VRS未入力の大阪市「これでワクチン減らされるのは違う」

2021.7.14 06:30

大阪市北区にある「大阪市役所」

(写真2枚)

7月12日におこなわれた大阪市の定例会見において、市のVRS(ワクチン接種記録システム)の入力が遅れている影響で、8月16日以降にファイザー社製ワクチンの供給量が減らされる可能性があると明かされた。

市ではこれまで、市内約1700カ所の医療機関における個別接種、また各区での集団接種や大規模接種会場などを合わせ、週に30万〜35万回の接種体制を確保。

市の担当者によると、12日の時点で65歳以上の高齢者への接種状況は「個別の部分はワクチンの配送量で見るしかないが、それでいくと希望されている7割の人が確実に打たれている」と想定しており、実際に接種は進んでいると見られる。

しかし、ワクチン接種を記録するシステム・VRSの登録には、第1回目(5月24日〜7月3日)の個別接種で回収した約32万件の入力が遅延。12日時点で12万件を入力し、あと20万件ほどの積み残しに関して引き続き作業を進めているという。

急いで入力作業を進める理由は、国が7月7日に発表したファイザー社製ワクチンの基本配分計画において、「3クール(6週間)分の接種回数を超える在庫がある市町村については、基本計画枠の配分量を1割削減することとする」と示されたため。

この入力の遅れにより一定量の在庫があると見なされた大阪市の松井一郎市長は、「これ(VRSの結果)でワクチンの供給量を減らされるのは違うと思うし、そのことは河野太郎大臣(新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣)にも伝えている」と話す。

とはいえ、VRSの数値がワクチン供給量にどう影響するかについては未定。市の担当者は、「市がVRSに入力すれば、第12クール(7月7日〜20日の結果を反映する8月30日からの週)ではプラスアルファの供給が望めるが、第11クール(6月25日〜7月8日を反映する8月16日からの週)は減らされる可能性がある。また、減る量も、増える量もわからない」と供給量の不透明さに懸念を示した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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