高杉真宙が今思う、役者のあり方「僕への評価は興味ない」

2022.1.27 21:00

舞台『ライフ・イン・ザ・シアター』で、若手俳優・ジョンを演じる高杉真宙

(写真3枚)

来たる3月、勝村政信と初の2人芝居『ライフ・イン・ザ・シアター』に挑む俳優・高杉真宙。直近では、バラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)内の人気コーナー『グルメチキンレース ゴチになります!』(通称:ゴチ)の新メンバーとして起用され、今注目を集めている。しかし、小学6年生で芸能界にスカウトされるまでは「役者」という職業があることも知らないほど、芝居の世界には縁遠かった。そのせいか、本腰を入れるまでは時間がかかったようだ。

「『ぼんとリンちゃん』(2014年)という映画に出てから、お芝居をおもしろいと思うようになりました。それまで色々やっていましたが、仕事という気持ちではなかったんですよね。ちゃんと仕事としてお芝居をするようになってからは、自分自身の成長する速度も上がったような気がします」と振りかえる高杉。

今回挑戦する2人芝居では、老いに直面するベテラン俳優・ロバートの嫉妬心に満ちた眼差しが、高杉演じる若手俳優・ジョンに向けられる一幕もある。高杉も同業の俳優に対して、そんな気持ちを抱くこともあるのだろうか。

「昔はあったんですけどね、なぜかなくなったんですよ。20歳を超えてからかな。10代の頃は、負けず嫌いで、常に気持ち的にトゲトゲしていてひどかったです。ただ、そんな気持ちがなくなるのもどうなのかなぁと思いながら、ここ4年ぐらいを過ごしていますね・・・」と今の心境を明かすも、それは役への向き合い方の変化でもあるという。

「負けたくないっていう気持ちがなくなって少し経ってから、僕自身に下される評価に興味がなくなった気がします。ここがよかったとか、ダメだったとか、そういう評価に対して感情が動かなくなって。それよりも役を演じるときにどんな役割が必要なのか、自分が演じることの意味を考えるようになったんですよね。僕のなかでは『作品は監督のもの』という印象がすごく強いので。極論を言えば、役だけ見てもらって、僕の名前は覚えてもらわなくてもいいと思っています」。

2021年4月には個人事務所を立ち上げ独立した高杉

そのためにも、「いろんなことを吸収したい」と意欲を見せる高杉。コメディ要素もある『ライフ・イン・ザ・シアター』は、台本に「間(ま)」と一言しか書いていない箇所もあり、間とは何かという定義にも直面している。

「間とテンポはどこにでも通じますよね。このふたつでおもしろい話もおもしろくなくなるし、聞き取りやすさ、伝わり方も違ってくるので・・・。『おもしろい間』ってなんだろう? 今はひとつもわからないですが、わからないことをやっていく、そういう現場が好きなんです。なので、もう鍛えていくしかないですね」。

初の2人芝居については、「分かんないなと思って、受けちゃいました」と、チャレンジャーな発言も。「舞台は特にいろんなものを吸収できる場。稽古時間も好きなんですけど、僕、演じているとき以上に、台本を読んで具現化してるとき・・・自分の役を作っていくときが楽しいんですよね。それが正解じゃなくても、演出家の方から言葉をもらったり、現場に入って思ったことを組み合わせていくのがおもしろいんです」と、笑顔を見せる。

終始、穏やかな口調で、飄々としている高杉だが、言葉の端々に「体育会系」を彷彿させる一面が見える。昔から知る勝村政信とがっつりタッグを組む本作についても、さまざまな思いを抱えながら気合を入れる。

「自分が何をどのくらい見せられるかわからないから、『期待していたものとは違う』と言われると本当に嫌なんですよね。なので、直球で言うと今の気持ちは『憂鬱』です(笑)。でもやるしかない。いつだってそんな気持ちです。何事も『やるしかない』で解決するので、今回も根性で乗り切ります!」。

『ライフ・イン・ザ・シアター』は3月3日の東京公演を皮切りに、大阪では同月19日より「サンケイホールブリーゼ」(大阪市北区)にて上演。チケットは全席指定8500円、現在発売中

取材・文/岩本

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