世界各地のミイラが大阪に集結、生命の尊厳を訴える

2021.7.18 06:45

「特別展 ミイラ」会場風景

(写真11枚)

南北アメリカや古代エジプト、ヨーロッパ、日本など、世界各地のミイラが集結した展覧会『特別展 ミイラ 『永遠の命』を求めて』が、「大阪南港ATC Gallery」(大阪市住之江区)でおこなわれている。

ミイラの展覧会と聞くと、興味本位の見世物興行を連想する人もいるだろう。しかし本展は違う。最新の研究成果や科学的知見を基にミイラの本質を追求し、人間の死生観や宗教観、あるいはミイラになった過程、死因まで突き止めようとする硬派なものだ。

例えば、有名な古代エジプトのミイラ。当時の人々は来世で新たな生を得るために、自身の肉体をミイラにして保存するのが必須だと考えた。南北アメリカのミイラは祖霊崇拝の対象であり、生者と死者は現世で分かちがたく結びついている。

一方、ヨーロッパのミイラは自然環境の影響で残ったものが多く、死因がある程度特定できる場合も。また日本では、僧侶が自らの意思で入定した即身仏などが見られる。

本展を見ると、人間がどのようにして死と向き合い、生きてきたかが伝わってくる。ある者は自分の命を意味あるものにするために、またある者は家族や一族との結びつきを保つために、ミイラになることを望んだのかもしれない。

もちろん社会的要請もあるだろう。ミイラが存在することで共同体の秩序が保たれる。映画やテレビでおどろおどろしく描かれがちなミイラだが、本展を見れば厳粛な気持ちでそれらと向き合うようになるだろう。一般1700円ほか、期間は9月26日まで。

取材・文/小吹隆文(フリーライター)

『特別展 ミイラ「永遠の命」を求めて』

日時:7月10日(土)~9月26日(日) 会期中無休
時間:7/10(土)~7/31(土)10:00~20:00(最終入場19:30)、8/1(日)~9/26(日)10:00~18:00(最終入場17:30)
会場:大阪南港ATCギャラリー(大阪市住之江区南港北2-1-10 ITM棟2F)
料金:平日一般・大・専1700円、高・中・小800円(土日祝一般・大・専1900円、高・中・小1000円)ほか
電話:0570-200-888(平日・土曜11:00~16:00)

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