オシャレよりもおもしろ路線へ…二度見必至の蛇口は大阪生まれ

2022.1.3 14:15

【カクダイ】の商品名「誰や! パイプ上向けにしたん?」(10500円)

(写真14枚)

アヒルやおでん、やかんなど・・・思わず二度見してしまうインパクト抜群の蛇口。作っているのは、大阪の水道用品メーカー「カクダイ」(本社:大阪市西区)だ。取り扱う約2万点のなかでも、SNSでもたびたび話題となるおもしろ水栓ブランド『Da Reya』シリーズについて、広報担当者に話を訊いた。

■ 社員やインターンシップの学生のアイデアも採用

──以前、ホームセンターでアヒルの蛇口を見てびっくりしたことがあったんですが、それも「カクダイ」さんでした。おもしろ蛇口を作り始めたきっかけは何だったんですか?

もともと弊社では、大手メーカー製品の代替蛇口・交換部品の製造・販売をしていました。昔は蛇口の材質や厚みなど細かく規定があったため、どのメーカーでも互換性があったのですが・・・。規定が緩和されて各メーカーが独自の規格で蛇口を製造するようになり、部品の互換性がなくなってしまったんです。

──そんなことが。

それで、我々もオリジナル蛇口の製造に力を入れることになり、はじめはオシャレなオリジナル蛇口を作ろうとしたのですが、大手メーカーや海外メーカーと似たようなデザインになってしまって。オシャレというジャンルで独自性を出すことは非常に困難でした。

そこで関西の企業らしい「おもしろい蛇口」にシフトチェンジし、2012年の発売以来独自商品として愛され、現在に至ります。

──大阪の企業らしい発想の転換ですね。でも、アヒルやおでんから水がきちんと出るようにするのはかなり難しそうですが・・・。

そうなんです。変な形の蛇口をつくるには、実は高い技術力も必要なんです。だから製品として使えて、なおかつ面白いものをつくるために試行錯誤を重ねた結果、技術力がかなり上がりました。

──いい意味で統一性がなく、その意外性に驚かされるデザインのものばかりです。ひねるところから逆に水が出る蛇口を見たときは、思わず「ウソやろ?」と声が出ました。モチーフやデザインなどの選定基準や意図などはあるのでしょうか?

細かい基準があるわけではありませんが、根本は「こんなところから水が出たら面白いのでは?」「こんな形にしたらインパクトがあるのでは?」という意外性です。社員のアイデアが形になったものはもちろん、学生がインターンシップの課題として取り組み、商品化されたものもあるんですよ。

【カクダイ】O・DE・N(30000円)

──インパクト重視なのも大阪らしいですね! でも個性的すぎて、実際に設置されているのはどのような場所なのか気になります。一般家庭はやはり少ないのでしょうか?

一般家庭よりもお店で設置いただくことが多いですね。おもしろ水栓を展開する『Da Reya』シリーズはすべて単水栓(水しか出ない蛇口)なので、家庭では使用できるところが限られる商品です。

なので、基本的には飲食店などでの設置が多く、「おもしろい蛇口が付いているお店」として話題になることもあります。お店を覚えてもらうきっかけとしてお役に立てればうれしいです。

──確かにおもしろい蛇口の店って記憶に残りそう! 特に人気のデザインのものはありますか?

廃番になってしまいましたが、「誰や!メタボにしたん?」という蛇口は『Da Reya』シリーズのなかでも人気商品でした。

──大掃除シーズンなので、もしかするとついでに水栓を交換するという方もいらっしゃるかもしれません。おもしろ蛇口をつける際に気をつけることや確認しておくべきポイントがあれば教えてください。

屋外での使用はできませんので、ご注意ください。どれも変な形をしてはいますが中身は普通の蛇口なので、それ以外は特別気を付けることはありません。しいて言うなら、この蛇口を選んだセンスを疑われるかもしれませんのでお気を付けください(笑)。

【カクダイ】手裏剣蛇口(35000円)

──今後もおもしろ蛇口の種類は増えるのでしょうか?

はい。今弊社で開発に力を入れている「ディスタンス水栓」というものがあります。

菌との距離を保ちより安全に手洗い・うがいを行える水栓のことで、代表的なものはセンサー水栓がありますが、弊社では電源いらずで外でも使える昔ながらの衛生水栓に着目しています(※衛生水栓は吐水口の下部にハンドルがついており、手洗い時にハンドルに付着した汚れを洗い流せる)。

今後は、カクダイらしくお笑いの要素も取り入れた「ディスタンス水栓」も出せればと試行錯誤中です。

──衛生的でおもしろい蛇口、とても魅力的ですね。出来上がるのが楽しみです。ありがとうございました!

おもしろ蛇口のラインアップは、公式サイトに掲載されているWEBカタログにて(カタログの表紙も絶妙なセンスなのでぜひ見てほしい)。

取材・文/野村真帆

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