「そんな居抜き…」JR西日本・みどりの窓口、まさかの変貌

2022.1.2 18:15

居抜きされた「みどりの券売機」と、期間限定出店の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」

(写真2枚)

「そんな居抜きが許されるのか」という言葉とともに、じゃじゃまるさん(@JajacircleS)がツイートした写真が4.8万いいねの話題に。そこに映るのは、きっぷ売り場ともドーナツ屋とも解釈できる奇妙な光景だ。

JRグループによる乗車券販売所「みどりの券売機」の看板と、アメリカ発の人気ドーナツチェーン「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の文字が交錯する、なんとも言えない居抜き店舗。奥には自動きっぷうりば「みどりの券売機」が見えるものの、手前にはドーナツの販売カウンターも見切れている。

この光景にツイッターでは、「いつも気になってました」「きっぷうりばの一部を貸し出してるのかな?」など疑問の声が続々。たしかに、どうしてこのような形態になったのか? 元はどちらが先だったのか? 調べてみると、どうやら「京都駅西口改札内」にある店舗ということで、「西日本旅客鉄道(JR西日本)近畿統括本部」(所在地:大阪市淀川区)に詳しい話を聞いてみた。

──さっそくですが、ここはどういったスペースなんでしょうか?

2019年11月までは有人の「みどりの窓口」として営業しておりました。その後、「みどりの券売機」がある無人きっぷうりばとして改修をおこない、一部を臨時店舗の出店スペースとして活用している状況です。

──かなりインパクトのある店舗ですね・・・。臨時店舗ということは、これまでにほかのお店も?

2021年4月下旬から臨時店舗スペースとしての取組みを開始し、新ブランドの洋菓子店や地元で有名な和菓子店にご出店いただきました。

──なにが売られているのか、通勤の楽しみになりそうですね。ところで、有人の「みどりの窓口」から、なぜ臨時店舗スペースとして運営を?

きっぷのオンライン予約が主流となるなかで、有人の「みどりの窓口」を無人の「みどりの券売機」に変更しました。さらにコロナ禍によるご利用減少もあり、「みどりの券売機」もご利用されるお客さまは少ない状況に。ただ、「みどりの券売機」のニーズがゼロとなったわけではなく・・・きっぷうりばとしての機能は維持する必要がありました。

そんななか「京都駅西口改札内きっぷうりば」においては、みどりの券売機1台(状況により2台稼働)を稼働させるには空間的な余裕があり、さらに京都駅の乗換通路として商業ポテンシャルが高いことから臨時店舗を出店させることとなりました。

有人だった「みどりの窓口」時代

──たしかに、ネット予約サービス『e5489』などを実施されている影響もあり、有人窓口の需要に変化はありそうですね。西日本エリアで、こういったきっぷうりばはほかにもありますか?

きっぷうりばと臨時店舗が1つの空間にある駅は、当社管内では京都駅ぐらいだと思います。ただ、「みどりの窓口」だった場所を完全な店舗に作り変えるケースは過去にもあり、最近の事例では、「大阪駅御堂筋南口」付近にあった「みどりの窓口」を2018年に有名中華惣菜店としてリニューアルしています。

ほかにも、1つの空間にきっぷうりば以外の機能が共存しているという観点では、「みどりの窓口」のなかに銀行ATMを設置している駅(尼崎駅・神戸駅)や、モバイルバッテリーレンタルスタンドを設置している駅(京都駅・山科駅・草津駅・天王寺駅)があります。

──駅構内のスペースをどんどん有効活用されているんですね。今後どういった店舗が入る予定ですか?

2月以降の出店計画は現在調整中ですが、和菓子の取り扱いを予定しております。同スペースは「JR西日本」としても試行的な取り組みなので、ご利用状況などを踏まえて今後の活用方針を決定していく予定です。また、今回こんなに多くの反響をいただけるとは想定もせず、うれしく思います。

「クリスピー・クリーム・ドーナツ 京都駅西口改札内店」の営業時間は朝10時半〜夜9時半、期間は2022年1月31日まで(1月1日~3日は朝11時~夜7時)。

取材・文/Lmaga.jp編集部

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