まるで絵のよう…不思議が詰まった、写真家・佐藤健寿の個展

2022.4.2 07:45

《マンモス公園 / 中国》 2018年 (C)KENJI SATO

(写真6枚)

世界120カ国以上を巡り、異形の建築物や廃墟、自然の奇景、奇妙な風俗などを捉えて来た写真家・佐藤健寿(1978年~)。「奇界写真」と呼ばれる彼の仕事を集成した個展が、4月2日より「西宮市大谷記念美術館」(兵庫県西宮市)で開催される。

「奇界写真」とはどんなものなのか。たとえば、彼の作品『エリア51』は、UFOや宇宙人の研究・交流を密かにおこなっているのではないかと噂されるアメリカ合衆国の一地区が舞台の、なんとも言えない不気味さが漂う写真だ。

《Area51,United States》 2006年 (C)KENJI SATO

また、中国の「マンモス公園」やベトナムの「スイ・ティエン公園」など、型破りな建築や構造物で人の目を驚かせる施設を捉えたものや、神戸の「摩耶観光ホテル」、有名な廃墟地・長崎の「軍艦島」など、普通の人がなかなか足を踏み入れることができない、でも興味をそそらずにはいられない場所を、美しくもドラマチックな写真作品として我々に提示するのが、佐藤の持ち味である。

格安航空会社・LCCやグーグルアースの普及により、世界の距離はぐっと縮まった。それでも佐藤の写真を見れば、世の中には不思議なものがまだまだある、世界は広い! と実感できるだろう。いつの世も人間という生き物は、不思議を欲せずにはいられないのだ。開催期間は4月2日から6月5日まで、一般1200円ほか。

文/小吹隆文(美術ライター)

『佐藤健寿展 奇界/世界』

日程:4月2日(土)~6月5日(日) 
時間:10:00~17:00 ※入館は16:30まで 水曜休 ※5月4日(水)は開館
会場:西宮市大谷記念美術館(西宮市中浜町4-38)
料金:一般1200円、大高生600円、中小生400円
TEL:0798-33-0164

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