「兵庫にテーマパークを」バズ造形社・匠工芸、夢の根源は?

2022.1.3 19:15

代表・折井 匠さん

(写真5枚)

『魔法陣パーティション』や『金属の巨大斧』など、まるでゲームアイテムのようなおもしろコスプレ造形物で、たびたびSNSを騒がせているプラスチック加工会社「匠工芸」(兵庫県高砂市)。一見おふざけのようで、商品のクオリティは本気そのもの。そのひらめきはどこからきているのか? 代表・折井匠さんに話を聞いた。

話題になった『魔法陣パーティション』

◆「わくわく」を思い出すまでの紆余曲折

──今やバズり会社としてSNS界隈でも有名な「匠工芸」さんですが、元はコスプレ造形を手掛けていなかったとか。現在に至るまでの経緯を教えて下さい。

元々看板加工などをおこなう会社で働いてまして、造形物が好きでした。そんななか、プラスチック材などをミリ単位で切削加工できる装置「NCルーター」に出合いまして・・・魅了されました。それで30歳で前職を辞めて、1000万円ほど借金をして装置を購入し、「匠工芸」を立ち上げたんです。

──すごい惚れ込みですね。そこからすぐに造形商品は造らず・・・ですよね?

最初は普通の看板とかディスプレイ什器を造ってたんですが、これがうまくいかなくて(笑)。必死に稼いでも、機械のローンと家賃でお金が出ていって、また必死に稼いで・・・それを繰り返していたら一時は鬱病のような状態になってしまいました。

折井さんが惚れ込んだ「NCルーター」

──会社をたたもうとは思いませんでしたか?

思いましたよ。けど、「もう少しがんばれ」って周りに言われたんです。それで、自分は何がしたいかなぁって考えたら、大好きだった『機動戦士ガンダム』や『ドラゴンクエスト』を思い出しました。学生の頃は一日中『ガンプラ』を造ってゲームしてたなぁって・・・そこから夜な夜な「NCルーター」で武器の造形物を造る日が始まりました。これが楽しくって!

◆「楽しい」が商売軌道に

──最初は娯楽のような感覚で造ってたんですね。

いくら辛くても、仕事が終わってから武器を造っているときは元気がでました! ですが、従業員に「なにしてんだ・・・」って言われるようになりまして。そりゃそうですよね(笑)

「匠工芸」(兵庫県高砂市)内の武器屋

──たしかに、社長が夜な夜な商品でもない武器を造ってたら怖いかもしれないです(笑)

だからどうにかしなきゃって思い、剣だけを持って世界最大級の造形物の祭典『ワンダーフェスティバル(ワンフェス)』に出店したんです。最初の数年は売上0円だったものの、1万円弱の短剣を販売したらどんどん売れるようになって・・・感動でしたね。「本当に買うんですか!?」「実用性ないですよ?」って何回も聞きました。

──でも買ってくれるお客さんがいたんですね。

みんな用途はバラバラでしたよ、コスプレ用とか飾る用とか。でも、好きで造ったものが商売になったということが本当にうれしくて・・・。

◆コロナ禍で一転、一大バズり企業へ

──そこから一気に軌道に乗ったんですね!

いえ、ところがここでコロナ禍になり・・・イベントも中止が相次いですべてがストップしてしまいました。そんななか、感染対策グッズの需要を受けて発売した『魔法陣パーティション』がSNSで大バズリしたんです。

──バズり企業の爆誕ですね。2021年末に発売された巨大斧もすごい話題でしたが、今後もおもしろ造形をどんどん発売されていくんでしょうか?

これだけ武器を開発したので、次は「モンスターを倒したい」と思って、アトラクションを造ってるんです! スクリーンに映しだされたモンスターを、センサーを使用して倒す・・・めちゃくちゃワクワクしませんか!?

代表・折井匠さん(左)と巨大斧

──どんどん夢が広がりますね、最高です。

夢はもっとありますよ。いつかはテーマパークを造りたいですね、ホテルとかも建てちゃって・・・。島でオープンしたらおもしろいかも!? 船で渡って入場するんです(笑)。まだまだおもしろい企画を生み出していきますよ!

──期待してます! ありがとうございました。

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本