南大阪・泉佐野の新ふるさと納税、一度追い出されるも復活へ

2021.9.14 06:45

『#ふるさと納税3.0』の一環で「ヤッホーブルーイング」との提携を報告した泉佐野の千代松大耕市長(9月9日・泉佐野市)

(写真4枚)

「ふるさと納税」の制度改変の渦中で総務省と争い、話題を集めた大阪府南部の泉佐野市。一時制度から除外されたものの2020年夏に復帰、年末には独自の制度『#ふるさと納税3.0』をスタートし、新しい地場産品の開発を推し進めている。9月9日におこなわれた同市の取材会で、千代松大耕市長に話を訊いた。

「天国と地獄を味わったふるさと納税」

本来、肉やカニといった特産品が人気を集めている返礼品。それら特産品に乏しい泉佐野市は、旅券ポイントやギフト券などを返礼品とすることで2018年度には498億円を集めたが、「寄付額の3割以下の地場産品」と制度改変が決まった際、それまでの実績に基づいて一時除外(2019年6月〜2020年6月)されてしまった。

最高裁の判決を受けて2020年7月に復帰したものの、「魅力のある返礼品の多いところとは勝負ができない」と苦戦。千代松市長は、「人気ある返礼品の豊富な自治体が前年より上回る寄付額を得る、というのが全国的に目立っていました。格差がより開いた1年だったと感じています」と振りかえる。

さらに追い打ちをかけた新型コロナ感染拡大。「関西国際空港のお膝元ということで、航空業、飲食業、旅行業・・・、さまざまな観光に関する産業・インバウンドが途絶え、非常に厳しい状況」と打ち明けた。

「自ら特産品を作り出す逆転の発想」

そんな状況を打破するため、「発想自体は9月くらいから。11月には募集をはじめました」と、同市が取り組んだのが『#ふるさと納税3.0』。これは、クラウドファンディングで新プロジェクトの市内事業化を支援し、そこで開発された商品を特産品として返礼品に活用するというもの。

クラウドファンディング(資金調達)にふるさと納税制度を活用し、これまでに9つのプロジェクトが事業化。9月9日には10社目として長野県にビール醸造所を構える「ヤッホーブルーイング」(代表:井手直行)も参加し、現在は合わせて5つプロジェクトが動いている。

「3.0は企業誘致をし、ふるさと納税の新しい返礼品を作り出すのみならず、雇用の増加、未来的には税収増にもつながる取り組み」と、同市復活へ期待を込める千代松市長。

一度除外されたことの悔しさをバネにした発想なのか訊ねると、「そうですね。追い出されて(戻ると)、新しい制度での不公平感が強い。『これを埋めるために新しい特産を作っていく』という思いだった」と明かした。

また、「これは本市だけでなく、全国どこでもできること。(魅力ある特産品の)少ないところは努力で補うことができるので、そのひとつの取り組みだと思います。全国に広まればいいな、と思います」と話した。

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