宗派を超えた奈良・4ケ寺の蓮めぐり、初の電子チケット導入

2022.6.17 07:15

宗派を超え、蓮を楽しむ企画をおこなう奈良市西ノ京エリアの4ケ寺。左から薬師寺(法相宗)の安田 奘基さん、喜光寺(法相宗/薬師寺別格本山)の小林澤應さん、西大寺(真言律宗)の佐伯俊源さん、唐招提寺(律宗)の石田太一さん(6月15日・唐招提寺)

(写真9枚)

宗派を超えて、奈良市の西ノ京エリアの4ケ寺(薬師寺、唐招提寺、喜光寺、西大寺)で蓮をめぐる人気イベント『奈良・西ノ京ロータスロード 〜蓮と歴史を楽しむ旅〜』が、6月16日からスタートした。

■ 初夏から夏にかけて見頃を迎える蓮の花

毎年6~8月にかけて、蓮の花とともに朝のお寺めぐりを楽しんでもらおうと、4ケ寺と「奈良市観光協会」が企画している同イベント。9回目を迎えた今年は、お得に周遊できる「四ケ寺共通拝観券」(3000円)に初の電子チケットを導入。家族で楽しめる企画(唐招提寺・朝がゆ体験)も増え、パワーアップした。

同協会の高橋一(はじめ)専務理事は、「宗派を超えた共通拝観券はとても珍しく、電子チケットの導入は関西初になります。非接触で観光の中心である奈良公園エリアばかりでなく、奈良市の西部も楽しんでもらえたら」と説明。

世界遺産・薬師寺の蓮は、12年の修復修理を終えた奈良時代の「東塔」周辺に

共通拝観券を提示すると各寺で授与される今年の「ロータスロード特別御朱印」(オリジナル散華付き/別途300円納経料)は、仏教で智慧(ちえ)を表す「五色」のうち、青色だという(昨年は黄色)。

奈良時代に戒律を伝えた中国の高僧・鑑真和上が創建した「唐招提寺」の石田太一執事長は、和上が唐からレンコンを持ってきた故事にちなみ、和上ゆかりの珍しい3種類の蓮(唐招提寺蓮、唐招提寺青蓮、奈良蓮)があることを紹介。

さらに「実は金堂は蓮だらけなので、ご本尊の廬舎那仏(るしゃなぶつ)には863の蓮があります。お堂のなかの蓮の造形を探してみてください」と、新たな楽しみ方を伝授してくれた。

蓮の花の最盛期は7月だが、各寺によって見頃の時期が異なるため、期間中は比較的いつ訪れても楽しめる。4ケ寺のなかで約80種250鉢ともっとも蓮の種類が多い、奈良時代の名僧・行基ゆかりの「喜光寺」小林澤應(こばやしたくおう)副住職は、「今までコロナで家に閉じこもり、心が悶々としていたと思いますが、蓮を見て心を開き、心豊かな気持ちになっていただけたら」と呼びかけた。期間は8月16日まで。

■ 写真教室やパステルアートなど企画も満載

期間中は、毎年人気の『写真教室 in 薬師寺』(7月1日)をはじめ、『四ケ寺の僧侶と巡るロータスロード』(6月26日)、子どもと一緒に楽しめる『紙で作る私のハス〜ハスワーク in 西大寺』(7月16日)、『喜光寺でパステルアート教室』(7月30日)などの企画も開催。

さらに、奈良市観光協会では「もっと奈良の朝を満喫してもらおう」と、お寺やツアー等で朝活体験への参加、または朝活対象店舗を利用した観光客に対し「朝活クーポン」1枚を進呈。ロータスロードでも同クーポンが進呈され、対象店舗や・施設でさまざまな特典が受けられるという。

取材・文・写真/いずみゆか

『奈良・西ノ京ロータスロード』

期間:2022年6月16日(水)〜8月16日(火)

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