余った給食牛乳から?コロナ禍の逆境で誕生した淡路島チーズ

チーズ職人が手作りするひょうたん型の「淡路島カチョカヴァロ」
創業から70年以上の乳業メーカー「淡路島牛乳」(兵庫県南あわじ市)では、新型コロナウイルスの影響で大量に余った学校給食の牛乳を使ってチーズを開発。島内を中心に話題を呼び、今や生産が追いつかないほどの人気ぶりだという。
今回開発されたのは、愛嬌あるひょうたん型のルックスが特徴の「淡路島カチョカヴァロ」(1個130g ・1188円)。イタリア語でカチョはチーズ、カヴァロは馬という意味があり、馬が荷物を運ぶとき、鞍の左右に下げる荷袋の形に似ていることから、その名がついたとか。
「関西ではあまりなじみのないタイプのチーズですが、そのままカットしてローストビーフやサラダにもよく合い、焼けばさらにおいしい。いろんな楽しみがあることにも魅力を感じました」と広報担当の柏木順二さん。
材料はシンプルに、地元の学校給食でも使われる淡路島産のフレッシュで良質な生乳と藻塩のみで、ミルクの濃厚なコク、藻塩の塩味を生かしながら、冷蔵で約1週間ほど熟成させて旨みを凝縮させるという。
食べ方は、1.5センチほどにスライスし、フライパンで焼いた「チーズステーキ」が定番。焦げ目がつくほど強火で両面を焼くと、外はカリッと香ばしく、なかはもっちり、とろけるような食感とミルキーで濃厚なコクが楽しめる。まろやかな塩加減は、ワインのアテにも、おやつにも最適だ。
家庭で牛乳が余った際、一気に消費できるレシピとして、シチューやドリアを考える人も多いのでは。コロナ禍の苦境のなか同様の発想で開発されたこのチーズは、手作りで1日の生産が限られるなか、今や売上は月間900個以上に。
取り扱いを希望する店舗からの問い合わせは県外からも増加し、同社は「淡路島の新たな特産品としてよい手応えを感じている」と言う。取扱店は、島内の「美菜恋来屋」「御食菜采館」「うずの丘大鳴門橋記念館」「淡路ハイウェイオアシス」など大型物産館やスーパーにて。売り切れも多いので、見つけたら即買いしたい。
取材・文/みやけなお
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