた。しかし三谷幸喜は、出演する俳優に当てて脚本を書くことに強いこだわりを持ち、ほかの俳優で上演をおこなうことはめったにないので、これほど再演が続くのは「珍事」と言える。
■ 「自分も何年生きられるかわからないから」
その理由について「大河を書きながら新作(舞台)を書くという器用なことはできないけど、舞台には関わっていたかったので、(大河の直後は)再演をやろうと決めていました。『昔に戻りたい』『初心に帰りたい』という思いとは、全然別のところから来ています」と語る。
「本当のことを言うと、再演をする時間があるなら新作を書きたい」と言うほどの新作主義。だが立て続けに再演をしたことで、少し心境に変化が出てきたそう。
「あと自分も何年生きられるかわからないから、再演よりも新作を書きたいと思うんですけど、『ショウ〜』のときに『あの作品がまた観られる』と喜んでくださる方が多かったので、僕の考えも少し変わりつつあります」と語りながらも、「再演をするなら『前の役者の方がよかった』なんて絶対に言われたくない。俳優さんが違うなら、それだけ新しいものにならないと意味がないと思います」と、再演ならではのこだわりを見せた。
■ 「今は自分自身に制約を作ることも」
今回瀬戸康史が演じる喜劇作家・椿は、ドラマの脚本など新しい挑戦を始めた頃、プロデューサーたちからダメ出しを喰らい続けていた、三谷自身を反映したキャラクター。内野聖陽が演じる検閲官・向坂(さきさか)の執拗な検閲を逆手に取り、脚本をさらに笑えるものにアップデートしてしまうのが本作の見どころだが、その状況は今の三谷にとっては、逆に理想的にも見えるそうだ。

「キャリアを重ねて、周りが年下の人が多くなったせいか、今は若いスタッフさんたちが、僕にとても気をつかってくださっているような気がするんです。僕や椿さんみたいに、制約があるからこそ好きなことができる人間は、なんでも自由になったらやりにくいことも多い」と意外な本音を語ったうえで「だから今は、自分のなかで『検閲官』を作って、自分で出した無理難題を、自分に課すこともあります」と明かした。
『笑の大学』は、2月の東京公演を経て、大阪では3月23日~26日に「サンケイホールブリーゼ」(大阪市北区)で、兵庫では4月13日〜16日に「兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール」(兵庫県西宮市)にて上演。チケットは1万円で、2月26日に発売開始。
取材・文/吉永美和子
『笑の大学』
大阪公演
会場:サンケイホールブリーゼ(大阪府大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼタワー7F)
期間:2023年3月23日(木) ~ 26日(日)
料金:1万円
兵庫公演
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール(兵庫県西宮市高松町2-22)
期間:2023年4月13日(木) ~ 16日(日)
料金:1万円
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