「年齢下げても大丈夫」神戸が40歳以上のワクチン予約開始

2021.8.5 11:00

新型コロナワクチンの予約年齢引き下げについて説明する久元喜造神戸市長(8月4日・神戸市役所)

(写真9枚)

神戸市が40歳以上の新型コロナワクチンの予約を8月5日から開始することを、8月4日の市長臨時会見で発表。接種するのはモデルナ製のワクチンで、会場は「ノエビアスタジアム」(神戸市兵庫区)となる。

ここ1週間、1日あたりの陽性件数が50~80件で推移していた神戸市だが、8月3日に154件、4日に128件と急増。同市は第5波が到来したと位置づけた。

一方、65歳以上へのワクチン接種の効果があらわれ、陽性者の9割以上が59歳以下となり、重症者数も減少。市の基幹病院である「神戸中央市民病院」(神戸市中央区)に入院した患者の内訳(7月1日~8月3日)では、現在重症化する割合がもっとも高いのは40代・50代で、全体の55%を占めるという。

「重症化を防ぐことが大事。ワクチンの数に限りがあることを考えれば、この年代の接種を優先すべきでは」と久元喜造神戸市長。

これまで59歳以下で接種(予約)できるのは、優先対象の条件に当てはまる人だけだったが、5日からは40歳以上の市民(2022年4月1日までに40歳になる人を含む)であれば、誰でも専用サイトで予約できるようになるという。

しかし、国からの供給量が減り、6月末から慢性的なワクチン不足が続く状態で、予約年齢を引き下げて大丈夫なのだろうか。

「ファイザー社製の状況は変わっていないが、モデルナ社製は安定的に供給されている」と久元市長。1週間ごとに約2万回分が供給されているというが、ワクチン未接種の40・50代は、市内に30万人余りもいる。

これについて久元市長は、「ノエビアスタジアムは1日で約3000回の接種が可能だが、現在、予約が半分も埋まっていない日がある。全員が申し込むとパンクするが、これまで(優先枠など)の申し込み・キャンセル状況を考えると、年齢を引き下げても大丈夫ではないか」と、経験にもとづいて判断したことを明かした。

「ノエビアスタジアム」へのアクセスは、神戸市営地下鉄海岸線の「御崎公園駅」から徒歩5分。またJR「兵庫駅」「新長田駅」から10分ごとに無料のシャトルバスも運行している。

なお、7月1日から8月3日までの陽性者のうち、66.6%が39歳以下。市の担当者によると、クラスターの発生件数は少なく、感染経路がわかるケースではやはり、会食やマスクを外した場面での感染が多いとのこと。

久元市長は、「夏休みで出かける機会も多いだろうし、一律に外出自粛を呼びかけはしない。逆に家に閉じこもっていると、高齢者はフレイル(心身の衰え)、子どもはスマホ・ゲーム依存になるリスクもある」とし、「今は熱中症の危険もあるので、人のいないところではマスクを外すなど、心身全体で見てリスクを下げることが大切。そのときどきの状況に応じて、適切な行動を取っていただきたい」と呼びかけた。

取材・文・写真/合楽仁美

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