「神戸国際松竹」が66年の歴史に幕、特別イベント賑う

3月17日に営業を終了する「神戸国際松竹」(神戸市中央区)
多年にわたり、地元民や関西の映画ファンから愛され続けた映画館「神戸国際松竹」(神戸市中央区)が、3月17日をもって閉館する。
同館は1956年に旧神戸国際会館内で開業。95年の阪神・淡路大震災で建物が全壊するも、新会館が再建された99年から営業を再開するなど、「震災復興の象徴」として映画ファンのみならず、被災者たちに希望を与えてきた。
今回惜しまれつつも66年の歴史に幕を下ろすが、震災後の長田区で撮影された『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(1995年作品)が現在特別上映中で、13日には『ありがとう神戸国際松竹』と題したトークイベントが催され、135名のファンが来場。用意されたチケットは完売となった。

トークショーに登壇した松竹撮影所の⼤⾓正代表取締役会長は、「山田監督は長田の街を調べつくし、被災から逃れてテント暮らしを余儀なくされている現実を見て回った」と当時のエピソードを話し、主演の渥美清も「多くの方が亡くなられたなかで、ぼくらは映画を撮っていいのだろうか」と心境を吐露していたことを明かした。また、葛藤があるなかでの撮影だったが「この街を知れてよかった。撮影できてよかった」としみじみ振りかえった。

さらに、会場には山田洋次監督からビデオメッセージも届き、「神戸の街は寅さんシリーズの最終回で、被災の跡地で締めくくれたのは誇りに思う。参加してもらったエキストラの方々やロケーションを提供してもらったお店に感謝している。これからも末永く映画を愛してもらいたい」と、イベントに花を添えた。
イベントに参加した、神戸市内に住む60代の女性は「当時の撮影秘話などが聞けてとても有意義だった。震災をはじめ色々な思いを馳せて感慨深い。松竹映画館が無くなるのはとても寂しいが、新しい形でスタートすると聞いて安心した。新たなシンボルとして注目していきたい」と、今の心境を打ち明けた。
なお、同館の4スクリーン計520席の上映施設は「キノシネマ」に引き継ぎ、「キノシネマ 神戸国際」として、4月1日より新たにオープンする。
取材・文/川野学志
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