若手歌舞伎俳優が集結、中村隼人「現代の感覚を超越したい」

左から中村橋之助、中村米吉、坂東巳之助、中村壱太郎、中村隼人 提供:松竹
20~30代の若手歌舞伎俳優たちが、新作から舞踊まで多彩な作品に挑戦する『三月花形歌舞伎』。出演者の坂東巳之助、中村壱太郎、中村米吉、中村隼人、中村橋之助の5人が1月28日、リモート会見をおこなった。
今回上演するのは、有名な怪談を重厚な恋愛話に改訂した『番町皿屋敷』と、滑稽さと祝祭性にあふれた舞踊『芋掘長者』の2つ。昼の部と夜の部で、歌舞伎では珍しいダブルキャスト制となっている。
『番町皿屋敷』の主人公・播磨は隼人と橋之助、身分違いの恋人・お菊は、壱太郎と米吉が演じる。巳之助は両方の公演で、播磨の男友達・放駒(はなれごま)の役で登場。隼人と壱太郎は、どちらもこの役は2度目の挑戦となる。
隼人は、「これは純愛の物語。現代の感覚では理解できない部分もあるけど、そういったものを超越できれば。前回は感情を出しすぎて、歌舞伎らしさを表現できなかった所があるので、そこを大事にしたい」と振りかえり、壱太郎も「前の舞台で『お菊は気持ちがどんどん動いてしまう人間だけど、それが計画的になっちゃいけない』という言葉をかけていただいたことをすごく覚えていて。今作でもそういった面が見せられたら」とコメント。
一方、それぞれ初めての役所に挑戦する橋之助と米吉。橋之助は「生々しさと歌舞伎らしさのメリハリをつけられるのが理想」と意気込み、米吉は「男も女も、恋をする相手にはどこか疑いを持ってしまうし、それは現代でも十分通じる話。作中の男の純情を描くには、女の純情にかかっている。これからしっかりつとめたい」と気合いを見せた。
もう一つの演目『芋堀長者』は、主人公をつとめる巳之助の父・十代目坂東三津五郎が、2005年に復活上演した演目。壱太郎や橋之助も「子どもの頃に観て、大好きだった作品」と口をそろえるほど、世代を問わず楽しめる舞踊作品だ。
巳之助は「好きな女性のために踊るという、見方によってはこれも恋のお話(笑)。本当になにも考えず、面白おかしく笑って観ていただける作品で、最後にはここにいる全員が、そろって舞台で踊ります。こういう状況下でも足を運んでくださるお客さまに、少しでも明るい気持ちになっていただけると思います」と、自信を見せた。
『三月花形歌舞伎』は、3月2日~13日に「京都南座」(京都市東山区)で上演。料金は一等席1万1000円ほか、チケットは2月6日から発売開始。
取材・文/吉永美和子
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